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『初めまして。突然の訪問、は、失礼しました。ウィリアム・オーガスタ=オブライエンです。父は伯爵ですけれども、私は違います。私は会社で働いているなのでさら……サラリーマン?です。私はイギリスでヒースと友達になりました。どぞよろしくお願いします』 そう言ってウィリアムが頭を下げると、隣の部屋からどよめきが起きた。 『おい、子爵って貴族だろ?貴族が正座してるぞ!』 『っていうか、日本語喋れるのか!』 『やば、私の英語より彼氏さんの日本語の方が絶対レベル高いよ!...
真昼の月 | 2024.02.04 Sun 00:19
◇◇◇ ◇◇◇ どれだけの時間が経ったのか。襖の向こうから、祖父の信吉が声をかけてきた。 『おい、久義。話が終わったんなら、茶でも飲みに来い』 まだウィリアムの胸の中でぼーっとしていた久義は、その声にハッとして慌ててウィリアムを押しのけた。 『あ、ありがとう、じいちゃん!』 『ああ。寛いでるとこ悪いけど、泊まってくんだろう?だったら紹介位してくれ』 『そ、そうだよね。ごめん、今行く』 すぐに英語に翻訳しようとすると、ウィリアムはだいたい分かっているらしく「行こうか」...
真昼の月 | 2024.01.27 Sat 23:39
「爵位を海斗様が継げるということは分かった。でも、問題はそこじゃないだろ?俺は男なんだよ?あなたが男の俺と一緒になるなんてそんなことは許されな……」 だが、その台詞も言いきる前にウィルに叩き落とされる。 「爵位をマウリッツが継ぐのなら、私が男性の伴侶を得て何が問題なんだ?」 「問題に決まってる!あなたは貴族なんだよ?一昔前なら、同性愛者であると分かったら」 「それは一体いつの話だ!今は我が国の王族にも、同性婚されている方がいらっしゃるのに!なんで王族が同性婚できて、一貴族...
真昼の月 | 2024.01.20 Sat 23:29
遅くなりましてすいません💦💦 USB、見つかりました〜!ご心配おかけしてすいませんでした!! それでは、『金魚の恋』76話、お付き合いくださいませ。 イヌ吉拝 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 久義はなんとかこみ上げてくる涙を押しとどめて、そっと首を横に振った。 「ウィルが俺を想ってくれるのは凄く嬉しいよ。でも、俺はあなたのそばにいるわけにはいかないんだ。だって、ウィルは……」 「私が貴族の跡取りだからか」 久...
真昼の月 | 2024.01.15 Mon 23:18
皆様、いつも「真昼の月」に遊びに来てくださってありがとうございます! すいません、今週のお話なのですが、いつもの土曜日ではなく、週明けの月曜にさせて下さい💦💦💦 USBが!! お話を入れているUSBメモリが!!! ちょっと見当たらないのですよ💦💦💦 いや、たぶん職場に忘れてきたんだと思うので、週明けお店に行けばあるとは思うのですが…… もし無かったらどうしよう……orz そ、そのときは書き直しま...
真昼の月 | 2024.01.14 Sun 01:29
「もしも私の自惚れでないのなら、ヒースは私を少なからず想ってくれていると……そう思っても良いのだろうか」 ウィリアムは久義の手を取って、下から覗き込むようにしてそう言った。 「……っ」 思わず顔に朱が昇る。赤くなった顔を見られたくなくて、久義は余計に俯いてしまう。 だが。 「ねぇ、ヒース。君はさっき、このティーセットを手に取ると、君はお父上から愛されていたと思うから、私にも作ってくれようとしていると言ったね?」 「え?あ、ああ」 「それは、過去形だよね?...
真昼の月 | 2024.01.06 Sat 22:42
「これは父の描いたデザイン画や……ああ、これは俺が描いた物で……」 そこには、たくさんの金魚が泳いでいた。父の手によるティーセットのデザイン画を久義の手で描き直した物は、父ほどの洗練さはなくても、実直で、伸びやかな線で金魚が描かれている。 「金魚ばかりだな」 「もちろん、伊嶋焼きは金魚ばかりじゃなくて、むしろ金魚のモチーフは珍しいんだけど。普通は、魚と言えば鯉なんだ。でも……」 「君が好きだから、君の父上は金魚を描いた。君のためだけに。そんな大切...
真昼の月 | 2023.12.31 Sun 03:57
「良いか、ウィル。今からここに紙を貼る」 「あ、ああ?」 そう言って久義は、襖と襖の間に一枚の紙を剥がせるタイプの糊で貼り付けた。 「大昔、この紙は鍵だった」 「は?」 「もし誰かが勝手に箱を開けたり部屋や家に入れば、紙がちぎれて落ちる。そうすれば、誰かが部屋に入ったことが分かる」 「……そうだな」 「だから、日本人はこの紙の鍵が貼ってある箱は開けなかったし、扉を開けることもしなかったんだ」 久義がまじめくさってそう言うと、ウィルはしょっぱい目をして久義を見つめた。 ...
真昼の月 | 2023.12.24 Sun 02:49
いつも真昼の月に遊びに来てくださってありがとうございます!! すいません、週1にしか更新していないのにこんな事を言うのは大変心苦しいのですが、 今週の更新はお休みさせてください!!! 書いてた小説が消えてしまいました〜〜〜💦💦💦 どこかにとってないかと今探しているところですが、どうやら本当に見つかりません💦💦💦 なんで〜〜!??!? ちゃんとUSBメモリに保存し...
真昼の月 | 2023.12.24 Sun 02:31
◇◇◇ ◇◇◇ 久義の部屋は母屋の二階にある。内弟子達は離れに住んでおり、母屋の一階には祖父母が二人で暮らしている。 二階にはかつて久義達家族が住んでいた部屋もあるのだが、そこは広すぎるので、久義はその隣の六畳間を使っていた。そこは「大きくなったらお前の部屋にするんだ」と久義のために用意されていた部屋で、毎年祖父母の家に来るときには、宣言通り、いつもこの部屋に通されるのだ。 祖父には父の他にも息子が二人、娘が一人いるのだが、彼らはこの家には住んでいない。父亡き後の祖父の後継者は上...
真昼の月 | 2023.12.17 Sun 01:08
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