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第二十幕 「魅惑の太股」

今夜も狸女(アケミ)と狐女(リカ)が お互いの視界に入らない席でドラキュラを取り合っている 竜馬軍団はアケミ、ツネとシンのベテランコンビはリカのヘルプ 最近のアケミのお気に入りは小男トミーだ めったにドラキュラの前以外で酒を飲まないアケミだが トミーの前では酔っ払う 何かあったのかな?若干興味が・・・ 向かいのテーブルで坊主のオカマに 体を弄られながら銀二は思っていた。 「ねえ、聞いてよお」 「どうしたんですか、飲みすぎですよ」 「いいのお、アタシは飲んでえ、アンタはだめえ」 ボトル(50...

映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2008.01.03 Thu 11:14

第十九幕 「二丁目案内人」

いらっしゃいませ 二丁目は初めてですか? 今日は丸の内「新宿御苑」駅からお越しで ささ、怖がらずに改札から出てきてください あなたもこっちの世界の住人かもしれませんよ・・・ 手をつないで歩くゲイカップルや 公園で愛を語り合う姿はショックですか? でも男性の1割はゲイなんですよ。 ここは靖国通りからすぐ目立つとこにある二丁目の入り口 通称ホモビルです。 なぜホモビルかって? ほら、このビルの裏通りを見てください。 若い男達が不自然に立っているでしょ? 多い時は10人以上・・・ほら、声をかけ...

映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.12.29 Sat 00:36

第十八幕 「ネズミ捕り」

ホストにはお客に聞いてはならない暗黙のルールがある。 1.年齢 2.職業 3.性別 まあ3はここ2丁目だけだと思うが とにかくこれは基本なのです。 しかしこんな社会のルールに縛られない男が一人この店にはいる。 伝説の新人・イツキだ。 「いただきます〜」 「飲むんなら一気で飲んでよ」 「えええええっ」 焼酎を一気で飲めとそそのかすキリトとマヤ 「そんなご冗談を」 何とか誤魔化すイツキの隣に竜馬さんが座った 「イツキ、飲みなさいよ」 竜馬の顔は少年のような笑顔 「またまた、こんなお酒飲めません...

映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.12.28 Fri 02:16

睡蓮 35

「お前は、何をしてるんだ!」 前方で車が停まったかと思うと、運転手がものすごい剣幕で降りてきた。 ルカ? 聞き覚えのある声だ。 相手が近づくにつれ、睡蓮は予想があたっていたことに気づく。 「あれ、今帰りなの?」 お仕事お疲れ様、と言う邪気の無い睡蓮にルカは若干声のトーンをおとして、怒りを飲み込んだ。 「一体自転車に何を積んでいるんだ?」 乗せるというより、積むと言った方が正しい。 「あのね〜」 そういう睡蓮は心なしか得意げである。 「バイトの帰りに普段通らない道を通った...

さくらのもり | 2007.12.26 Wed 23:39

睡蓮 34

「なんだって!?」 キースはカークの声の大きさに受話器を耳からはずした。 「もう少し小さな声で話してくれよ。」 指でつまんだ受話器に向かってこう言うが、相変わらずカークの声は外に漏れるほど大きかった。 「切るぞ。」 声のトーンを落とさないのならば切る、とキースは強硬手段に出ようとした。 実際フックに指を置いたのだが、向こう側で「わかったわかった、ごめん。」とそれなりの音量で聞こえてきたので再度受話器を耳にあてた。 「じゃ、レンはお前のとこにいるんだな?」 あのおんぼ...

さくらのもり | 2007.12.26 Wed 23:34

命日

命日 「そういえば、そろそろだな」 久しぶりに会った友人が、ふいにそんなことを言った。 「何が?」 「あいつの命日だよ」 「ああ、そうだね」 俺がそういうと、友人はくつくつと笑った。 「反応薄いな。あの頃はあんなに夢中だったくせに。まあ、もう五年も前の話だもんな」 目の前に置いてあるグラスを傾けながら、友人は続けて言った。 「人の心だって変わるさ」 そうだよ、もう五年も前の話。 俺があの人と恋をしたのは。俺があの人を愛したのは。 しんみりとした空気が辺りを漂う...

ガラスの破片に映る空 | 2007.12.26 Wed 21:54

第十七幕 「期待の新人」

そもそも、銀二が2丁目に潜入したのは 脚本家になるための経験を積む為。 入店二ヶ月も過ぎるとこの大前提を忘れかけている自分がいる。 それほどまでに2丁目は魔力があるのか? 「脚本家なんてやめて、2丁目で暮らせよ。グヒヒヒ」 師匠の悪徳映画監督の高笑いが聞こえてくる そして、今夜ついに後輩がやってくる 銀二も2丁目の先輩だ 嫌な響きだ。 「よろしく、おねがいしま〜す」 彼の名は「イツキ」 茶髪に切れ長の目 スラリとした身のこなし まだ20歳そこそこの少年である。 「前に付き合ってた女があまり...

映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.12.25 Tue 16:55

第十七幕 「期待の新人」

そもそも、銀二が2丁目に潜入したのは 脚本家になるための経験を積む為。 入店二ヶ月も過ぎるとこの大前提を忘れかけている自分がいる。 それほどまでに2丁目は魔力があるのか? 「脚本家なんてやめて、2丁目で暮らせよ。グヒヒヒ」 師匠の悪徳映画監督の高笑いが聞こえてくる そして、今夜ついに後輩がやってくる 銀二も2丁目の先輩だ 嫌な響きだ。 「よろしく、おねがいしま〜す」 彼の名は「イツキ」 茶髪に切れ長の目 スラリとした身のこなし まだ20歳そこそこの少年である。 「前に付き合ってた女があまり...

映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.12.25 Tue 16:50

クリスマス短編小説 「10年越しのプレゼント」

(2007.12.26記事改稿) クリスマス短編小説「10年越しのプレゼント」 2004、2005年に描いた漫画「小さな配達人」の2007年新作が、番外編でノベライズ!   *あらすじ*  17歳のサンタであるヒカリは、10年前にサンタになる以前に地上で高校生として生活していた頃、クリスマスイブの日に、付き合っていた先輩にプレゼントを渡す事ができなかった。そのままサンタとなってしまい、その事が心に引っかかったまま長い年月がただ、ヒカリの前を過ぎてゆく。  サンタになって5年経ち、ヒカリは人が扮したサンタのふりをして地...

ポエムズ 雑記 | 2007.12.25 Tue 02:27

睡蓮 33

結局睡蓮が部屋の掃除を完璧にやり終えたのは3日後の4日だった。2日以降バイトを入れていたせいか、掃除が思うようにはかどらずようやく、である。以前借りていた家の退去手続きもバイト帰りに終わらせてきた。 「寝袋があって助かったわ。」 この3日間、床に寝袋を敷いて寝ていた。まだマットレスを買っていないのでベッドは使っていない。 睡蓮は綺麗になった部屋に満足すると、冷蔵庫―家で使ってないからとキースに借りたもの―からビールを1本取り出した。 「俺の分もあるだろ?」 横から手が出てきたときには、さす...

さくらのもり | 2007.12.24 Mon 22:45

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