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これまでの俺の人生を振り返って見てみれば、たいした挫折もなく、どちらかといえば経済的にも環境的にも恵まれた中で生活をしてきていた。 大学を卒業した後、就職氷河期と言われる昨今、全く就職活動の苦労もなく、祖父が経営する会社に入社し、七光りと言われようとなんと言われようと、そんな事は気にも留めずに順調に出世の階段だって昇ってきた。 一応、会社に入ってからは一般の新人と同じように扱われ、いきなり役職に就く事はなかったさ。 そして、それなりに実績を上げてきたから、今の取締役部長という役職にだって就け...
駄文倉庫 | 2020.09.05 Sat 22:58
この話になると、由希子はどうにも感情的になってしまって話ができなくなる。言っている事は分かるし、武義も少し前まではそういう気持ちだった。異性の由希子より、むしろ同性である武義の方が嫌悪感は強かったかもしれない。 ……でも、ここまで来るともう、そういうのは過ぎ去ってしまった様な気がする……。 一生結婚できない人もだっているし、一生彼女いない歴イコール年齢の人だっている。それに比べれば、例え同性であっても、うちの息子を愛してくれて、一生傍にいてくれる人がいるのな...
真昼の月 | 2020.08.11 Tue 23:15
そう。土曜日。いきなり智一は電話で呼び出されて出かけていった。こんな毎日毎日思い詰めた顔で勉強ばかりしていたのに、急に呼び出してくるなんて。 「どうせ大竹先生でしょ!?こんな時期に智くん呼び出すなんて……!」 「でも帰ってきた智一は元気そうなんだから良かっただろ」 「……そうかもしれないけど……」 大竹との付き合いは決して浅くない。 設楽が高校二年の時に、やっぱりこういう風に思い詰めていた時期が合った。いや、思い詰めていた処の騒ぎではない。この子...
真昼の月 | 2020.08.09 Sun 23:05
研究者達にとって、ここから先の人生は伸るか反るかの大修羅場の連続だ。その重圧に潰されて、消えていった奴らも多い。 だが、設楽は大丈夫だ。あの飼い主がいる限り。 以前一度だけ、公用で大学に来ていた奴を見たことがある。設楽はしっぽが振り切れるのではないかという顔をして、「来るなら言ってよ!!!」と口の中で叫び、窓の上から男の姿を見つめていた。 高揚した頬。キラキラと光る瞳。どんだけ付きあってんだよ、お前ら。それなのに、未だにその顔かよ。付き合いたてのカップルかっつうの! まぁ、せ...
真昼の月 | 2020.08.08 Sat 23:03
……ゴメン、設楽。別にお前が国試に落ちるとか全く思ってないけど、でもこのセンシティブな時期に、そういう話はお前の耳には入れたくねぇわ……。 なんて大竹が考えているとも知らず、設楽は大竹の頼もしくもイヤらしくも見える笑顔に、ドキドキと顔を赤くしていた。 ……可愛いな、設楽。そうやって余計な事は何にも考えずに、たまには息抜きしててくれ。お前、意外と思い詰めちまうタイプだし、自分で暴走して自爆するタイプだからな。エロいこと位で平常心を取り戻せるんなら、...
真昼の月 | 2020.08.07 Fri 23:01
慎也はああ言ってくれるけど、本当かな……。慎也がやってるのは大学受験だから、やっぱり薬剤師の国試は専門外じゃん?いや、でも試験の傾向とかって、出題者の心理とか傾向とかがあって、そういうのは分かるもんなのかな……。あ、でも慎也も俺の勉強に付き合ってくれて、結構うちの教科書とか専門書も一緒に読んでたりするしな。っていうか、専門家?……専門家って誰!?あ、でも宮嶋さんの塾って、医科歯科専門を謳ってるけど、薬学の生徒もいるんだっけ。でもそれは受験勉強の仕方であっ...
真昼の月 | 2020.08.06 Thu 23:02
◇◇◇ ◇◇◇ 目が醒めると、もうお日様はずいぶん高い所にいるようだった。 「あ……あれ?俺……?」 ぽっかりと目を開ける。ベッドの上には設楽一人が横たわっていた。体中がまだ幸せな疼きを訴えている。 昨日は……昨日は本当にすごかった。もうこれ以上はないと思うほどの快楽を与えられ、次の瞬間には軽くそれを超えていく。大竹は全く容赦なんてしてくれなくて、それが堪らなく幸せだった。 過ぎた快感に設楽が泣き出して、本当に何も出る物が何もなくなっ...
真昼の月 | 2020.08.05 Wed 23:01
「どうしたの、智くん?」 「いや、よく分からないんだけど、とにかくちょっと出かけてくる!!」 「え?出かけるってこんな時間から?」 「いや、ごめん、ちょっと俺もよく説明できないんだけど、とにかく行ってくるから!!」 「智くん!?ちょっと!!」 母親の声を無視して、玄関から飛び出す。家の脇に停められていたRVは、ライトも室内灯も消えていたが、大竹の影がうっすらと見えただけで心臓が跳ね上がってしまった。ダッシュで車に駆け寄って、助手席のドアを開ける。大竹はニヤニヤ笑いながら「よ」と小さく手を...
真昼の月 | 2020.08.03 Mon 23:01
皆様、コメントありがとうございます。 お返事が遅くなっておりまして、大変申し訳ありません💦💦💦 今少しずつお返事しておりますので、直近のコメントについてはもう少々お待ち下さい💦💦 お返事はコメントをいただいた順に書いております。 先に書いていただいた方のリコメが下になっておりますので、もし自分へのレスがないな、と思われたら、下の方をググッとスクロールしていただけると嬉しいです。 イヌ吉拝 ...
真昼の月 | 2020.08.02 Sun 23:40
『慎也:五秒後に電話かける』 「え!?慎也!?五秒後!?電話!?電話!??!?わ、わ、ありがとう!?」 時計を見ると夜の十時。確かにそろそろ一休みしても良いような時間だ。膝の上に両手を置いて、ドキドキしながら着信を待つ。五秒しかないはずなのに、異様に長く感じる。 スマホがブルルと震え、画面が光ったと同時に着信ボタンを押した。 「慎也!?」 『おう』 いつも通りの低い声。うわ、やばい。なんか泣きそう!! 『今時間良いか?』 「うん!」 『じゃ、降りてこい』 「え?」 思わず...
真昼の月 | 2020.08.02 Sun 23:02
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