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「あの、そういう話、無理にしなくて良いんだぞ?こないだのことは、俺も大人げなかったし、もう気にしてないから」 「え?俺が言いたかったら話しただけだし。荷物、適当に詰めちゃって良い?」 「あ、うん。ありがとう。あ、俺の荷物は別によけておいてくれる?」 「なんで?取り敢えず一度うちに運んで、そこで分別すりゃ良いじゃん。あ、仕事の道具は別にしないと困るよな」 とんでもない美貌がリンゴや煎餅の段ボールに荷物を詰めていく様子に、なんだか申し訳なくなってくる。それに、何故か彼は奏を自分の部...
真昼の月 | 2022.01.22 Sat 22:50
でも、そろそろ向き合うときなのかもしれない。 寧音が一人前になって結婚するのだ。自分だって、ちゃんと姉と向き合わなければ。 奏は、姉の写真を手に取った。自分よりもずっと若い姉は、写真の中で幸せそうに微笑み、幼い寧音を抱きしめている。 「……姉さん。寧音、結婚するよ。花婿さんの大成君は、病院で癌細胞とかの検体検査っていう、立派な仕事をしてるんだよ。寧音もオペ看として、執刀医の先生方や同僚からも信頼されて、毎日勉強だって頑張ってるんだ。姉さんの娘は、...
真昼の月 | 2022.01.21 Fri 22:10
大成が先頭に立って部屋の中を案内してくれるので、どうせならと色々覗かせて貰った。奏の真横はちゃっかり大雅がキープしている。 寧音と大成の新居だというフロアだけで3LDKだ。大雅の部屋は、これと同じタイプの物だという。どんだけ広いんだよ。リビングの広さが十二畳はあるだろうか。八畳一間に親子二人で住んでいる身としては、身の置き所がなさすぎる。 「こっちの部屋が私と大成の寝室で、こっちがパパの部屋。ほら、ベッドの他にデスクを置けるから、ここでも仕事できるよ?」 「いや…&hell...
真昼の月 | 2022.01.21 Fri 16:18
◇◇◇ ◇◇◇ 取り敢えず、奏は自分たちの部屋の荷物をまとめることにした。どのみち、近日中の立ち退きをお願いされているのだ。どこに住むことになっても、荷物はまとめておかなければならない。 この部屋は、寧音が生まれてから姉が亡くなるまで、二人が住んでいた部屋だった。姉が亡くなり、奏が大学を辞めて寧音を育てることになったとき、姉の相談に乗ってくれていたケースワーカーさんが、そのままここに住めるように取り計らってくれたのだ。 大家のばあちゃんも...
真昼の月 | 2022.01.20 Thu 22:16
大成が先頭に立って部屋の中を案内してくれるので、どうせならと色々覗かせて貰った。奏の真横はちゃっかり大雅がキープしている。 寧音と大成の新居だというフロアだけで3LDKだ。大雅の部屋は、これと同じタイプの物だという。どんだけ広いんだよ。リビングの広さが十二畳はあるだろうか。八畳一間に親子二人で住んでいる身としては、身の置き所がなさすぎる。 「こっちの部屋が私と大成の寝室で、こっちがパパの部屋。ほら、ベッドの他にデスクを置けるから、ここでも仕事できるよ?」 「いや…&hell...
真昼の月 | 2022.01.19 Wed 22:08
「お兄さんは、年の半分くらい海外なんですよね?」 奏の焦りにまるで気づいていないかのように、寧音が笑顔で大雅に話を向ける。 ……この美貌を前にしても、寧音の笑顔には緊張感がない。きっと寧音は、もう大雅のことを『大成の兄』として受け入れているのだろう。いや、この美貌を前にして、他の男に目が行かない娘は、正直偉いと思う。 「そう。仕事は色々あるからね。春夏コレクションと、秋冬コレクションのファッションウィークだけじゃなくて、その間にプレタのショーもあるし...
真昼の月 | 2022.01.18 Tue 23:15
◇◇◇ ◇◇◇ とにかく一度新居を見に来てくれと、寧音と大成に強引に連れ出されたのは、次の日曜だった。優吾からは同居するつもりがないならバシッと断れとは言われているが、大事な娘夫婦の新居を見ておきたい気持ちもあるし、まぁ、見に行くくらいなら、と、奏も軽い気持ちで出かけていった。 自分がLOKIのファンだという事は内緒にしておこう。日本にいる間位、仕事を忘れてのんびりしたいだろうし、彼の所属するブランドの品物を買える訳でもない、こんなしょぼいおっさんにファン...
真昼の月 | 2022.01.18 Tue 23:14
「なぁ、奏。お前だって少しは考えてるんだろう?彼女とか、婚活とかさ。大学辞めてから子育て一筋で、今までそんな余裕なかったのかもしれないけど、これからは一人になるんだしさ」 「それが、あんまりそういう気持ちもないんだよね」 メンチカツを箸でつつく奏に、優吾は太い溜息をついた。 「……お前さ、彼女いない歴イコール年齢だよな?」 「う……」 そのストレートな物言いに、思わずむせそうになってしまった。そんな恥ずかしいことを、いくら何でも直接言う...
真昼の月 | 2022.01.18 Tue 23:14
「……その見本市には、奏さんは一人で行くの?」 「いや、社長も含めて三、四人で。俺は児童書担当で、他にもジャンルによって担当が違うから、手分けして回るんだ」 「その優吾さんって人も行くのか?」 「優吾は国内の営業だから、居残りだよ。俺はドイツ語が喋れるから、便利に使われてるんだ」 「じゃあ日本にいるときは一緒の職場?」 何故だか大雅は優吾にこだわってやたらと訊いてくる。何がそんなにツボにはまっているのだろうか。よく分からないけれど、とにかく訊かれたことには素直に答...
真昼の月 | 2022.01.18 Tue 22:55
「お兄さんは、年の半分くらい海外なんですよね?」 奏の焦りにまるで気づいていないかのように、寧音が笑顔で大雅に話を向ける。 ……この美貌を前にしても、寧音の笑顔には緊張感がない。きっと寧音は、もう大雅のことを『大成の兄』として受け入れているのだろう。いや、この美貌を前にして、他の男に目が行かない娘は、正直偉いと思う。 「そう。仕事は色々あるからね。春夏コレクションと、秋冬コレクションのファッションウィークだけじゃなくて、その間にプレタのショーもあるし...
真昼の月 | 2022.01.17 Mon 22:38
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