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JUGEMテーマ:戯言 私の内側の恒星が、その燃焼温度を拡大する。その反応を複雑化させ、加速させる。そういうことは、季節の変化と連動している。つまりそれは暦とも連動しているということだ。ただ、近頃は季節と暦のずれが大きくて、私と季節と暦との連動は狂わされたりしている。私はコンストラクションでアーキテクチャだ。それが恒星の拡大や加速に影響されて、デストラクションを起こしている。 痛い、とても痛い。全身が、全細胞が痛んでいる。ひょっとしたら、全ての核の螺旋そのものが痛みを感じてい...
pale asymmetry | 2020.01.26 Sun 21:24
JUGEMテーマ:戯言 先端にはダイヤ。先端には逆さのハート。先端には引き延ばされたスペード。クラブはないな。そんなものはいらないのだわ、きっと。世界にはクラブはいらないのだわ。クラブは空を飛ばないから。クジラが空を飛んだとしても、クラブは決してその後ろを追いかけることはしない。クラブは怠け者なのね、たぶん。 もっとも鈍いのはダイヤ。次に鈍いのは逆さのハート。一人だけせわしないのは引き延ばされたスペード。けど働き者というわけではないわ。試行錯誤を知らず、ただがむしゃらに刻んで...
pale asymmetry | 2020.01.21 Tue 21:39
JUGEMテーマ:戯言 「扉に関する質問です。扉というものは開くものですか? それとも閉じるものですか?」 問題用紙にはそれだけが書かれていた。解答は選択式で、「a.開くもの b.閉じるもの」の二つの選択が解答用紙に記述されている。それぞれの選択肢の隣には小さな白抜きのボックスがあり、そのどちらかを塗りつぶすことで選択解答するようだ。試験会場内はざわつきだした。多分皆戸惑っているのだろう。第一に、これが何の試験なのかが解らない。第二に、この問題の意図がわからない。第三に、そもそもこ...
pale asymmetry | 2020.01.17 Fri 21:39
JUGEMテーマ:戯言 どうしても止められない加速というものはあるもので、そういうものが確かにあると自覚しているのに止められない。止めたいのか、止められない自身に自己嫌悪を感じているのか、と問われればそれは微妙で、まあそういう加速、制御できない加速というものも案外気に入っていたりもするから厄介だ。気に入っているならば厄介なはずはないではないか、とか言われそうだが、しかし考えてみて欲しい。永遠に加速することなど出来ないのだから、それはどこかで頭を打つはずだ。私という現象は、素粒子の...
pale asymmetry | 2020.01.12 Sun 21:38
JUGEMテーマ:戯言 アンブレラというものは奇妙なもので、ときにそれは闘争する少女たちの光線兵器になったり、ときに前衛芸術家が信奉する新しい神様になったりするのだ。あるいはそれは孤独な人の胸の内を写し出す鏡であったり、幸福の最中に倒れた人が最後に回顧する原始の象徴であったりするのだろう。もっとも、この場合の原始は存在しない原始で、だからその象徴も偽の原子で出来ていると考えなければならないだろう。 想像してみてほしい。あなたは人影のない街路を歩いている。時間は早朝だ。太陽はま...
pale asymmetry | 2020.01.08 Wed 21:52
JUGEMテーマ:戯言 「もっと、甘い香りの方が良かったかしら?」 向かい合うあなたは、私を真っ直ぐに見つめて問う。私に問うていうのかしら。それとも自分自身に問うているのかしら。あるいは月の裏側に静止している、異星人の船に問いかけているのかもしれないな。 「これで、いいと思う」 私は答えてみる。浴室に響く自身の声を聞きたくて。声は忘れ去られた遺跡を吹き抜ける風のように響いた。嘘。普段から情けない色を帯びた声が、エコーを纏ってより情けなく響いただけ。 「そう」 あなた...
pale asymmetry | 2020.01.07 Tue 22:30
JUGEMテーマ:戯言 年末年始を働き続け、やっと休みが取れたので旅に出た。車中泊仕様にした軽のボックスカーで、特に行き先も決めずに走る。食料や飲み物はたっぷりと積み込んだので、なるべく一人でぼーっと出来そうな場所を探す。適当に走りすぎて帰り道が大変かも、と思い始めた頃にいい感じだと思える場所に辿り着いた。海辺の空き地。見回しても民家は見当たらない。街灯もないので、夜は星が綺麗だろうなと思えた。車から降りて空を見上げる。空一面に、雲の紋様が描かれていた。何だか壮大な物語を語るタペ...
pale asymmetry | 2020.01.06 Mon 21:35
JUGEMテーマ:戯言 ドンヨリと曇った空だったと思う。暗号が隠されていたかもしれない。過去を噛み砕いて、未来を咀嚼するような暗号が。でも私はその空を覚えていない。泥まみれで転げ回っていたから。痛みを抱えていたような気もするけれど、それが私のエンジンの定格出力になりつつあったから、もうそのことで違和感を感じたりは出来ない。それでも出血を伴えば、某かの対処は必要だと思われるから、恋人を襲撃して強く抱きしめたりして、止血の代わりにしたりしている。口づけはしない。それはもう少し先。今そ...
pale asymmetry | 2020.01.04 Sat 21:00
JUGEMテーマ:戯言 真冬の早朝はドンヨリな空模様が多い。灰濁した雲海の向こうには、龍が渦巻いていそうだ。もちろんその姿が見えることなどない。その姿を隠すためのドンヨリな空なのだろう。とすると、龍は真冬を好むのか。あるいは、真冬には低いところに降りてくるのかもしれない。つまりその他の季節には、もっと上の、天上世界よりも上の、宇宙よりも上の場所で翻っていたりするのだろう。宇宙よりも上は冥いのだろうか、それとも輝波に満ちているのだろうか。確かめることは到底出来ないけれど、輝いていた...
pale asymmetry | 2020.01.01 Wed 20:17
JUGEMテーマ:戯言 海の向こうには大陸が広がっている。海の向こうには巨大な氷塊が浮かんでいる。海の向こうはまた果てしない海だ。どれも間違っていないだろう。私は島にいるのだから。それを確かめるために、船を漕ぎ出す必要があるだろうか。いやないだろう。私はベッドで毛布にくるまりながら、その光景を見ることが出来る。もちろんそれは思い浮かべたイメージだから、それがどんなにデータに忠実なイメージであったとしても、実際の光景とは、触れることの出来る光景とは差異があるだろう。けれどそれもまた...
pale asymmetry | 2019.12.30 Mon 20:59
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