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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
※ R-18作品には必ず分かるように明記しましょう。
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薔薇の盛りの頃に 9

「なかなか楽しい人だね」  是枝がニッコリと微笑むと、トニーも嬉しそうに笑い返した。 「こういう時に羽目を外さないと、いつ外すの?」 「トニーはいつ羽目をはめるんだよ!」 「いつもはめてるよ!」  ギャンギャン言い合っているトニーに向かって、ジェイクがジロリと冷たい視線を寄越した。 「トニー、そろそろいい加減にして下さい。あまりこういう席でバカ騒ぎをすると、あなたのお里が疑われますよ」 「あぁ、良いよ。あんな家、元々泥だらけだから」 「トニー?」  ジェイクがとうとう睨みつけると、...

真昼の月 | 2020.05.04 Mon 08:50

薔薇の盛りの頃に 8

「だって、何の為の前乗り?今夜はスタッグパーティーだろ?せっかく久しぶりに会ったんだから、バカ騒ぎしなきゃ!」 「スタッグパーティー?」  聞き慣れない言葉に設楽が聞き返すと、ジェイクが「バチェラーパーティーのことを、イギリスではスタッグパーティーと呼ぶんですよ」と当たり前のことのように教えてくれた。だが、そのバチェラーパーティーというのが、そもそも聞き慣れない。 「結婚式の前日に、同性の友人で集まって、独身最後の夜を楽しむんですよ。新婦とその友人がどんなパーティーをするのかは見たこと...

真昼の月 | 2020.05.03 Sun 08:04

初恋 act.4

突然の再会に舞い上がり、すっかり忘れていたが、俺の部屋は人様を招けるような状態ではなかった。 「ご、ごめん!凄い散らかってる。すぐ片付けるから、適当に座っといて」 独身男の一人暮らしと言い訳してしまえばそれまでだが、ワンルームの室内は、床はもちろんの事、ベッドの上も今朝脱いだ部屋着がそのまま脱ぎ散らかされている有り様だ。 「これぞ男の一人暮らしって部屋だなあ」 くすくすと笑いながら、鳴海は床に散らばる雑誌やゴミを拾い上げていく。 「ったく……ゴミなんてゴミ箱に放り込めばいい話だろ。な...

駄文倉庫 | 2020.05.02 Sat 21:38

薔薇の盛りの頃に 7

「あれ、皆で造ってるツリーハウス。トモもあれの進み具合が気になって、様子を見に来ちゃ手伝ってくんだよ」 「ツリーハウス?ひょっとして、人が寝泊まりできる物を作ってるんですか?」 「もちろんだよ!でもね、ただ木材を買ってきて作るんじゃつまらないでしょ?だから、使う材料はうちの敷地内から自分たちで切り出すっていう縛りをつけてるんだ。だからちっとも進まないんだけど、その分楽しいよ〜!」  ニコニコと笑うトニーは本当に楽しそうだ。ああ、設楽君なら、きっとここで一緒に笑いながら、のこぎりを曳いたり...

真昼の月 | 2020.05.02 Sat 08:02

薔薇の盛りの頃に 6

  ◇◇◇ ◇◇◇  宮嶋が是枝と伴って階下に降りていくと、ベーコンの焼ける良い匂いがした。 「ああ、昼飯これからだろ?簡単なパスタで良いか?」  さっき見たときにはコーヒーを淹れていた大竹が、今はキッチンでフライパンを煽りながら、すぐに宮嶋に気づいて声を掛けてくる。 「ありがとう。良い匂いだな」  大竹の隣ではシギーが黙々と作業をしている。規格外にでかい2人が並んでいても狭く見えないキッチン。すごいな、ガリバーの家か、ここは。 「何か手伝おうか?」 「ゲストはそっちでもてなされてろ。...

真昼の月 | 2020.05.01 Fri 08:02

薔薇の盛りの頃に 5

「ここでは皆さんと同じように、ジェイクと呼んでも?」 「もちろんですよ。私も是枝さんとお呼びしますね?」  とりあえず一通りの挨拶を済ませると、是枝は辺りを見回した。 「それにしても、見事な別荘ですね。庭もとても素晴らしい」 「ありがとうございます。後で庭も案内いたしますが、まずはお部屋にご案内しましょう」  ジェイクがそう言うと、すかさずセリョージャが是枝と宮嶋の荷物を手に取った。 「あ、セリョージャさん、自分で運びます!」  慌てて宮嶋がセリョージャを追いかけるが、セリョージャはふ...

真昼の月 | 2020.04.30 Thu 08:02

初恋 act.3

「お〜い、おまえ木本だろ?」 もう二度と会える事はないだろうと思っていた……。 記憶の奥底へと無理矢理押しやり、閉ざした蓋は二度と開く事はないだろうと思っていた。 そんな初恋の相手を目の前にし、みっともなく固まったままの俺を、鳴海が下から覗くように見上げてくる。 「ありゃ…もしかしてわかんない?まあ、あの頃は俺の方がでかかったしなあ。それに今よりガタイも良かったし…って、小学生の自分に負けてるなんて情けね〜」 まるで冗談を言うような鳴海の口調が、いくら見た目があの頃とは随分変わっているとは...

駄文倉庫 | 2020.04.29 Wed 20:17

薔薇の盛りの頃に 4

「はいはい、新郎の前でイチャイチャしないよ。リカルドも泣いちゃうしね」  トニーがニヤニヤと引っかき回すと、宮嶋はトニーを見て、今度はパァっと顔を輝かせた。 「トニー!すごい、ちっとも変わってない!相変わらず綺麗だね!!」 「ふふふ、ありがとう。ケースケくんも相変わらずオトコマエだね〜。も〜。食べちゃいたいよね〜」  トニーが宮嶋の顎の下をこちょこちょとくすぐると、是枝が今度はかなり大きくゴホンゴホンと咳払いをする。 「あ、ごめんなさい。ケースケくん、新郎さんに紹介してもらっても良...

真昼の月 | 2020.04.29 Wed 08:01

初恋 act.2

俺と彼が初めて会ったのは、今からちょうど12年前の穏やかな春の日。 父親の転勤で、当時俺が住んでいた小さな町に越してきたのが、彼──…鳴海 佳宏(なるみ よしひろ)だった。 当時の鳴海は、周りのクラスメイト達よりも頭一個分は抜き出てるほど背が高く、真っ黒に日焼けした肌に白い歯…そして、とても小学6年生とは思えないほど、がっちりとした体格をしていた。 当然女子には人気があったし、同い年とは思えないほど何もかもが群を抜いていた鳴海は、俺達男子の憧れの存在でもあった。 俺はと言うと、そんな鳴海には背伸び...

駄文倉庫 | 2020.04.27 Mon 21:17

薔薇の盛りの頃に 3

 トニーは、設楽達がダーチャに来るときにいつも使っている、東側の真ん中の部屋に荷物を置いた。大竹の姿は、もうそこにはない。どうやらリビングに行ったらしい。  ここでは、いつもこんな感じだ。皆が皆、フリーダムに動いている。 「ねー、トモ。今回は俺達と一緒に大部屋で寝ない?夜通し恋バナとかしようよ〜」 「それはダーメ。今日は慎也とイチャイチャするって決まってるんだから!」 「ちぇ〜。じゃあコップを壁に付けて、盗み聞きしても良い?」 「それもダ〜メ!」  トニーがとんでもないことを言うのは...

真昼の月 | 2020.04.27 Mon 08:30

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