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熱いシャワーを浴びながら、たった今あいつの唇が辿った痕跡の全てを洗い流してやろうと躍起になる。 ごしごしと、少し乱暴に擦った自分の身体につけられた、いくつもの赤い鬱血の痕。 「あの野郎…」 思いっきり痕を残しやがって。こんなものを、もし誰かに見られでもしたらどうすんだ! 「いてぇし……」 思いっきり擦った肌もヒリヒリとした痛みを訴えかけてきていたけど、それ以上に打ち付けるシャワーの水の勢いが、傷つけられた身体のデリケートな部分に刺すような痛みを与える。 昨日も今日も、キスは相当慣れている...
駄文倉庫 | 2020.11.12 Thu 21:54
登場人物プロフィールはこちら 主人公東郷の邸宅 私は、ブラオミュンヘンのトレーニング場への道を車で向かっていた。 2月のドイツは凍てつくように寒い。 今日のフライブルグは、1、2時間もしないうちに10cmもの雪が降った。 ドイツは雨量は多くないが、ドカ雪が降ることがあり交通網がマヒする。 ドイツでは、融雪剤をたっぷりとまくため冬でも快適に走れるが、短時間の大雪には注意が必要だ。 ドイツの雪質は、日本とやや違う。 ...
大人のためのBL物語 | 2020.11.01 Sun 10:23
卒業式が終わった。 緊張からは解放されたけど、まだ僕たちの裏方の仕事は終わらない。 卒業生を拍手で送りだして、そのあと残った全員が退席したあと、とりあえず僕らは講堂内の片づけを始めた。まだ、校庭には卒業生や在校生、保護者の方たちが、残っている。 そこに、慎一が手伝いに来てくれた。 二年生は先輩との時間が名残惜しいだろうから、卒業式の片付けは一年生を中心にやってもらうことになってるのに、慎一はそういうとこ真面目だよね。 いつも裏方の、大変で面倒な方を手伝ってく...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.10.25 Sun 12:53
一夜明けて、今日は卒業式。 式は十時からだから、朝一で花匠さんが来て学院中を花で埋めてゆく。 校門も、講堂も、チャペルも、校内の至るところが華やかに彩られる。校庭にも、いくつかの大きな壁が出現して、卒業生の通る花道を作り上げていく。 凄いなプロって――。 ネットを張った壁の骨組み部分をトラックで搬入して、そこからは兼平さん以下スタッフの人の手で次々と溢れんばかりの花と緑が差しこまれている。 兼平さんの拘りというかセンスなのか、よくよく見れば、枠自体がすごく凝っ...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.10.24 Sat 21:35
舞台では在校生有志による、演し物が始まった。 進行役としてマイクを持った二年生委員も上手く回してくれるし、助かるなーと、僕らまでお客さん気分だ。 コントや、モノマネ、マジックに、歌、一発芸。……あれ? なんか増えてるね。とび入り参加がけっこう多かったみたい。 創たちが言ってたように、お笑い系もスベって寒い空気になることなく、めっちゃウケてたし、飛び入り一発芸はスベってる人もいたけど、スベリ過ぎて逆にウケてた。 あれはあれで、スベリ芸やね。って慎一が冷静に...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.10.23 Fri 12:39
ランドリーバッグを抱えて五階へ戻ってくると、ちょうど自室に帰ってきた廉と鉢合わせた。 「廉! 今戻ってきたところ?」 少し早めにお風呂に入ってその間に洗濯を済ませ、一階のランドリーに乾燥に行く、三日に一度の僕のルーティン。 乾いた洗濯物を抱えたまま、廊下の途中で振り向いた廉の方へ近寄っていく。 いよいよ明日は謝恩会。 夕方までに一、二年生の生徒会委員で前日準備は済ませていたけど、廉は今日も講堂で居残り練習していたみたい。 ブランクのある廉なのに、本番まであと...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.10.22 Thu 19:54
謝恩会の演し物も決まって、準備に余念のない生徒会メンバー。 アイデアは出したけどほとんどやることのない僕は、生徒会室の隅っこで送辞の原稿を書くためにPCの前でぼーっとして、もとい、思索に耽っている。 廉は講堂で練習中、創と要は写真部の部室に出張中。 普段から有能なメンバーたちに業務のほとんどをお任せしてるお飾り会長だけど、せめて「生徒会長として絶対はずせない仕事」くらいはきっちりやらないと。と、襲ってくる睡魔と水面下で格闘中。 「かいちょーさん、ちょっと休憩...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.10.21 Wed 14:39
腹が満たされれば、落ち込んでいたはずの気持ちまでも満たされた気分になるから、現金なものだ。 「食った食った。おまえ、うまいじゃん」 「本当!?ありがとう。これからもさ、勉強のために俺が作るよ。いいでしょ?」 ごちそうさま〜と言いながら、すぐにごろんと畳の上に寝転がった俺の食い終わった皿を甲斐甲斐しくさげながら、洗い物を片付けに再び台所に立つ仁志が、嬉しそうに振り返る。 「これからもって……」 おまえ、いつまでいるつもり?と、言いかけた言葉を口に出せなかったのはどうしてだろう。 ついさっ...
駄文倉庫 | 2020.10.21 Wed 00:17
人は弱っている時、どうしてこんなにもどうしようもない程に、人肌の温もりを求めるのだろう。 そして、どうして弱っている時に限って、見たくもない現実を突きつけられるのだろう。 広いキャンパスで、学部も選択している授業も全く違う2人に会うことなんて、約束でもしていない限りそうそうあるはずがなかった。 だからこそ、あんな事があった後でも俺は、何もなかったようにして大学に通えていたんだ。 裏切りを笑って許せるほど、俺は心の広い人間じゃない。 その裏切りの形を目の前で見せ付けられ平気でいられるほど、俺...
駄文倉庫 | 2020.10.21 Wed 00:13
(R-18) 四つん這いで尻を高く上げるという、とんでもない体勢で散々後ろを指で弄られ、何で高校生のくせして男同士のヤリ方なんか知ってんだとか、その慣れた手つきに、今まで遊びまくってただろとか、とにかくたくさんついた悪態もその端から奪われていった。 本来受け入れるべきでないはずのその場所が、泣きたくなるくらい丁寧に、恥ずかしくてこのまま死んでしまいそうなくらいじれったく解され。 指が引き抜かれた時にはジンジンと疼くその場所が、まるで呼吸をするかのようにしてひくついているのを感じ、本気で恥ずかしく...
駄文倉庫 | 2020.10.21 Wed 00:09
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