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八重巴の歯車

JUGEMテーマ:自作小説    桜が狂い咲いた神無月のことだった。下の姉が神隠しに遭った、と上の姉から聞かされた。  下の姉は十二歳で、まだ山風の橋を渡っていない。だから神隠しに遭ってしまったのだと、上の姉は嘆いた。そのとき私は十歳で、だからもちろん山風の橋を渡っていない。それでその話を聞いたときにはとても怖かった。心の底から恐れ戦いた。山風の橋を渡っていないということは、下の姉も私もまだ人ではないということになる。この川の周辺の世界では、そういうことになる。人ではない存在は、いろ...

pale asymmetry | 2021.10.02 Sat 21:57

うるたま(8)

 私はみい子を見た。さっきまであかねと電話をしていたみい子を見た私は、胸がしめつけられて、誰よりも近くにいるのに、嫉妬する自分をとめられなかった。うしろを向いたままのみい子の首筋に、くちびるをくっつけて、離して――。そんなことをしても、何の言い訳にもならない。私は眠っているみい子の隣で、みい子のスマホのなかを見るのをやめられなかった。  私は画像フォルダを開いた。真っ先にメッセンジャーアプリを見ないのは、おいしいものを最後に取っておくような、というと、まるで、のぞき見が趣味のようだけれど、...

nothing but a headache | 2021.09.25 Sat 03:23

Maidenhair Tree

JUGEMテーマ:自作小説    条の大橋の真ん中に、イチョウの巨木が佇んでいた。この世界が最初にまぐわった、快楽のシンボルのように。  私は川に寄り添うように伸びる遊歩道から、そのイチョウを見上げていた。イチョウの巨木は大橋からはみ出さんばかりの体躯で、大橋の往来は完全に妨害されていた。でも心配はない。イチョウの巨木は大橋の路面からは少しだけ浮き上がっている。つまり実際に大橋に生えているわけではないのだ。何故なら、そのイチョウの巨木は大橋が出来るずっとずっと昔から存在していて、つま...

pale asymmetry | 2021.09.23 Thu 21:21

うるたま(7)

 うがいをして、コンタクトを捨てた。メガネケースからメガネを取り出して、そっと閉めた。仕事終わりよりも、何よりも、コンタクトを外すと、今日が終わった、と思う。目を開ける力が、すうっと弱まるのがわかった。  私はみい子の眠るベッドに向かって歩いた。愛子がみい子になって、もう六年くらいが経つけれど、みい子とももう長いな、と何となく思う。みい子とは、友人時代も含めると、もう七年もいっしょにいることになるのだ。弟とは、年に数回しか会わないことを思えば、肉親以上の関係といってもいいのかもしれなかっ...

nothing but a headache | 2021.09.15 Wed 01:39

うるたま(6)

 寝る前には、よほどのことがない限りは本を読む。けれど、たまに、文章がうまく流れていかない時というのがあって、今日はちょうどその時であるらしかった。酔いのせいなのか、疲れのせいなのか、いつも原因はよくわからなかった。私は昨日とまったく同じページにスピンを挟んで、本を閉じた。『遠野物語』は読まれないまま床に投げられて、市立図書館のバーコードのラベルが、部屋のオレンジ色の常夜灯を反射して、目を閉じても、私のまぶた裏に、何個かの光の痕跡を残した。  寝ているみい子がまぶしくないように、部屋の...

nothing but a headache | 2021.09.14 Tue 02:27

うるたま(5)

 週間天気予報の色は変わらなくても、八月も終わりに近付くと、最高気温が三十度に満たない日が、だんだんと増えはじめる。あんなに強かった日差しが、お盆を過ぎると少しだけ丸くなり、ひとつの大きな雨が一度地面を冷やしてしまうと、夜の温度が、急に変わる。夏が少しずつ、その名残を消して、ベランダの風が、ひとつの季節が終わろうとしていることを、今年も、私に知らせる。  私は煙草に火をつけて、煙を吐き出して、星のほとんどない、けれどもぼんやりと明るい空を見上げた。  何回、私はここで煙草を吸っただろう。...

nothing but a headache | 2021.09.08 Wed 02:11

ウィルス

 ちら、ちらちら、ちらちら、などと雪が降ったりなんかして、いやあ、寒いなあ、地球が終わるような寒さだなあ、などと白々しい会話をしていたころがはるか遠く、紀元前の出来事だったようにすら思えてくるほどに月日は経ってしまったのですが、みなさまお元気でしょうか。   ブログの更新も約半年ぶりになりますが、ソチオリンピックも終わり、ひさしを見てみてもつららの一つなく、それどころか、陽射しは夏のそれにぐぐっと近づき、陽炎で世界が揺れて見える有様で、まったく、何というか、すっかり住む世界が変...

nothing but a headache | 2021.09.05 Sun 23:36

片恋のシャーラ(プロトタイプ版)9

JUGEMテーマ:自作小説      ・片恋のシャーラ(プロトタイプ版)の第9弾です(詳しい説明は第1弾に書いてあります)。  他のページはコチラ→「片恋のシャーラ(プロトタイプ版)1/2/3/4/5/6/7/8/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/21/22/23/24/25/26/27/28/29/30/31/32(終)」   (下部にある「カテゴリー別・小説一覧」からも他ページに跳べます。※他の小説も混じった「もくじ」になっています。)      王妃の寝室は、落ち着いたオールドロ...

言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜 | 2021.08.30 Mon 21:09

勇気のボタン〜永久のサクラ〜 最終話 永久のサクラ(3)

JUGEMテーマ:自作小説 川の龍と霧の龍は空へ旅立った。恐ろしい禍神はもういない。 おかげで黒い大木も消えて一安心だけど、代わりに今は氷の木が立っている。かつて楽園だったこの場所にポツンと。 四方八方に枝を伸ばし、美しい花を見せつけている。 だけどかつてここに立っていた桜に比べたらまだまだ小さい。 サクラ君は地返しの玉を握り締め、氷の木の前で立ち尽くしていた。 きっとまだ受け入れられないんだろう。 桜の龍が去ってしまったこと、自分だけ残されたこと、そして自分だけでここを楽園に変えて、守って...

SANNI YAKAOO | 2021.07.31 Sat 11:06

勇気のボタン〜永久のサクラ〜 第二十二話 永久のサクラ(2)

JUGEMテーマ:自作小説 「コマチ!コマチ!」 誰かが私を呼んでる。ペチペチ頬を叩いてる。 「しっかりしろ!目を開けろ!」 暗闇の中に光が差し込む。眩しさに目を細めていると、ぼんやりと誰かの顔が見えてきた。 「サクラ君・・・・?」 「気づいたか!」 「ここは・・・・?」 「さっきと同じ場所だ。氷の木が立っていた氷の世界。地返しの玉の中だ。」 いったい何が起きたのか分からない。 ハッキリしていることといえば、私はサクラ君の腕に抱えられているってことだ。 なぜか髪も服もびしょ濡れだし、急にむせ...

SANNI YAKAOO | 2021.07.30 Fri 11:25

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