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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
※ R-18作品には必ず分かるように明記しましょう。
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煙草の煙と、君と。【前】〜高嶋side(水のない川・続?)

 「…んっ、あ」    慎一の中で果てた高嶋のものがずるりと引き抜かれる感触に、切なげな声が漏れて、出したばかりのモノに、また血が集まる。  ――昨夜から、何回目だ?  高嶋は、数えるのもバカらしくなるくらいの自身の熱に、失笑した。  荒い息を吐いてぐったりと脱力した慎一が、額に張り付いた髪をかき上げて、高嶋をぼんやりと見上げている。緩んだ唇は赤く濡れていた。  滑らかな肌に散らばる白濁をさりげなく拭ってやると、高嶋の瞳を捉えていた潤んだ瞳が、羞恥に揺れた。    ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.26 Sat 23:29

寂しがりやの恋人 ?(水のない川・続?)

 「わ、美味しそう!」    タオルで拭いただけの湿った頭のまま、慎一はリビングに戻ってきた。テーブルに並べられたオードブルやチキンに、感嘆の声を上げる。    「ちゃんと乾かさないと風邪引くぞ」  「大丈夫。いつもこうだから。勝手に乾くよ」    意外と無頓着なところのある慎一は、高嶋が出しておいたスウェットの上下を着てタオルを首に巻いたまま食卓についた。  いつもは下ろしている前髪がかき上げられていて、形の良い額が見えている。癖のないサラサラの黒髪は、乾けば前...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.26 Sat 22:50

寂しがりやの恋人 ?(水のない川・続?)

 馨たちと遅くなった夕食を済ませ、部屋に戻った慎一は机の上にスマホを放り出す。  それから、お風呂に入って、宿題を済ませて、やる事が無くなった。  ステファノ祭の小物作りも、部屋に持ち帰ってやらなきゃいけないほど、切羽詰まってはない。慎一の割り当て分はもうほぼ終わっていた。  残った端裂で作ってる物もあるけど、今日はもうやる気になれない。    まだ寝るには早いかな、とは思いながらも、電気を消してベッドに入る。机の上に放りっぱなしだったスマホを持って。  音は切ったままのスマホが、何度も...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.26 Sat 22:44

Loser 10

   四日は朝から慎一のおじい様の家に遊びにいった。  慎一は昨日こっちに戻ってきたんだって。  お正月に来てくれたのは嬉しいけど、一晩しか泊まってくれないのが寂しいと、おじい様はちょっと不満そうだけど。    「馨くんも、春からステファノ大学へ進学するんだろう?」    和食に飽きたからと、最近お気に入りだという高級中華の宅配(!)のお料理がずらりと並んだダイニングテーブル。  僕は慎一と一緒に、お昼を御馳走になっている。  パッと見、宅配に見えないし、味はお店で食べるのと変わら...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.25 Fri 00:20

Loser 9

   「紡たちから、何か聞いた?」    食堂での雰囲気で、なんとなく要はあのこと知ってるような気がしたんだよね。要が知ってるってことは――。    「本人から聞いた」  「え、新庄がしゃべったの?」  「てか、俺らが休んでる間になんかあったとしか思えないだろうが。お前らの新庄への態度って。大体類は隠し事下手くそ過ぎる。お前もな」    淡々と返されてしまった。やっぱりバレてたか。    「そもそも新庄自身が、俺に対して挙動不審だったし。あいつも、ちょっと...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.24 Thu 00:05

Loser 8

 廉の帰省期間が、なぜか今年は長かった。  ステファノ祭の翌日には寮を出て、帰ってくるのは始業式の一日前。だって。家の都合でそうなったって、云ってたけど――。  別にそれはおかしなことじゃない。冬休みは短いし、年末年始挟んでるから帰省率は高いし、そんな生徒がほとんどだ。  だけど、あまり長く家に帰りたくない僕は、いつも三十一日に家に帰省して、三日には寮に戻ってくる。という最小限の帰省で、今までは廉もそれに合わせてくれていた。    卒業までもう三か月もない。少しでも多く二人で過ごした...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.22 Tue 23:45

キャラメル*フラペチーノ

 「車、嫌いかな?」    アパートの扉を開けると、そこに陸が立っていた。何の前触れもなく。     「車って?」     聞き返した僕の息が白く拡散してゆく。お昼の2時過ぎ。明るい日差しの下にいても、肌を刺す冷たい空気に頬がちくちくする。  思わず肩を竦めて身震いした僕を見て、ぼろぼろのジーンズにスニーカー、コーデュロイのジャケットに長いウールのマフラーをぐるぐる巻きにした陸が笑った。     「今日は、この冬一番の冷え込みだって。夜には雪がちらつくかもって言ってたよ」     ふうん。と...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.22 Tue 18:47

Loser 7

     『なぁ馨、星を、見に行こうか』      中等部二年の冬、十二月も半ばを過ぎた頃だったか、消灯時間をとうに過ぎた真夜中。いつものように眠れないでいた僕を、廉がそう誘った。    その頃の僕は持病とも言える不眠症がひどかった時期で、眠りも浅く、寝つきも悪かった。あの夢も定期的に見ていたし。  中等部の寄宿舎の、四人部屋。一年生の二人はぐっすり眠っていた。  僕らは部屋をそっと抜け出して、裏山を上った。学院は山の中腹にあって、夜中に頂上まで登る...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.22 Tue 00:03

Loser 6

 僕らはいつもの定位置、役員時代から使っているソファ席で久々に集まった。なんとなく暗黙の了解で、僕ら専用みたいになっていたカフェスペースの一画だ。    任期を終えてからは使っていなかったんだけど、未だにここを僕ら以外の生徒が使っているのを見たことがない。(教職員や来賓なんかが、偶に使ってるのは見かけるけど)  卒業まではって気を遣われてるのかな。新庄たちもここ使ってないし。  ――空けとくのも勿体ないしね。うん、ありがたく卒業までは使わせてもらおう。    それに、今...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.21 Mon 00:25

Loser 5

 「馨〜! そろそろ行こうぜ」    廉と河野と紡と、食堂で昼食をとっていた僕らのところへ、創と類がやってきた。  役員じゃなくなってから、このメンバー全員で集まる機会は少なくなってたけど、今日は久しぶりに一緒に行こうと約束していたのだ。    今日は、十二月二十四日。降誕祭の日だ。  朝からチャペルでクリスマスのミサを終えてから、終業式。一応これで二学期は終了で、他の高校ならこのまま冬休みに入るのだろうが、ステファノではその後にメインのクリスマス行事が待っている。  ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.20 Sun 00:00

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