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JUGEMテーマ:戯言 世界が終わるまで眠っていたいのに、ゼロとイチの鳥がそれを許してくれない。ふざけるな、って内心では思っているけれど、どうしようもない。だって私はゼロとイチの鳥に依存しているのだから。それは否定しようがない。それが解っているから、眠気を押し殺しながらゼロとイチの鳥を追いかける。 走ることなんてできない。だから転がるしかない。地面はアスファルトで覆い尽くされているから、身体のあちらこちらが痛い。なるべく見ないようにしているけれど、たぶん傷が入力され、血が出力...
pale asymmetry | 2021.10.10 Sun 21:16
JUGEMテーマ:戯言 拾った葉っぱは乾いていて、少しだけ紅色に染まっていた。あるいはそれは自ら纏ったのかもしれないけれど、私には何者かの手によってその紅を纏わされたのだと思えた。たいていの場合、紅は纏わされるものだと思うから。私の短い生の経験上の話。だから、信憑性は極めて低い。でも世界ってそういうものでしょう。少なくとも私の世界はそう。 乾いた紅の葉っぱを舐めてみる。甘い。仄かに甘い。そして苦い。明確に苦い。微睡みを少しだけ含んだ覚醒だ。それを私に入力しようとしているようだ...
pale asymmetry | 2021.10.08 Fri 21:44
JUGEMテーマ:戯言 例えばそれはドミノのように、延々と並ぶパレード。その行列が運ぶのは生まれなかった赤子。生まれてはいないから、存在もしていない。だから運ばれることはなく、行列は存在出来ず、パレードは宙に霧消して、この例えは不細工なメタファーに貶められる。そういう休日をのんびりと過ごした。 そんな日だってあって良いと思う。リストを消去していく日が続いていたから。かといって心や身体を休めているわけではない。その内側にチャージしているわけでもない。何をチャージするのか、何がチ...
pale asymmetry | 2021.10.06 Wed 21:42
JUGEMテーマ:戯言 陽光は、真っ直ぐに降りてくる。私の皮膚はその熱を受け取らない。それらは全て水に奪われているのだ。その水は私を包み込んでいる。確かに包み込んでいるけれど、熱を受け渡してはくれない。それはきっと特別な熱なのだ。ひょっとしたら、宇宙の誕生の瞬間から存在する熱なのかもしれない。その瞬間から存在する粒子の運動が、絶え間なく続くその運動が生み出している熱なのかも。 天に向かって、輪が上昇していく。それは徐々に広がり、やがて砕けて消える。水が翻るから、その輪を固定す...
pale asymmetry | 2021.10.04 Mon 21:04
JUGEMテーマ:戯言 私たちは仮面を付けている。瞳は晒されていない。唇も晒されていない。鼻梁も、頬も、こめかみも、そして呼吸も晒されていない。言葉は仮面を通過してしっかりと届いているはずなのに、この不安感は何だろう。あるいは、この不明感は何だろう。私たちはきちんと対峙していて、会話はしっかりと噛み合っているはずなのに、このすれ違っている感じは何だろう。そしてこの伝わっていない感じは何だろう。 目の前のこの人も同じ感じを味わっているのだろうか。互いに相手に対して見過ごせない違和...
pale asymmetry | 2021.10.01 Fri 21:07
JUGEMテーマ:戯言 痛みなんかない、全然ない。そう私は嘘をついた。でもそういう嘘をつかなければ、日常は際限なく希薄になってしまう。何だか世界が存在していないような気さえしてしまう。世界が存在しないのに私だけが存在しているような、そんな気持ちになってしまったりする。傲慢だな。 本当は痛いのだ。かなり。いや酷く。でもそれを理由に立ち止まってしまうと、背後から襲いかかられそうで怖いのだ。何に襲いかかられるのかが解らないから、余計に怖いのだ。でも襲いかかられることは確実。だから立...
pale asymmetry | 2021.09.30 Thu 21:31
JUGEMテーマ:戯言 くだらないことだと思われるかもしれないけれど、指先の傷が痛む。右手の人差し指。先端が小さく裂けている。ほんの小さな傷。けれど深い傷。だから紛らわすことの出来ない痛みが蠢いている。その痛みは指の先端から私の全身を疾走し、ランゲルハンス島でバカンスしたりしながらまた疾走を続ける。やがてその疾走が昇華され、それは透明な結晶になって、私の溜息に紛れて世界に羽ばたいていくのだ。透明なエフェクトを世界にばら撒くために。 それはたぶん取るに足らないエフェクトで、世界...
pale asymmetry | 2021.09.27 Mon 22:12
JUGEMテーマ:戯言 巨大な水槽は、澄んだ液体で満たされている。それが水なのかどうかは、私には解らない。掬い取って飲んでみれば解るかと思ったけれど、怖くて出来なかった。それが、あまりにも澄んでいたから。私の身体で濁らせてしまいそうで怖かったのだ。私の身体はそれなりに汚れていて、私の魂もそれなりに穢れているから。 巨大な水槽には幾条もの光の帯が照射されている。それは七色の色彩の帯で、何か意味ありげな角度をそれぞれが描いて液体に突き刺さっている。水面下でもそれは些かも減衰するこ...
pale asymmetry | 2021.09.25 Sat 21:20
JUGEMテーマ:戯言 それを失ってしまうことがとても嫌だ。そう思ったところで、全ての事象は失われてしまう。この世界に失われないものなど何もない。そのことを十分に理解しているけれど、それでも私は失われることに嫌悪してしまうのだ。何もかもか、どこかから訪れてどこかへと去って行く。それがどこなのか、私は知らない。知りたいと願ったとしても、知ることは出来ない。そうであるから、私は決して願ったりしない。どこかがどこであろうと、それは確かに存在するのだ。それだけで十分だろう。失われてしまっ...
pale asymmetry | 2021.09.21 Tue 21:52
JUGEMテーマ:戯言 歩道の街路樹の根元にアンクレットが落ちている。銀色のアンクレット。二足で走る犀の装飾が施されている。それはコミカルで、どこか切実な形をしている。水平線に近づきつつある陽光が、そのアンクレットをくっきりと輝かせている。私は立ち止まる。左手に握っていたリードが張り、犬も立ち止まる。私を振り返り首を傾げる。そしておずおずといった感じで、私の傍らまで戻ってくる。老犬なのだ。 私は膝を折り、そのアンクレットを見つめる。それは私のアンクレットだ。今私の左足首に巻か...
pale asymmetry | 2021.09.19 Sun 21:23
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