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JUGEMテーマ:戯言 激しい雨の中、蝶が舞う。蝶が惑う。蝶が微睡む。惑っているのは私か。微睡んでいるのも私かもしれない。私は舞わない。雨の雫は、蝶の飛翔にどのくらいの悪意を滲ませるのだろうか。蝶はその悪意に怒りを感じるのだろうか。怒りを感じたとして、それが蝶の舞の核に転写されるだろうか。転写されたとして、その文字配列は次の秩序を形成するための材料にされるだろうか。材料にされたとして、その秩序は私を安堵させてくれるだろうか。その時刻は遠く、私には解らない。 激しい雨の中、蝉が...
pale asymmetry | 2020.10.22 Thu 18:30
JUGEMテーマ:戯言 花を見つめている。丸いテーブルの真ん中に飾った花を。半球型の小さな花瓶に挿した一輪の花を。テーブルは低く、淡いブルー。だからそれは宇宙ではない。半球型の小さな花瓶は瑠璃色。だからそれは宇宙かもしれない。しかしそれは宇宙に擬態した何かかもしれない。その可能性を私は否定できない。そういう可能性は、いつだってどこだって当たり前のように転がっているのだから。しかも転がりながら、そういう可能性は不可能性を巻き込んだりしているのだから。 私は花を見つめている。青みが...
pale asymmetry | 2020.10.18 Sun 21:19
JUGEMテーマ:戯言 季節が進み、朝が始まる時間が少しずつ遅れている。私は同じ時間に起きて、同じコースを同じタイミングで犬と歩いているのに、いつの間にか日が昇る前、夜の領域を歩いている自分に気づく。何日か前まではこの場所で朝を感じたな、と記憶している場所でもう朝を感じることが出来なくなっている。不可思議な感覚だ。それとも、不可思議と感じてしまうことこそが不可思議なのか。私が足を着けている惑星は太陽の周りを旅しているのだから、この不可思議は旅のルールだと、当たり前のルールだと捉え...
pale asymmetry | 2020.10.17 Sat 19:52
JUGEMテーマ:戯言 そのデータは消去された。いや、消去したのは私だ。そのデータは私によって消去された。つまりそのデータは私が消去した。それが事実として存在しているのに、私はそのことに気づけない。その記憶が欠落しているのか。そうではない。私の記憶に乖離はなく、私は確かに自身の手でデータを消去したのだ。しかし私はそれに気づかない。それに気づかないまま、そのデータが消去されていないことを前提に行動してしまう。私がデータの消去に気づくのは、消去の実行からずっと後のことだ。私は突然デー...
pale asymmetry | 2020.10.16 Fri 20:37
JUGEMテーマ:戯言 モニターの中で、賢者が世界を罵っている。口汚い言葉を並べ立てて。けれど彼は賢者だから、その語りは理路整然としていて、耳を傾けるのに値する内容だ。ただ彼の語りは、耳を傾ける者の全て傷つける内容だ、基本的には。あるいはそれは彼のスタイルなのだろう。何せ賢者なのだから、彼がただ私利私欲に任せて、世界を歪めようなどと思っているはずがない。傷つける語りは、彼自身さえも傷つけているのかもしれない。 それとも、全ては私の大きな勘違いだろうか。賢くない私だから、彼の意...
pale asymmetry | 2020.10.15 Thu 20:32
JUGEMテーマ:戯言 片翼の夢を見る。片翼で、落下する夢。私は風を捉えることが出来ない。風は私を抱きしめることはない。でも落下しながら、その感覚を心地良く感じてしまったりもする。きっとそれが私のよくないところだ。なんとかしなければともがかなければいけないのだから。でもそんな気持ちは湧き上がったりしないのだ。落ちたいと思っているわけではないけれど、どんな落下が私らしいかしらと思ってしまったりするのだ。 背中から地面に叩きつけられれば、片翼の翼も粉々に砕け散ってしまうだろうか。...
pale asymmetry | 2020.10.13 Tue 21:31
JUGEMテーマ:戯言 先端の鋭く尖ったタワーはすでに彼に完全に制圧されている。でもタワーはまだそのことに気づいていないんだ。タワー自体も、タワーを運営するオペレータたちも。だって彼はそのことを悟らせないために、どんなアクションもしていないから。微細なモーションさえ起動していないから。 先端の鋭く尖ったタワーは都市の中心にある。もちろんそれは都市の正確な中心ではない。だって都市なのだから。つまり都市というものが、正確な中心を有しているはずがないのだから。そうだとしても、タワー...
pale asymmetry | 2020.10.10 Sat 21:40
JUGEMテーマ:戯言 楽園を目指していたのではなかったかしら。そう、私は楽園を目指していたのだ。楽園を目指していただけなのだ。楽園はどこだろう。たぶん、こんな港の倉庫街にはないだろう。ところで、なぜ楽園を目指していたのかしら。最初の一歩を踏み出したとき、どんな想いが私の中に渦巻いていて、楽園を求めていたのかしら。思い出せない。そのとき私は、切実に求めていたはずなのに。 倉庫の一つの扉をくぐる。内部はアクアリウムだ。薄暗いその空間に大小の水槽が並ぶ。その全てに見たことのない魚...
pale asymmetry | 2020.10.08 Thu 20:39
JUGEMテーマ:戯言 満月を見つめている。満月を感じている。満月と結ぼうとしている。満月が寂しそうだから。こんな私で良かったら、、結んでみてはいかがですか? という想いを眼差しに織り込んで飛ばしてみる。捧げてみる。もちろん返事はないけれど、綺麗な月ですね、とどこかで誰かが口にしているのを感じたりする。私は満月を見つめる。鮮血の滴る満月を。 満月の鮮血は白銀色だ。槍のように長く鋭利な雫だ。それが曲線の輪郭から剥離するように、私をめがけて落ちてくる。もちろんかわしますとも。そん...
pale asymmetry | 2020.10.01 Thu 21:42
JUGEMテーマ:戯言 はっきりとしていることは、その黒猫は頭を三つ有していたということだ。もちろんボディは一つだ。尻尾も一本で、決して九本ではない。三つの顔を持つその黒猫は、顔ごとに瞳の色が違っていた。青い瞳の顔。金色の瞳の顔。赤い瞳の顔。瞳の色が顔によって違うことには意味があるのだろうか。あるのだろうな。でも、私が傾倒しなければ鳴らない意味ではないだろうな。猫にとっての重要なキーポイントとしてだけ存在する意味なのだろうな。 それでも私はその意味を追求しなければならないだろ...
pale asymmetry | 2020.09.29 Tue 22:04
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