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◇◇◇ ◇◇◇ 目が醒めると、もうお日様はずいぶん高い所にいるようだった。 「あ……あれ?俺……?」 ぽっかりと目を開ける。ベッドの上には設楽一人が横たわっていた。体中がまだ幸せな疼きを訴えている。 昨日は……昨日は本当にすごかった。もうこれ以上はないと思うほどの快楽を与えられ、次の瞬間には軽くそれを超えていく。大竹は全く容赦なんてしてくれなくて、それが堪らなく幸せだった。 過ぎた快感に設楽が泣き出して、本当に何も出る物が何もなくなっ...
真昼の月 | 2020.08.05 Wed 23:01
「どうしたの、智くん?」 「いや、よく分からないんだけど、とにかくちょっと出かけてくる!!」 「え?出かけるってこんな時間から?」 「いや、ごめん、ちょっと俺もよく説明できないんだけど、とにかく行ってくるから!!」 「智くん!?ちょっと!!」 母親の声を無視して、玄関から飛び出す。家の脇に停められていたRVは、ライトも室内灯も消えていたが、大竹の影がうっすらと見えただけで心臓が跳ね上がってしまった。ダッシュで車に駆け寄って、助手席のドアを開ける。大竹はニヤニヤ笑いながら「よ」と小さく手を...
真昼の月 | 2020.08.03 Mon 23:01
皆様、コメントありがとうございます。 お返事が遅くなっておりまして、大変申し訳ありません💦💦💦 今少しずつお返事しておりますので、直近のコメントについてはもう少々お待ち下さい💦💦 お返事はコメントをいただいた順に書いております。 先に書いていただいた方のリコメが下になっておりますので、もし自分へのレスがないな、と思われたら、下の方をググッとスクロールしていただけると嬉しいです。 イヌ吉拝 ...
真昼の月 | 2020.08.02 Sun 23:40
『慎也:五秒後に電話かける』 「え!?慎也!?五秒後!?電話!?電話!??!?わ、わ、ありがとう!?」 時計を見ると夜の十時。確かにそろそろ一休みしても良いような時間だ。膝の上に両手を置いて、ドキドキしながら着信を待つ。五秒しかないはずなのに、異様に長く感じる。 スマホがブルルと震え、画面が光ったと同時に着信ボタンを押した。 「慎也!?」 『おう』 いつも通りの低い声。うわ、やばい。なんか泣きそう!! 『今時間良いか?』 「うん!」 『じゃ、降りてこい』 「え?」 思わず...
真昼の月 | 2020.08.02 Sun 23:02
皆様、「真昼の月」に今年も遊びに来てくださり、ありがとうございます!! 亀の歩みのようなblogですが、皆様に忘れられずに遊んでいただけて、イヌ吉は本当に果報者です!! お礼の画像は、おいしく栄次さんを転がして召し上がっていただいている衛さんです(笑) ええ、うちの衛さんと栄次さんは、ほんと、こんな関係だと思うんですよね……。 そうして、今年もまたお礼小説を書かせていただきました。 お礼画像が衛さんと栄次さんなので、お話は設楽君...
真昼の月 | 2020.08.01 Sat 12:02
夜中に机に向かっていると、大竹に会いたくなる。 過去問のページをめくる時。消しゴムを取ろうとした時。深呼吸をした時。飲み物に手を伸ばした時。 ふっと流れ込んでくるように、大竹を思い出してしまう。 大竹の笑顔とか、匂いとか、低い笑い声とか。 「あー、くそ。慎也に会いてぇ……」 薬剤師国家試験までまだ半年ある。 まだ半年。まだ半年。 くそ、まだ半年もこんな煮え煮えの状態が続くのか。 大学受験の時と比べたら、どちらの状況がよりキツイのだろうか。あの時は、大竹...
真昼の月 | 2020.08.01 Sat 12:01
ジージージージー、しゃぁしゃぁしゃぁしゃぁしゃぁしゃぁしゃぁしゃぁ…。 かりかりかり、かりかり、…みゃーん。 「…う? あ、マーゴ、だめ!」 マーゴが網戸をひっかく音に、僕は飛び起きた。 あっつ…。少しでも風が入るようにと、カーテンを開け放した窓からの日差しと、裏山のセミの鳴き声が容赦なく部屋に入り込んでいる。 外に出たいと、マーゴがちょっと怒ってる。いつもは穏やかな桃色の「気」が...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.07.19 Sun 12:22
時折吹く強い風に乗って届く、鼻孔をくすぐる甘い香り。 休日の午後、お互いの温もりをすぐ隣に感じながら、開け放した窓から漂う香りと陽気が春の訪れを伝えてくれる。 「この間まで寒かったのにな」 キッチンに立ち、たった今済ませたばかりの昼食の後片付けをしていた俺へと、全てを終えたタイミングを見計らうようにコーヒーカップが差し出された。 「サンキュ」 それを受け取り、すぐ隣に立つ細く頼りない肩をそっと引き寄せながら、揃ってリビングとは名ばかりのワンルームの部屋の床へと腰を降ろす。 そして、会...
駄文倉庫 | 2020.07.10 Fri 23:29
街を煌びやかに彩る、色とりどりのイルミネーション。 空に輝く星の瞬きでさえも色褪せる、街を飾るデコレーションと恋人達の甘い睦言。 今宵サンタがやってくる。 子供達の願いをソリに乗せ、イヴの夜空に幻想的なベルの音を響かせて。 冬には温泉に浸かって雪見酒。 会えなかった時間を佳宏が過ごした、北海道の街並みも見てみたい。 5ヶ月ほど前、眠り続ける佳宏の枕元で一人囁いた、そんな未来への約束。 退院後、目立った後遺症も見受けられず、行われたガン再発の定期健診も無事にクリアした今、本当ならその約束...
駄文倉庫 | 2020.07.07 Tue 22:00
「佳宏、北海道ではライラックの花が満開だって」 そして今日も、眠り続ける佳宏に俺は話しかける。 「知ってたか?ライラックの花言葉は『初恋』なんだって。なんだか、俺達にぴったりな花って気がしないか?まあ俺の勝手な思い込みだけどな。映像で見ただけだけど、薄紫の花がいっぱいに咲いていて…すごく綺麗だった…」 ニュースで聞いたライラックの花言葉。 『初恋』の響きがやけに胸に響き、あまりに少なすぎる佳宏との思い出に、一筋の涙が頬を伝い落ちた。 「来年は二人で見に行こう。なんとしても休みをもぎ取る...
駄文倉庫 | 2020.07.04 Sat 23:02
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