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「……その時には、我が国の全力を持って、ユグノーを殺さねばならぬ」 「そうですね。剣聖を国外に出す事は阻止しなければなりません。そのときには王立騎士団総長と飛行団長、二人の剣聖を彼に当たらせるしかないでしょう」 二人の顔は真剣で、アスターをからかっているわけではなさそうだった。なんということだ。二人とて、ユグノーとは幼い頃から共に育った仲だというのに! 「何てことを言うのですか……! 兄上、あなた達はユグノーを何だと思っているのですか!?」 「お前がユグノーが他...
真昼の月 | 2025.09.27 Sat 22:56
◇◇◇ ◇◇◇ プリモナール王国。王都デネグフト。王城の回廊を歩きながらエマシアス王太子とユアンシェン第二王子が自分たちが元帥を務める軍隊について話し合っていた。 プリモナール王国では代々、王太子は陸軍元帥を、第二王子は海軍元帥を兼任する。事が起こったとき、国王の息子が軍の旗頭として戦うのは、この国の伝統である。 プリモナール王国では、陸軍と海軍と王立騎士団の仲があまりよろしくないという事は以前にも書いたとおりだが、かといって、王太子と第二王子の仲が悪いわけではない。むし...
真昼の月 | 2025.09.20 Sat 22:34
◇◇◇ ◇◇◇ 艦長執務室を出て水兵の宿舎に戻ると、ヒューイは水兵仲間達から食堂に連れて行かれた。上陸するなり艦長に連れて行かれたヒューイの事を、みんなが心配してくれていたのだろう。 「で、どこに連れて行かれたんだよ」 「艦長なんだって?」 「デッセルの腕を斬り落としたんだ。ひょっとして、賞金とか出るのか?」 ……いや。どうやら心配ではなかったようだ。みんなが興味津々にヒューイの話を聞きたがっている。新入りもベテラン達もみんなヒューイを囲ん...
真昼の月 | 2025.09.13 Sat 22:23
◇◇◇ ◇◇◇ その後、ヒューイは副艦館長のデーリッヒと共にイグニスの執務室に連れて行かれた。 「あ〜! ったくあのクソ提督が!!」 執務室に入るなりデーリッヒが吠え、イグニスも「戦場で後ろにいるのが味方ばかりと思うなよ……」などと物騒な事を言い出す。 「え、えっと、あの……」 二人のビリビリとした雰囲気にヒューイが怯えた声を出すと、二人は取り付けたような笑顔でヒューイを振り返った。 「ああ、すまない。思わず本音が漏れ出てしまった。今のは門外...
真昼の月 | 2025.09.07 Sun 04:49
「本当にこの子供が?」 「とても剣が振れるとは思えん」 「見間違いじゃないのか?」 そう言われることは想定内だが、それでももちろん、イグニスは良い気持ちはしなかった。 「私は間近で見ておりました。デッセルの目の前でロープを伝って帆桁に飛び移り、そこから飛び降りざまにデッセルの腕を斬り落としたのです」 「ふん、デッセルから逃げようとしたのか。たまたま帆桁から落ちた時にデッセルの腕に剣が当たったのだろう」 提督はバカにしたようにせせら笑った。 これでヒューイがもっと歴戦の勇者であった...
真昼の月 | 2025.08.31 Sun 04:44
◇◇◇ ◇◇◇ オーリュメール号は急ぎに急いで本拠地であるバスパト港に戻ってきた。船体に開けられた穴はなんとか塞いではあるが、いつそこから大きな亀裂が入るかも分からない。 軍艦には魔導回線を積んだ動力機は付いているが、そこに注ぎ込める魔力は少ない。魔力を含んだ魔石は貴重品で、そうそう全ての艦に潤沢に支給できる物ではないのだ。なので、ほとんどの動力は昔ながらの風任せで……急いで帰ってこようにもそれなりに時間はかかる。 だからバスパト港に戻ってきた一同は、「なんとか間に...
真昼の月 | 2025.08.24 Sun 02:12
8月10日(日)夕方5時頃、戦闘シーンに大幅な文章の追加をしました。 バンバン血が流れております💦 苦手な方は回れ右でお願いします! ============================= 「なに!?」 男達は一瞬ヒューイの姿を見失った。イグニスの目からも、デッセルの目からも。 その時、頭上で何かがきらりと光った。ハッと上を見れば、そこに水兵服を着た少年────ヒューイの姿があった。 「小僧!」 デッセルがヒューイを斬り殺そうと曲刀を振...
真昼の月 | 2025.08.10 Sun 13:31
海賊船のメインマストの上から、一人の男がオーリュメール号を見下ろしていた。その体はわなわなと怒りに震えている。 男の名はデッセル。この海賊団の頭領であり、大海原に名を馳せる大海賊である。 「お…お頭……?」 オーリュメール号の甲板では、自分の自慢の手下共が、海軍なんぞ相手に不甲斐ない様子を見せている。 「あの、お頭……?」 この程度の軍艦、いつもならあっという間に制圧している筈である。プリモナール王国の奴らに打撃を与える。それがデッセルが海の上で...
真昼の月 | 2025.08.03 Sun 02:55
そうしてもう一人。ダリルの“手下”であるセオも、この初めての戦で剣を手にして何とかしのいでいた。 だが、相手の海賊はセオが戦に及び腰であり、恐怖していることを一発で見抜いている。 「おらおら! そんなヘロヘロな剣で何ができるってんだよ!」 「くっ!」 剣を振るうが、簡単に相手の剣に弾かれる。 敵は、セオの恐怖をせせら笑っていた。少し遊んでやっても良いだろう。まるで残忍な猫のように、わざとセオの剣に合わせて撃ち合ってやっているのだ。 その、残酷なまでの余裕。残酷なまで...
真昼の月 | 2025.07.26 Sat 22:46
すいません! 前回も不定期な時間に更新しております! 前回を読まれていない方は、>>> こちら <<< から戻ってみていただけると嬉しいです!! 多分、この後は比較的ちゃんと土曜日の22時から朝までの間には更新できると思います💦 あ、朝までの間に更新していても、ブログ村の新着は土曜の22時に載るように設定しておりますので、 更新されてなくてもブログ村でお探しの方は土曜日の22時のところを探していただけると見つけやすいかと思います💦 よろしくお願い...
真昼の月 | 2025.07.19 Sat 22:31
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