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「という訳で、俺のバイクはカタナの1100で、オフ車はジェベルの250な訳ですよ!ジェベルはもう製造中止されてるけど、オフ車オフ車してなくて良いんだよ!」 常にはなく鼻息の荒いダグラスに、トニーがすかさず混ぜ返す。 「え〜、あれ、オフ車にしちゃでかくない?」 「でもその分、オフ車にしちゃ高速楽に走れるから、ここに来る時便利だぜ?」 妙に興奮している3人に、ジェイクは小さく溜息をついて「お茶でも淹れてきましょうかね」と席を立ってしまった。 「あ、ボクも手伝います」 後を追うリカル...
真昼の月 | 2020.05.07 Thu 08:01
「確か、大学入る前くらいだ!慎也、ダグラスさんとトニーさんからバイト代出すから免許取ってバイクを走らせろって無茶振りされたって言ってた!って、え?でも慎也、あれで本当に免許取ったのか……?」 驚いたように宮嶋が言うと、ダグラスと、ダグラスが来てから元気を取り戻したトニーが、悪い顔でニヤニヤと笑った。 「取ラセタヨー。当タリ前ネー」 何故か日本語ベラベラのダグラスが、片言中国人発音でそう言うと、トニーまで「慎也、ナンダカンダデオ兄チャンノ言ウコト絶対ネー」とエセ中国人発...
真昼の月 | 2020.05.06 Wed 08:01
「ん?どうした?」 「いや……知ってれば学生時代にアタック掛けてたのに……」 是枝の前だというのについつい本音をぶっちゃける宮嶋に、ダグラスは声を上げて笑った。 「正直だねぇ。良いのか?ダンナさんが目の前にいるのに?」 「僕達の間に隠し事はありませんから大丈夫ですよ。なに?啓介、ダグラスさんの事、結構好きだった?」 そう言って微笑んで宮嶋を見つめる是枝の目は……当然だが少々強(こわ)い。 「え?いや、だってほら、ダグラスさんって俺の好みのど真ん...
真昼の月 | 2020.05.05 Tue 08:02
冷蔵庫の中から2リットルのペットボトルに入ったお茶を取り出し、2人分のグラスに注ぐ。 その間チラリと盗み見た鳴海は、床に座ったまま興味深げな表情で、決して広いとは言えない室内を見回していた。 その横顔は、今にも消えてしまうのではないかと心配になるくらい透明で、あの頃に比べたら一回りも二回りも小さく見える鳴海の儚さに、何故か胸が痛くなった。 「そんなマジマジと見るほどの部屋じゃないよ」 「サンキュ」 言いながら手渡したグラスを受け取ると、鳴海はすぐに口に運び、そのまま口腔に含んだ液体を2度...
駄文倉庫 | 2020.05.04 Mon 11:07
「なかなか楽しい人だね」 是枝がニッコリと微笑むと、トニーも嬉しそうに笑い返した。 「こういう時に羽目を外さないと、いつ外すの?」 「トニーはいつ羽目をはめるんだよ!」 「いつもはめてるよ!」 ギャンギャン言い合っているトニーに向かって、ジェイクがジロリと冷たい視線を寄越した。 「トニー、そろそろいい加減にして下さい。あまりこういう席でバカ騒ぎをすると、あなたのお里が疑われますよ」 「あぁ、良いよ。あんな家、元々泥だらけだから」 「トニー?」 ジェイクがとうとう睨みつけると、...
真昼の月 | 2020.05.04 Mon 08:50
「だって、何の為の前乗り?今夜はスタッグパーティーだろ?せっかく久しぶりに会ったんだから、バカ騒ぎしなきゃ!」 「スタッグパーティー?」 聞き慣れない言葉に設楽が聞き返すと、ジェイクが「バチェラーパーティーのことを、イギリスではスタッグパーティーと呼ぶんですよ」と当たり前のことのように教えてくれた。だが、そのバチェラーパーティーというのが、そもそも聞き慣れない。 「結婚式の前日に、同性の友人で集まって、独身最後の夜を楽しむんですよ。新婦とその友人がどんなパーティーをするのかは見たこと...
真昼の月 | 2020.05.03 Sun 08:04
突然の再会に舞い上がり、すっかり忘れていたが、俺の部屋は人様を招けるような状態ではなかった。 「ご、ごめん!凄い散らかってる。すぐ片付けるから、適当に座っといて」 独身男の一人暮らしと言い訳してしまえばそれまでだが、ワンルームの室内は、床はもちろんの事、ベッドの上も今朝脱いだ部屋着がそのまま脱ぎ散らかされている有り様だ。 「これぞ男の一人暮らしって部屋だなあ」 くすくすと笑いながら、鳴海は床に散らばる雑誌やゴミを拾い上げていく。 「ったく……ゴミなんてゴミ箱に放り込めばいい話だろ。な...
駄文倉庫 | 2020.05.02 Sat 21:38
「あれ、皆で造ってるツリーハウス。トモもあれの進み具合が気になって、様子を見に来ちゃ手伝ってくんだよ」 「ツリーハウス?ひょっとして、人が寝泊まりできる物を作ってるんですか?」 「もちろんだよ!でもね、ただ木材を買ってきて作るんじゃつまらないでしょ?だから、使う材料はうちの敷地内から自分たちで切り出すっていう縛りをつけてるんだ。だからちっとも進まないんだけど、その分楽しいよ〜!」 ニコニコと笑うトニーは本当に楽しそうだ。ああ、設楽君なら、きっとここで一緒に笑いながら、のこぎりを曳いたり...
真昼の月 | 2020.05.02 Sat 08:02
◇◇◇ ◇◇◇ 宮嶋が是枝と伴って階下に降りていくと、ベーコンの焼ける良い匂いがした。 「ああ、昼飯これからだろ?簡単なパスタで良いか?」 さっき見たときにはコーヒーを淹れていた大竹が、今はキッチンでフライパンを煽りながら、すぐに宮嶋に気づいて声を掛けてくる。 「ありがとう。良い匂いだな」 大竹の隣ではシギーが黙々と作業をしている。規格外にでかい2人が並んでいても狭く見えないキッチン。すごいな、ガリバーの家か、ここは。 「何か手伝おうか?」 「ゲストはそっちでもてなされてろ。...
真昼の月 | 2020.05.01 Fri 08:02
「ここでは皆さんと同じように、ジェイクと呼んでも?」 「もちろんですよ。私も是枝さんとお呼びしますね?」 とりあえず一通りの挨拶を済ませると、是枝は辺りを見回した。 「それにしても、見事な別荘ですね。庭もとても素晴らしい」 「ありがとうございます。後で庭も案内いたしますが、まずはお部屋にご案内しましょう」 ジェイクがそう言うと、すかさずセリョージャが是枝と宮嶋の荷物を手に取った。 「あ、セリョージャさん、自分で運びます!」 慌てて宮嶋がセリョージャを追いかけるが、セリョージャはふ...
真昼の月 | 2020.04.30 Thu 08:02
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