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-雨やどり番外編- 「……は?」 伺うような、だけど明らかに誘いを掛けてくるその視線に、思わず唖然として聞き返した声が小さく震える。 向けられたその視線の中に見て取れた、はっきりとした女の匂いに、一瞬背中をゾクリとした嫌悪感が走った。 こんな風にして、あからさまな視線を寄越してくる女だっただろうか? 少なくとも付き合っている時には感じた事がなかった、その絡みついてくる視線に、本気で嫌気がさす。 「そんなんじゃねえよ。いずとは全く関係ない」 「本当?隠さないで教えてよ」 さっきまで涙に濡...
駄文倉庫 | 2021.05.30 Sun 00:22
-雨やどり番外編- 午前中に最後のレポート提出を終え、ウキウキと浮き足立つ気持ちを抑えながら帰途につく。 仁志は今日も、学校で部活に勤しんでいるはずだ。それでも、部活を終えたその足で部屋に飛び込んでくるであろう仁志の姿を思い浮かべ、頬が緩むのを止められなかった。 いつも仁志の事をガキだと言いながら、こんな事で浮かれている自分こそガキっちいよな。 だけど、これでようやく会えない時間に終止符が打たれるのだと思えば、足取りだって軽くなるさ。 だいたい、俺達はまだ付き合い始めて2カ月にもならないっ...
駄文倉庫 | 2021.05.30 Sun 00:19
-雨やどり番外編- 「三島さ〜ん!終わった、終わったよ〜!!」 梅の蕾が花開き、まさに満開を迎えようとするその日、およそ3週間ぶりに俺の部屋に来た仁志が、玄関へと入ってくるなり飛びつくようにして抱きついてきた。 「全然会えなかったから、三島さん切れで死ぬかと思った〜」 「大げさな奴だな…毎日電話で声は聞いてたろ」 「電話じゃあ三島さんに触れないだろ?」 俺よりもデカイ図体の仁志を踏ん張りながら受け止め、呆れた溜め息を零す俺を、至って真面目な顔で覗き込んできてそんな事を言う。 人間というよ...
駄文倉庫 | 2021.05.30 Sun 00:15
-雨やどり番外編- 電話なんて、1日1回すれば十分すぎるだろう?むしろ、しすぎなくらいじゃないか? それに、自分の知らないところで自分の知らない人間とは会うなだなんて、そんなの無茶苦茶だ。 ただでさえ、俺達は高校生と大学生という事で、時間の使い方だって全然違うし、お互いの友人関係なんてお互いが知らない相手ばかりだというのに。 だいたい夜は出かけるなだなんて、二十歳を超えた俺は、当然友人達と飲みに行く機会だって少なくはないのだ。 俺自身は酒に弱いが、友人達と酒を酌み交わす席は嫌いではなかった。...
駄文倉庫 | 2021.05.30 Sun 00:12
-雨やどり番外編- 冷たい冬の雨の日に出会った記憶喪失だった少年は、梅の花弁が満開に咲き誇る季節を迎えても隣で笑っていた。 いつも部活を終えたその足で、あいつの通う高校からほど近い俺のアパートへと足繁く通ってくる。 あいつが向けてくれる一途な想いも、あいつが与えてくれる満たされた時間も。 全てが少し照れくさく、だけどひどく愛おしい───…。 「おまえさ、確か熱血サッカー小僧だって自分で言ってなかったか?」 付き合い始めたと言っても、まだ始まってから2週間程度。 だけどこの2週間の間、放課...
駄文倉庫 | 2021.05.29 Sat 23:07
登場人物プロフィールはこちら 主人公東郷の邸宅 結の、 「きっとあなたを奪い返すから!」 の声が、胸に突き刺さり、私の体の中で何度も何度もこだました。 「好き!今でも!好き!大好き!」 私は既に、ドイツの自宅に戻っていた。 台所で、オレンジの皮をむき、白い綿をスプーンで黙々とこそぎ取っていた。 「旦那様のオレンジピールは美味しいから。」 ジップが、にこやかに笑って白い綿を生ごみバケツに入れていく。 ...
大人のためのBL物語 | 2021.04.28 Wed 19:26
うむ、めちゃくちゃのんびりしてるのが原因かな。常に機敏を意識し、普段から鋭くしていなければ、動きは鈍いままだろう。 JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML
慎重にすべき発言 | 2021.01.16 Sat 12:50
皆様、明けましておめでとうございます!! 昨年中は大変な年となりましたが、皆様にはお変わりないでしょうか。 私は職場が色々ピンチで(自粛対象だったものですから💦)途中からWワークを始めたりしました💦 おかげで私生活がとっちらかってしまって、1つのことしか出来ない自分に情けないやら呆れるやらで、何も手につかずにバタバタしてしまいました💦 皆様には本当にご迷惑をおかけしてしまい、年の初めからの謝罪となりまして申し訳ありません...
真昼の月 | 2021.01.01 Fri 00:09
「…んっ、あ」 慎一の中で果てた高嶋のものがずるりと引き抜かれる感触に、切なげな声が漏れて、出したばかりのモノに、また血が集まる。 ――昨夜から、何回目だ? 高嶋は、数えるのもバカらしくなるくらいの自身の熱に、失笑した。 荒い息を吐いてぐったりと脱力した慎一が、額に張り付いた髪をかき上げて、高嶋をぼんやりと見上げている。緩んだ唇は赤く濡れていた。 滑らかな肌に散らばる白濁をさりげなく拭ってやると、高嶋の瞳を捉えていた潤んだ瞳が、羞恥に揺れた。 ...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.26 Sat 23:29
「わ、美味しそう!」 タオルで拭いただけの湿った頭のまま、慎一はリビングに戻ってきた。テーブルに並べられたオードブルやチキンに、感嘆の声を上げる。 「ちゃんと乾かさないと風邪引くぞ」 「大丈夫。いつもこうだから。勝手に乾くよ」 意外と無頓着なところのある慎一は、高嶋が出しておいたスウェットの上下を着てタオルを首に巻いたまま食卓についた。 いつもは下ろしている前髪がかき上げられていて、形の良い額が見えている。癖のないサラサラの黒髪は、乾けば前...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.12.26 Sat 22:50
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