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JUGEMテーマ:戯言 街路樹の根元で小さな猫が丸まっている。灰色の猫だ。近づくと顔を上げて私を見つける。ブルーとグリーンがゴールドに混じった眼球だ。甘酸っぱい感じがする。それは晴れ渡り、陽光は分厚いのに鋭い。風はゆるやかだけど冷たく、それが街角の風景を冷酷なものにしている。だから、私はその小さな猫に手を伸ばさない。 この猫は私かもしれない。 いや、そんなはずはない。 私は猫を見つめている。そして猫に見つめられている。でも、私はどこにもいないかもしれない。あるいは小さ...
pale asymmetry | 2022.03.11 Fri 21:12
JUGEMテーマ:戯言 青空をただ眺めていても何も起こらないのは十二分に承知していたりしますけど、ただ青空を眺めていたくなることってありませんか? まあ何というか今日がそうだったんですけど、つまり綺麗な青空だったわけです。どうして青空って、特に綺麗な青空でなくても、ずっとずーと眺めていられるんでしょうね。これって私だけでしょうか。 風はまだヒンヤリとしてますけど陽光は強めだから、ポータブルチェアを青空の下に広げて、ぼーっと眺めてみたり。いろいろと考えることがあったはずなんです...
pale asymmetry | 2022.03.09 Wed 21:32
JUGEMテーマ:戯言 目覚めたのは何者かに呼ばれたからかもしれない。まあ、そんなことはないのだけれど、そういう気もしないでもない。だから庭に出てみる。薄明るい世界は、少し湿った空気で満ちている。それは庭が求めている空気なのだろうと思えるけれど、私には少し息苦しい感じがする。 緩やかに溺れている感じ。あるいはやわらかく水没している感じ。 朝早くに目覚めてみたものの、することなど何もない。時間を持て余すのが嫌で、庭の草を抜いてみたりする。一つ一つ抜き取るたびに、死の匂いがす...
pale asymmetry | 2022.03.08 Tue 22:00
JUGEMテーマ:戯言 砂漠にだって雨は降る。雨が降れば川が流れる。そういう世界が確かにあると信じているのに、たまに裏切られたりする。いや、実際には裏切られたりなどしていなくて、ただ私が裏切られたと感じているだけかもしれない。そうして勝手に傷ついてしまったりしているのだ。 そういうときは眠るのが良い。そう誰かに言われた記憶がある。あれは誰だったかしら。そしていつだったかしら。記憶がぼんやりとしているから、ずっと昔のことなのだろう。誰かに言われたと思うのなら、それは近しい人なの...
pale asymmetry | 2022.03.06 Sun 21:14
JUGEMテーマ:戯言 私というものがどこにあるのか、ときどき解らなくなる。つまり私の主体がどこに帰属しているのかという意味で。それは肉体だろうか。各内臓を含む物質の内部にだろうか。それとも、その物質間の相互関係によって生まれるアクションにだろうか。あるいは、ただ脳という一つの内臓が構築した幻影だろうか。 私は幻想に過ぎないのだろうか。つまり私という主体はどこにも帰属していないのではないかという意味で。それは私の身体のどこにも存在せず。私の身体は私という主体からは切り離されて...
pale asymmetry | 2022.03.04 Fri 20:46
JUGEMテーマ:戯言 腰を下ろし、流れのない川に足を浸す。その水は温く、私の熱は奪われない。この水は冷静なのだろうか。澄んでいるけれど、死の予感は感じない。静かな水だ。動いていないからだろうか。足先を軽く蹴り上げてみる。跳ね上がった飛沫は水を奔放に躍動させたけれど、水は静かなままだ。 私は何を期待しているのだろうか。この水が突然私を襲うことだろうか。そして私を犯すことだろうか。解らない。意識の表層には、どんな欲望も浮かび上がってこない。けれど無意識の底には、何かが蠢いている...
pale asymmetry | 2022.03.01 Tue 22:02
JUGEMテーマ:戯言 急ぐ必要なんて何もない。けれど時間は無尽蔵にあるわけではない。相反するこの二つの気持ちを危うくバランスさせながら、少しだけアルコールを流し込む。ドラッグも少し。二つの事象が混ざり合って、ハチャメチャなユートピア幻想に浸る。結局、私はゆっくりとしか進めないのです。急ぐとすぐに眠気に襲われるから。 ゆっくりと旅をして、キョロキョロと目線を泳がせる。アンテナはあらゆる方向に展開して、何に注目するわけでもないままに、思いがけないものを手に入れたりして嬉しくなっ...
pale asymmetry | 2022.02.28 Mon 20:40
JUGEMテーマ:戯言 その人は街角の兵士にひまわりの種を渡す。死んだ兵士からひまわりが育ち、戦場が最終的にひまわりに埋め尽くされるようにと。そんな願いが世界には溢れているのに、たいていの場合は踏みにじられてしまう。そのひまわりを纏った世界はきっと綺麗なのに、そのイメージは一部の人には拒絶されてしまうのだ。 街角の兵士は遠からず引き金を引き、放たれた弾丸が何者かを赤く染めるかもしれない。あるいは何者かが放った弾丸が、街角の兵士の心臓を撃ち抜くかもしれない。そうやって世界はとり...
pale asymmetry | 2022.02.26 Sat 21:16
JUGEMテーマ:戯言 仕事から家に戻ると、ワンルームの部屋中にトラの着ぐるみを着た元彼の着ぐるみが散乱していた。トラではなく、元彼でもなく、その抜け殻が。それはもう床もテーブルもベッドも覆い尽くし、数えたわけではないけれどたぶん二百四十六…、ん? この場合はなんと数えるのだろう。二百四十六着? それとも二百四十六体? 人? 枚? とにかく散乱していた。 こういうのは、死体や死骸よりも厄介だ。取り敢えず飛び込んでみる。というのもトラの毛がモフモフしているように見えたから...
pale asymmetry | 2022.02.22 Tue 21:58
JUGEMテーマ:戯言 僕はカエルの腹を開いて、オルガンに歯車を組み込む。歯車だけじゃない、真空管も組み込む。それらだけじゃない。トランジスタだって組み込むんだ。そしてもちろん、僕の想いも組み込むよ。そうしなければ、言語が乱れてしまうでしょう。せっかく君と僕は同じ母語を操っているのに、これが古の物語のように分断されてしまったら、僕らは簡単に混乱してしまうよ。そうなればカエルのオルガンは、不協和音しか奏でなくなるじゃないか。 螺子は多めに打ち込もう。意味のないくらいに沢山捻じ込...
pale asymmetry | 2022.02.21 Mon 21:03
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