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どの世界でもそうなのだが、やはり最後は一人だ。 誰かを頼りにするのはいけない。 特に、夜の世界に「信じる」という言葉は危険だ。 そのことに気づかせてくれてありがとう、大丸。 とんでもないペテン師匠だった・・・ 今宵は二丁目の表通りに人が溢れている。 交差点沿いのバーからは歓声が聞こえ 様々な国籍の外人たちがたむろしている。 どこからどう見てもハードゲイだ。 満月の光に導かれ出てきたのだろうか。 月の引力というのは気持ちを高ぶらせるらしい。 目をギラつかせた男どもが獲物を狙っている。恐ろし...
映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.11.23 Fri 10:11
ギイイイィィ・・・ 掃除を終えて間もなく、扉が開く音がした。 「いらっしゃいマセ〜!!」 携帯をいじり、暇をもてあましていたホスト達が急に立ち上がった。 現れたのはドラキュラと白い毛皮のコートに身を包んだ中年のおばさん。 客だ。いきなり客がきた。 「おひさしぶりで〜す」 常連なのだろうかホスト達が おはさんの手をひいて席へ案内していく。 銀二と大丸師匠は、当然この客がどんな客で、誰の客か把握できていない。 狭いカウンターでグラスを何度も磨きながら様子を伺っていた。 席についたのはサラ...
映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.11.21 Wed 23:13
「おはようございま〜スッ!」 ユーロビートが激しく流れる店内では5人の黒服が掃除をしていた。 外は暗闇なのに店内は光に満ちていた。 5人掛けの木製カウンターには安っぽいチャームとグラスが並べられている。 カウンターの前を通り中に進むと、四人掛けの一歩脚黒テーブルが8つ。 近くで見ると破れた跡が目立つ灰色のソファー。周りの壁は一面ガラス張り。 薔薇は枯れ果て、中途半端な装飾品が怪しげに光っていた。 「じゃあ、掃除しててよ・・・モシモシ♪」 と、金色の携帯片手に店の外に出て行くドラキュラ伯爵。...
映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.11.21 Wed 11:35
埼玉の片田舎で青春時代を過ごした青年は悶々とした日々を過ごしていた。 潰れかけのスーパーでのアルバイト。あぶく銭を賭けて友人と徹夜で麻雀。 何の出会いも刺激もない。あるのはむせかえる栗の花の臭い。 毎日が同じ繰り返しだった。 だが、気まぐれで入った映画学校でのある映画監督との出会いで俺の人生は変わった。 俺は脚本家を目指す。 この腐りきった日本映画界を変えてやる。 親に頭を下げて学費を出してもらい、さあ輝く未来へ出発だ! 順風満帆の明るい人生が待っているはずだ! 甘かった。 ゴジラとドラ...
映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.11.20 Tue 12:52
−夏が過ぎ、色とりどりの枯葉が路上を覆う夜の街角に青年は立っていた。 待ち合わせの場所は古びた映画館の前 扉は閉められ、中には新聞やチラシが散乱していた。 時刻は23時をまわり、会社帰りのサラリーマンの姿も見えなくなってきていた。 目の前を通るタンクトップ姿の男達の視線が痛いほど伝わってくる。 そう、ここは新宿二丁目。 青年は脚本家を目指していた。 だが青年には脚本家としてもっとも必要なものが欠けていた。 「人生経験」である。 脚本家とは人間を見る観察力、それを脚本に生かせる経験が必要で...
映画青年銀二ノ二丁目劇場 | 2007.11.20 Tue 12:39
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