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JUGEMテーマ:連載JUGEMテーマ:自作小説サキは残りの三人の途方に暮れた迷子みたいな表情を次々と見やった。しかし救いの手を差し伸べることはなく、黙って目を背けると自分の指定席にどかっと腰をおろした。いつの間にか手には新しいタバコの箱。そこから一本取り出しライターで火をつける。そうして深々と一服、サキが深呼吸をするように息を吸い込み吐き出すまで、誰も一言も発することができなかった。さっきまでの爆発しそうにこの部屋を圧迫していた緊張感は、突然降ってきた別の爆弾の絶大な威力によって一瞬にして吹き...
my egg | 2009.02.10 Tue 03:23
JUGEMテーマ:連載 きらきら星 2章 ♯6:だから私は、君も自らさえも欺き続けるの。 まだ学校が終わったわけでもない時間に帰ってきた私を、お母さんは怪訝そうな表情で出迎えた。「どしたん、かばんは? まだ学校終わっとらんでしょ」「・・・・・・、学校来るなって言われたから帰ってきた」「は!?」 誰とも喋りたくない。顔を見たくない。 いま誰かと一緒に居たら、なにかとんでもなく残酷なことを口走ってしまいそうで怖かった。 私はお母さんの横を素通りして、階段を上る。私が学校を飛び出したことをお母さんは知ら...
きらきら星 | 2009.02.06 Fri 20:43
やがて救急車が到着すると、かかし夫婦は担架にのせられ、車内へと運ばれてゆきました。窓辺でひそひそと耳うちしている客たちをみると、サムのなかに、またしても怒りがむくむくとわき起こるのでした。「とんだ偽善者どもだ!」 そうして自分も救急車にのりこむと、はらわたが煮えくり返る思いで病院へと向かったのです。 それでも、ノリスさんの応急処置のおかげで、かかし夫婦はなんとか大事にはいたらなかったのでした。 ──それからのこと。サムはいそがしく、なかなかお見舞いには行けなかったものの、入院している両親には...
こどものほん | 2009.02.06 Fri 12:34
危ないところだった。 ついついジャニバナで盛りあがって、 ボロが出そうになっちゃったよ。 さすがは本物なだけに ジャニゴトには詳しい。 愛称呼びのディープな会話についてこられるのは、 ヲタでもなければ当事者ぐらいだよね。 よく考えたら、彼の発言もスキだらだ。 本人でなければ言えないような失言の連発。 きっと何も考えずにしゃべっちゃったんだろうな。 ヤマピーと私。 ふたりしてフリをしてる。 彼は本物でないフリを。 そして私は 本物だと気づいていないフリを...
サブまりん〜ジャニーズにまつわるエピソード | 2009.02.03 Tue 22:57
JUGEMテーマ:連載 きらきら星 2章 ♯5:追憶のカノン・後 美術部で体育が嫌いな私が、野球部で体育大好きな優也くんから逃げ切れるはずもなく。 校門を過ぎたところであっさりと手を掴まれた。「待てって湊!」「放して」 手を振り解く。元はと言えば全部優也くんのせいだ。「湊! 待って! まだ帰らんで!」 必死に引き止めてくる優也くんに渋々足を止めると、校舎の方から二人、人影が走ってきていた。紗也香とかおるだ。「ひかるっ・・・、何があったん!?」「優也ぁ! あんたがついとったのに何でこんなこと...
きらきら星 | 2009.02.03 Tue 22:10
JUGEMテーマ:連載 きらきら星 2章 ♯4:追憶のカノン・中 だいぶ調子も戻ってきたので、3時間目あたりに教室に上がった。さすがに一日中保健室で休んでいるわけにもいかないのだ。 それでも結局、女子からの無視の嵐に頭痛は舞い戻ってくる。もう勘弁してくれ。 今日は執拗だった。私に対する陰口が至る所で聞こえてくる。わざわざ私に聞こえるように言ってくれているらしい。「優也くんに媚びている」だの「気取っている」だの「自分が一番可愛いと思っている」だの、まあ一般的で王道な悪口をぐちぐちと繰り返していた。 最...
きらきら星 | 2009.02.02 Mon 20:44
JUGEMテーマ:連載 きらきら星 2章 ♯3:追憶のカノン・前 その日は朝から、頭が痛かった。 学校に行きたくないと思って頭痛がするのはいつものことだったけれど、昨日もその前も学校を休んでいるし、さすがに行かないとまずいよなあと思って、無理やり足を動かした。 いつも通り靴はなくなっていた。 ああまたか、と呆れる私の横で、なぜか本人よりも憤るかおるがイライラと靴箱を蹴る。「靴箱に罪はないじゃろ、かおる。やめてあげて」「何言っとるんひかる!? 靴またないじゃんか! 誰!?」 私のために、こんなにも怒...
きらきら星 | 2009.02.01 Sun 15:12
するととつぜん、部屋のまんなかから、だれかの金きり声がきこえてきました。おどろいたサムが顔をあげてみると、目の前で炎があかあかと燃えあがっています。 サムは呼吸がとまりそうになりました。炎の中でもがき苦しんでいたのは、まぎれもない、両親の姿だったのです。 まわりは大声でさけんだり、あたふたとバケツをさがしながら、すっかりパニックになっているようでした。サムはとっさにテーブルを乗りこえると、かかし夫婦についている火を、無我夢中でたたき消しました。素手で消したので、サムの手もこげてしまいました...
こどものほん | 2009.02.01 Sun 04:29
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