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JUGEMテーマ:戯言 私は翻弄されているのです。よく解っています。処理すべき事項は山ほどあるのに、ただ鏡を見つめて問い掛けているのです。私は誰で、何を求めているの、と。目の前にあるのはもちろん魔法の鏡ではないので、いくら鏡よ鏡よと唱えてみたところで、応えは返ってこない。それでも問い掛けることをやめることが出来ないのです。 目を閉じることさえ出来ない。 胸を掻きむしるだけ。 時間は嘘にまみれ、私には確かな事象が何もない。私の手には何も触れていない。 それなのに私は...
pale asymmetry | 2022.04.21 Thu 21:22
JUGEMテーマ:戯言 ずっと窓辺に腰掛けて外を眺めていた人形が、ある日ぽつりと呟いた。 「あたし、もう行くわ」 それは私が想像していたのよりも少し低い声で、私が想像していたのよりもざらついた声だった。 「ずっと、このままというわけにはいかないから」 人形は、きっぱりと言い切った。その人形は私が作ったものだ。鏡を見ながら造顔したから、私に似た顔をしている。そっくりというわけではないけれど、私が人形であったとしたらこんな顔だろうと思えるような顔にはなっていた。つまり私を...
pale asymmetry | 2022.04.20 Wed 20:27
JUGEMテーマ:戯言 私が愛しているのはあなたのなかにある私的なものなのだと気づく。よく考えてみると、今まで愛してきた人についても、その人の内部に感じる私的なものを愛していたのだと思う。私が誰かを愛するときには、それが最も大事な要素なのだと気づく。誰かに魅了されるとき、それは私自身に魅了されているのだと思う。 これって、私だけだろうか? それとも、誰でもそうなのだろうか? あなたはどうですか? 今目の前にいる人を愛しているとして、それはその人があなたとは全く違うフォ...
pale asymmetry | 2022.04.19 Tue 21:30
JUGEMテーマ:戯言 フワフワと雨が舞っている。舞い踊っているのだろうか。私をその舞いに誘っているような気もするし、ただ私をからかっているようにも思えたりする。少年ははしゃいでいる。砂を蹴り上げて、透明な誰かと乱舞している。あるいはそれは手合わせかもしれない。彼はきっと生存競争のまっただ中にいるのだろう。 「食べてしまいたいくらい愛してる」 そう少年に声をかけたら。 「食べてしまわないで。まだしたいことが沢山あるから」 と真顔で返された。そういうところがとても可愛い...
pale asymmetry | 2022.04.10 Sun 20:10
JUGEMテーマ:戯言 高回転する響きは、どこか寂しそうだった。それは私が寂しさを抱えているからなのだろうか。もちろんそんな自覚はない。楽しくはないが、寂しいわけではない。ただいつもと変わらない日常を過ごしているにすぎない。それでも私が気づいていないだけで、本当は心の奥底に、あるいは細胞一つ一つの核に、どうしようもない寂しさが芽生えているのかもしれない。 たとえばまだ暗い早朝に、フクロウの声を聞きながら彷徨う。彷徨うだけならそうではないが、そこにフクロウの声が結びつくのならば...
pale asymmetry | 2022.04.08 Fri 20:59
JUGEMテーマ:戯言 身体が、不可思議に砕けている。砕けているわけではない。不可思議に砕けているのだ。ばらけていて、ばらけきってはいない。分解状態で連動しているのだ。だから、みっともないくらいギクシャクした動きになる。まるで三百歳を超えた老人のようだ。地面を踏め占めているはずなのに、その地面が漂っているので、私も漂わざるを得ない。そして漂っているはずの地面は、決して漂ってはいない。二つの事象が重なり存在している。 その重なりにずれは一切ない。ぴったりと重なっているのに噛み合...
pale asymmetry | 2022.04.05 Tue 21:33
JUGEMテーマ:戯言 オクラレルカの花が咲く。咲き誇る花たちを見ていると、あの子のことを思い出す。あれは13年前の記憶。 「ボタンを探しに行くの」 あの子はそう言って出かけていった。一枚の写真を残して。そこには瑠璃色のボタンが写っていた。ラピスラズリかもしれないと私は思った。そんな風な、銀河を内包した瑠璃色のボタンだった。 「どうして?」 問い掛ける私に、あの子はただ微笑んだ。小さく首を振った。僅かに目を伏せた。そのまま背を向けて家を出て行った。その背中を見て、どうし...
pale asymmetry | 2022.04.04 Mon 21:09
JUGEMテーマ:戯言 今日も眠い。そして痛みを抱えている。だから気分が重いのかと言えば、そんなことはない。どんな事象にも慣れてしまえるから、人間はこんなにもこの惑星中に蔓延っているのだろうと思ったりする。そして私も、その人間というものの一人だ。今日もしっかりと蔓延っている。そして蔓延られてもいる。 少し季節が後退したようだ。ジャケットを引っ張り出して、モコモコの靴下をはく。そして猫を抱き、犬に背中をくっつける。そんな天国を想像する。実際には何もない。ジャケットも、靴下も、猫も...
pale asymmetry | 2022.04.03 Sun 21:16
JUGEMテーマ:戯言 雨の日は空を見上げない。特に冷たい雨が斜めに降る日は。そういうときは傘を傾けて、その傘の内側だけを見つめて歩く。それで胎内にいるような気分になれたりはしないけれど、風が強ければ強いほど、難しい計算を連続して解いているような高揚感は得られたりするのだった。本当はスマートグラスをかけて、全ての雨粒を数式化したいところだけれど、そこまでやると移動そのものが目的になってしまい、何のために移動しているのか解らなくなってしまうから諦める。だって、目的地に向かっているの...
pale asymmetry | 2022.04.02 Sat 21:12
JUGEMテーマ:戯言 私の奥深くで、モーターは振動する。それは固定されていて、もう外すことは出来ない。バッテリーなんていらない。心臓の鼓動を動力源に、そのモーターは振動を続ける。それは意味のない振動で、それが何かに働きかけるわけでもなく、何かと連動するわけでもなく、何かを出力するわけでもない。解析もしないし分析もしないし予測もしない。それどころか、そういうことをしようとする私を妨害したりするのだ。 それでも振動は固定されていて、それはもう私の一部だ。あるいはその振動こそが最...
pale asymmetry | 2022.03.30 Wed 21:01
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