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ここは私の幸福で

JUGEMテーマ:自作小説       私にはなにができるのだろう 私にはなにがあるのだろう   見失って、眩んだ方向 震える膝に手をやっても連動する手指   あなたを追いかけてもいいのだろうか   絡みつく疑問は私が生み出した蛇     「ここで待ってるだけでいいから」     温もりに身を預けて散漫に返事をした   散っていくはずの言葉が深く刺さり抜けないまま腐敗していく     「時間がこのま...

言葉つかい見習いのまがきさん。 | 2019.07.14 Sun 22:22

紅玉鬼の葬送と哀音 act 05

JUGEMテーマ:自作小説    鎧のような筋肉で構築された身体は、私より僅かに小さいくらいの身長だった。額の両端に鋭く尖った長い角が生え出ている。それは紅玉鬼の強さと、紅玉鬼の賢さと、紅玉鬼の貴さを象徴しているように思えた。王であったのだ。それは確かなことだろう。翠玉たちを、この森を、あるいはこの島を、この島の近海までも支配していたのかもしれない。あるいはもっと広範囲かも。それは目に見える統治ではなく、根源的な欲望に楔を打つような支配だったのではないだろうか。 『愛しています』 ...

pale asymmetry | 2019.07.14 Sun 20:49

ロボ子さんといっしょ――キャベツ畑でつかまえて。その12

一四夜亭での楽しいひと晩をすごしたロボ子さんを訪ねてきたのは…。 十四夜亭編、最終回。 ロボ子さんといっしょ。 158話――『十四夜亭においで/キャベツ畑でつかまえて。?』 https://ncode.syosetu.com/n9675ep/158/ JUGEMテーマ:自作小説

MUNNINの止まり木 | 2019.07.14 Sun 11:08

紅玉鬼の葬送と哀音 act 04

JUGEMテーマ:自作小説    翠玉に手を引かれ、私は森の奥へと進む。その途中で私は森に侵されていく。その途中で私は原始の獣に貪り喰われていく。私の身体は粉々に砕かれ、微細な欠片が風に舞う。大樹の狭間で風は渦を巻き、私の微細な欠片は森のネットワークに散りばめられる。それは何のネットワークだろう。この森が脳回路を構築しているわけでもあるまいし。どこかの銀河団の、星々のネットワークをコピーしたものだろうか。そのネットワークを疾走する私の欠片は、宝石のように煌めいているだろうか。それとも単...

pale asymmetry | 2019.07.13 Sat 21:39

紅玉鬼の葬送と哀音 act 03

JUGEMテーマ:自作小説    それが何かと問われれば、私は勾玉だと答えただろう。私にはそうとしか見えなかった。真円と、そこから伸びる尾のような曲線が先端を尖らせている。青と緑が慈しみ合うように重なった色彩で、空中を踊るように漂っている。いくつかのそんな勾玉が私の鼻先で群舞する。そしてそれこそが言語だったのだ。勾玉とその舞踏が。 『さあ、いらしゃい。いらして下さい』  その言語が私には見えた。その意味を感じ取ることが出来た。勾玉は何もない空間から生まれ出て、踊り、私に言語を見せて...

pale asymmetry | 2019.07.12 Fri 21:52

【声小説】ロボ子さんといっしょ。#3

【声小説】ロボ子さんといっしょ。#3 『ええええええええーーーーー!?』 ロボ子さん、絶叫。 ロボ子さんといっしょ。 小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n9675ep/ ノベルアップ+ https://novelup.plus/story/613034401 JUGEMテーマ:自作小説

MUNNINの止まり木 | 2019.07.12 Fri 19:09

紅玉鬼の葬送と哀音 act 02

JUGEMテーマ:自作小説    私は迷っている。すっかりと、くっきりと。私は迷う人間だ、などと思ったことは今まで一度もないけれど、今この瞬間迷っていることは認めざるを得ない。迷い閉じ込められている。いくつもの枠が私を何重にも取り囲み、入れ子構造の内に捕らえている。その枠は、私の内側にもあるだろうか。あるようなないような、どちらとも感じてしまう。私の内側にも入れ子構造があるのならば、私自身も枠の一つかもしれない。私自身もまた一つの世界で、一つの泡かもしれな。重なり合う世界は共振している...

pale asymmetry | 2019.07.11 Thu 21:05

紅玉鬼の葬送と哀音 act 01

JUGEMテーマ:自作小説    空は狡賢いネズミのような灰色だ。ドンヨリと曇っているくせに、どことなく煌めいていたりする。誰もいない中庭の噴水は止まっている。雨の季節だからだろうか。それともそこに運ばれるはずの水は、別の場所で別の姿で別の駆動をしているのかもしれない。例えば遠く離れた砂漠で、高貴な誰かを背に乗せる駱駝として、その誰かをオワシスへと導いているのかも。その旅が終われば、また噴水に水が戻るのだろう。とりとめのない空想に浸りながら、私は教授を待つ。  外はじっとりと濡れた空...

pale asymmetry | 2019.07.10 Wed 21:09

ロボ子さんといっしょ――キャベツ畑でつかまえて。その11

キャベツ畑に現れた今宵限りの十四夜亭。 トマトとサワークリームのロシア風ロールキャベツを召し上がれ。 ロボ子さんといっしょ。 157話――『十四夜亭においで/キャベツ畑でつかまえて。?』 https://ncode.syosetu.com/n9675ep/157/ JUGEMテーマ:自作小説

MUNNINの止まり木 | 2019.07.10 Wed 18:06

兄さんの新妻

ここはとあるカフェ。鉄板焼きの店で食事を済ませ、ほんの少しだけゆったりとした時間を過ごしているのは、新婚生活を始めたばかりの西尾翔平と妻の綾音だった。翔平の仕事が終わってからの夜デートだからカフェの閉店時間まであと少しとなっているのだが、特別な時間のために焦ること無くゆったりと過ごしていた。   続きはpixivにて 兄さんの新妻   JUGEMテーマ:自作小説

あやかる | 2019.07.10 Wed 00:36

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