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JUGEMテーマ:戯言 私は巨大な猿の背中にしがみついている。そんな気分だ。 黒々とした猿の鬣を両手で懸命に握りしめている。猿は疾走している。その疾走は速過ぎて、飛んでいるようだ。何かを超越している。だからどんなに速過ぎても、風が唸りを上げることはない。猿の動きは洗練されているから、無駄な発熱もない。だから私に業火のような熱は伝わってこない。むしろ穏やかな時間だけが流れているように思える。 それでも、私は猿の鬣にしがみついていなければいけない。 黒い猿はゆるやかに両手...
pale asymmetry | 2021.08.17 Tue 21:40
JUGEMテーマ:戯言 鍵を分け合うことにこだわる人が意外と多いように思えてしまうのは、私が無造作に扉を開けすぎるせいだろうか。もっと慎重に、もっと躊躇して開けることが常識とされているのかもしれない。まあ、私には関係ないけれど。 「鍵なんて、いくらあっても良いものでしょう?」という人も多いけれど、鍵なんてあってもなくても何も変わらないと思えてしまうのだ。扉は閉じるためにあるのではなく、閉じられるためにあるのでもなく、閉じたままを維持するためにあるわけでもないでしょう。それは開く...
pale asymmetry | 2021.08.15 Sun 21:12
JUGEMテーマ:戯言 目隠しが解かれて広がった風景の内で、人形たちが踊っていた。 人形たちは輪を描くように踊っている。純白のドレスを艶やかに揺らしながら。丸いステージはそれ自体も回転していて、煌びやかな電飾に埋め尽くされている。まるで回転木馬だ。その木馬が全て自動人形に置き換えられたような様相だった。人形たちは皆王冠のようなボンネットを被っている。それには過度の装飾が盛り付けられていて、人形たちの顔は見えなかった。人形たちは軽快に奇妙な動作で踊りながら、回るステージと共に円...
pale asymmetry | 2021.08.12 Thu 21:17
JUGEMテーマ:戯言 コードが挿入された。とても単純なコードが。気をつけなさいと、皆が言う。コードがあなたの内部で暴れると。そしてそれに呼応して、あなた自身が暴走するからと。しかも暴走するあなた自身はあなたでありながら、あなたの制御下にはないのだと。だから、あなたはじっと身を潜めるしかないのだと。アンチコードを噛み砕いて、ただあなた自身の暴走が去るのを待つしかないのだと。 私自身の暴走なのに、どこに去って行くというのだろう。去ってしまった私の暴走が、私の与り知らぬところで世...
pale asymmetry | 2021.08.10 Tue 18:55
JUGEMテーマ:戯言 嵐が迫っている深夜、私は街路を転がっている。何だが、最近はよく転がっているような気がするな、とか考えながら。回転する世界からは、夜のヴァージニティーが滲み出て滴っている。それが街路を濡らし、私を回転させる。月は銀色の舟で、それは中天へと昇ろうとして、追随できない私を嘲笑っている。世界と一緒にそんな月も回転している。 嘘だ。回転しているのは私だけ。 街路は想像のエジンバラで、道端の自動販売機は輝く宮殿だ。内部に貴重な宝石を隠し、どんな呪文も受け付けず...
pale asymmetry | 2021.08.07 Sat 21:02
JUGEMテーマ:戯言 私は箱の外にいて、それが悲しい。 「でもあなたは箱の外にいるから、転がれるでしょう?」 箱の中からあなたは言う。そうして私は転がり続けて、無数の傷を纏うことになる。その一つ一つは小さく浅いから、痛みも不快もない。それどころが、どこにどんな傷がどれだけあるのかなんて気にならない。けれど傷は確実に私から奪うのだ。 「でもあなたは奪われるから、歌うことができるでしょう?」 透明な箱の内側で、あなたは蹲って笑う。透明なのに仄かに輝く箱の中で、ハレーショ...
pale asymmetry | 2021.08.05 Thu 21:31
JUGEMテーマ:戯言 胸のに手を当てなさいと言われたら、胸に手を当てる必要はない。目を閉じなさいと言われたら、決して目を閉じてはいけない。立ち止まりなさいと言われたら、全力で駆け出さなければいけないし、息を止めなさいと言われたら、深呼吸をキープすれば良い。 そういうことです。つまり現状の世界は。 私たちは、イメージだけを原動力にして冒険の日々を過ごしていると言えるかもしれません。それはすなわち、イメージは世界には存在しないと言うことです。あなたのイメージは、あなたの内側...
pale asymmetry | 2021.08.03 Tue 22:03
JUGEMテーマ:戯言 どうしようもない違和感に翻弄される。出口を探すけれどどこにも見当たらない。本質的に私は怠け者だから、蹲ってやり過ごすのが良いのかもしれない。けれど、それでやり過ごすには膨大な時間が必要だろう。そんな暇は私にはない。怠け者のくせに、計画することは大好きなのだ。時間が計画で埋まっていることにうっとりとしてしまう。それを実行するかどうかはまた別の話。計画が過去のものになってとしても、それは過去に存在した計画として、やっぱり私をうっとりさせる。それが未来に移行され...
pale asymmetry | 2021.08.01 Sun 21:40
JUGEMテーマ:戯言 「二つのシンキュウは触れているように見えるのに、実際には触れてはいないのだよ」 貴方は私の膝小僧を舐めながら呟く。それが右の膝小僧なのか、それとも左の膝小僧なのか、私には解らない。私にはもう、右も左も解らない。 「二つのシンキュウはしっかりと噛み合っているように感じられるのに、実際には全く連動してはいないんだ。それどころか互いに微塵の影響も与え合っていない。二つのシンキュウは無関係なんだね」 貴方の言うシンキュウが真球を意味していることに、私は気づ...
pale asymmetry | 2021.07.25 Sun 21:11
JUGEMテーマ:戯言 クロスグリの雨が、横殴りに降っている。咆哮を響かせ、世界を蹂躙している。巨大な黒い魔物が、徘徊しているようだ。巨大すぎて私にはその全体像が解らない。それ以上に巨大すぎて、私こそがその黒い魔物だと思えてしまう。誰彼構わず傷つけていると思えてしまう。その傷が跳ね返り、私も傷つけれれている。そう思えてしまう。思えてしまうだけだ。でもそれで十分だろう。真偽なんてどうでも良い。それに目を向ける前に、神経の痛みが目玉を潰してしまう。 それだから、私はクロスグリのジ...
pale asymmetry | 2021.07.23 Fri 20:46
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