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JUGEMテーマ:戯言 回転していたから回転し続けるのだろうと認識したのだけれど、それは最適解ではなかったようだ。不適切な解だったのかというと、それも違うようだったけれど。いつまで、そしてどこまで回転し続けるのかどうかは私の与り知らぬところだけれど、現在の回転を観察することならば、私にも出来る。河を渡るよりも、それは簡単なことだ。強固な橋でさえ流されてしまった今となっては、むしろ観察こそが私に出来る数少ないスキルかもしれない。 それは星を見つめることと似ている。何の規則に則っ...
pale asymmetry | 2020.07.07 Tue 22:14
JUGEMテーマ:戯言 一翼の素子が、水面のすぐ上を飛翔する。本当に水面との境界ギリギリで、ともすれば水面を自身に取り込んでしまったり、あるいは水面の方に自身の一部を滲ませてしまったりしそうなほどの接近だった。そんな接近が許されたのは、水面がこの上のない凪を纏っていたからだ。千年、いや万年、それとも億年に一度の凪が惑星を埋め尽くしていたからだ。そうでなければ、飛翔は一瞬で粉砕され、それは世界によって粉砕され、世界の見えざる拳によって粉砕され、風の懐深くに巻き取られていただろう。そ...
pale asymmetry | 2020.07.05 Sun 21:55
JUGEMテーマ:戯言 もしも私が世界であったとしたら、この雨の全てを受け入れなければと思うだろうか。落雷による痛みも、その痛みに意味があるのだと考えて、その意味を探求しようとするだろうか。意味が解らなければ、解るまで落雷に身をさらして際限なく痛みを取り込もうとするだろうか。 風に舞うことなく、空気を切り裂き地面に突き刺さる雨は、末期の雨なのだろう。世界は終わりに向かって突き進んでいるのかもしれない。もしも私が世界なのだとしたら、私は終わりに向かって彷徨っているのだろうか。大...
pale asymmetry | 2020.07.01 Wed 21:25
JUGEMテーマ:戯言 あなたはのんびりと歩いている。強い陽光を楽しむような表情で。時々立ち止まり、雲のない空を見上げ、眩しさに目を細め、何度か頷く。空の向こうから降ってくる誰かの信号をキャッチしているのかもしれない。あるいはただ単に、意味のない仕草なのかも。でもその頷きが、私にあなたという存在を気づかせたのだ。その瞬間にあなたは意味のない事象から、意味ある事象に昇華したのだ。私にとって。 私は透明な右手を伸ばす。あなたの後ろ髪に触れる。風のふりをして揺らし、擽ってみる。あな...
pale asymmetry | 2020.06.25 Thu 21:37
JUGEMテーマ:戯言 あたしは二千メートルの壁の天辺に腰掛けている。ここは空だろうか、それとも宇宙だろうか、あるいは深海かもしれないな。何も見えないから解らない。嘘、何も見えないわけじゃない。何も見ていないんだ、あたしは。二千メートルの壁の上で、目を閉じて、冷たい流れだけを感じて、それが何の流れなのか解らないまま、もちろん知りたいとも思わず、夢見ていたいなんて願っていたりするのだ、あたしは。 貧弱な心臓を包み込むもやもやを、それがペガサスのような有翼の馬になればいいのにとか...
pale asymmetry | 2020.06.23 Tue 21:39
JUGEMテーマ:戯言 「かたちを下さい」 猫が私に言う。真っ黒な猫。真っ黒すぎて銀色にも見える。それはつまり銀河を纏っている猫ということなのかもしれない。そんな猫がいるはずはない、とは思うけれど、強く否定することは出来ない。私は神様ではないから。もちろんだから、私は世界とその行方に責任を持つ必要はない。私とその行方に、世界が責任を持ってくれなければいけないのに、と思ったりしている。そう思っているということは、世界が私と私の行方に責任を持ってくれているだろうと感じていないという...
pale asymmetry | 2020.06.21 Sun 21:07
JUGEMテーマ:戯言 雨上がりの空をスカートが飛ぶ。あれは私のスカートだ。強い雨に洗われたキラキラの空を、私のスカートが気持ちよさそうに滑空している。魔法の絨毯のように。あるいは、オットー・リリエンタールのグライダーのように。見慣れた空を見知らぬ風に煽られて、泳ぐように飛んでいる。 空よりも碧いロングスカート。聖獣のように、聖獣の弟子のように揺れ動くプラスチックのロングスカート。 地上からは見えないけれど、スカートの内側には箒が隠されているんだ。でなければ飛翔することな...
pale asymmetry | 2020.06.20 Sat 20:57
JUGEMテーマ:戯言 UFOが水面に墜落したような朝に、私はいるようだ。ということは、私はそんな朝にはいないということになる。それがそういう朝ではないということなのか、それとも朝でさえないということなのか、それは私には解らない。それを知りたければ、必死に探し回れば、某かの答えには辿り着くだろう。そして辿り着いたと思った次の瞬間に、その答えはとんでもない間違いであったことに気づくだろう。何度やり直したとしてもその度に、私はとんでもない間違いに羽交い締めにされた気持ちになるだろう。そ...
pale asymmetry | 2020.06.17 Wed 21:55
JUGEMテーマ:戯言 私は湖と森の境界線上にいて、両足の踝までを水面下に逃がしている。ラピスラズリの硬く冷たいベンチシートに、私は腰を下ろしている。樹間から見える空は茜色で、太陽は見当たらない。あるいはその茜色は満月が放っているのかもしれないけれど、それは解らない。宵の明星か明けの明星が放っているのかもしれないし、彗星が空を横切りながら放っているのかもしれないけれど、それも解らない。私には何も解らないのだ。私が世界に組み込まれている意味も。 このラピスラズリのベンチシートは...
pale asymmetry | 2020.06.16 Tue 19:34
JUGEMテーマ:戯言 少しだけ、私は蹲っている。ほんの少しだけ。裂け目を縫い閉じられたその糸の違和感が、私をげんなりさせている。虹なんて見えるはずがないと思いながら、知らず知らずのうちに虹を探している。森の奥の薄暗い木々の根元で、ニッチを求めるコケの王冠として虹が存在しているかもしれないなんて考えながら。意味を嫌っているわけではないのだ。むしろどんな意味も受け入れたいと思っている。なのに意味の方が、私から逃げていく。そしてその後ろ姿を見つめていると、私は眠くなったりする。ミニチ...
pale asymmetry | 2020.06.11 Thu 21:38
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