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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
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やきもち焼きの恋人 ?(水のない川・続?)

   『今週末、休みが取れたよ。』    …急だよね。  慎一は、ラインを見て固まった。学院祭以降、高嶋が頑張ってスケジュール調整しているのは知っていたが、1日だけならともかく土日連休なんてそんなに早く取れると思っていなかった。     (必死か…)     嬉しいけど、複雑というか、いや嬉しく無い訳ではないけど――。     「慎一?」     今日は運動部の活動日。練習が終わって部室で着替え中の馨が、スマホを手に固まった慎一を振り返る。ここはロッカールームの一番端っこで。...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.03.26 Thu 17:24

蘭灯 ?(水のない川・続?)

    「はー、どっちにしろ、卒業までは辛いな」  僕を抱き寄せたまま幸成さんが呻く。  「どっちにしろ?」  「エッチは我慢するとしても、そうしょっちゅうは会えないしね。なかなか休み合わないし、寮は門限あるし。夜ちょっとだけでもって思うけど、遠いからねー、ここ。仕事終わってからだと、門限に間に合わないし」  そう、ここって田舎だから、幸成さんの会社とか家とかからは、かなり遠い。九条のおじい様の家と同じくらい離れてる。  「愚痴っても、仕方ないけどね。ま、こうやって仕事で来たりもするし、そし...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.22 Sat 12:47

蘭灯 ?(水のない川・続?)

 9月の最終週の木曜日。明日は、3年生になって迎える最後の学院祭だった。  馨の生徒会長としての最後のお仕事で、今年は茶道部のお茶会には出られない。それは分かっていたことだけれど、なんとなく寂しい気持ちは拭えなくて。前日の準備に忙しい馨を、取るに足らない用事で呼びつけてしまったり。  着物選びを手伝って貰って、お茶券を渡して、御堂たちとお茶してもらって、――休憩できたと喜んでは貰えたけど、彼らは慌ただしく帰っていった。  柄にもなく、なんだか寂しくて落ち着かないのは、きっと――。    ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.22 Sat 12:46

水のない川 15 【完結】

   「水無瀬くん」  放課後、馨と話しながら生徒会室を出ると、廊下を歩いてきた近藤と行き当たる。  「ちょうどよかった、今忙しいかな? 芭蕉庵の資料のことで訊きたいことがあって」  「いいですよ。――ごめん馨、部長にちょっと遅れるって言っておいてくれる?」  「ん、わかった。じゃ、先行ってるね」  馨は、近藤にぺこりと会釈をすると、慎一に手を振って先に行く。    新学期2日め。今日から通常授業で、運動部最初の活動日。  ちょうど今から、馨と一緒に弓道場に行こうとしていたところだった。  「...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.22 Sat 00:07

水のない川 14

 球技大会の当日。  慎一は遅くなったかな?と少し慌てて応接室のドアを開けた。  「おはようー、水無瀬くん、今日もよろしくね」  ソファに腰掛けていた下川が小さく手を振った。  「おはようございます。こちらこそ、よろしくお願いします」  にこやかに言って、部屋に入る。  高嶋の会社からカメラマンとして派遣されてきている彼女は、高校生の息子を持つ2児の母で、小柄で少しふくよかな可愛いらしい女性だった。アラフィフとはとても思えない。  「水無瀬くんの体操服姿初めて見たみたかも。やだー、可愛い!...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.21 Fri 09:38

水のない川 13

 美味しそうなチョコが並ぶショコラティエは、店の前がオープンカフェになっていた。店の中は満席だったので、二人はテラス席に着く。  少し雲間が切れて日が差しはじめ、幾重にも重なった柔らかいシェードが日差しを遮り、風に揺れる。少し暑いけれど、心地よい風が吹き抜けていた。  冷たいチョコレートドリンクがあったから、慎一はそれを頼んだ。高嶋はいつものようにコーヒーだけど、小皿に載ったチョコレートが一粒添えられている。  高嶋は当然のように、小皿を慎一の前に滑らせた。コーヒーについてるチョコの種類は...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.20 Thu 11:12

水のない川 12

 「慎一くん。…怒ってる?」  都心の閑静な住宅街の中にあるそば屋で、天ざるを食べる慎一を伺いながら、高嶋がおずおずと訊く。  お昼ご飯は何がいいかと訊かれて、「そば」と答えたら連れてこられた。  朝から口数の少ない慎一に、びびってるらしい。  バスで最寄りの下界の町まで降りたら、そこから電車を乗り継いでお茶の先生の教室へ向かうのがいつもの交通手段だが、今日は町のバス停まで高嶋が迎えに来て、教室まで送ってくれた。  学校まで迎えに行くというのは断固として固辞した。離れたところで待ち合...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.19 Wed 10:21

水のない川 11

   「馨、夜眠れてる?」  顔色が悪いのが気になって、慎一はお稽古が終わってから馨に声を掛ける。  居眠りはいつものことだけど、お稽古中にうとうとしたのは初めて見た。  3年生になって慎一が部長になって、厳しい先輩はいなくなったし気が緩んでるせいもあるだろう。忙しい生徒会の仕事の合間を縫って部活にきてる馨だから、叱りたくはないけど。   「あ、…ごめんね、慎一。お稽古中に」  馨が申し訳なさそうに、首を竦める。  慎一は、怒ってるんじゃないよと、笑顔で言った。  「…誰かに、何...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.18 Tue 09:26

水のない川 10

 思ったより遅くなってしまった。  もう吉見は来ているだろうか――。慎一は急いで芭蕉庵に向かう。  ひと気のない露地へ続く木戸の前に、吉見は立っていた。  「吉見先輩! ごめんなさい、お待たせして」  部室とお茶室の鍵は、慎一が持っている。吉見は、木戸を開けて部室の方へ行こうとする慎一の腕を掴んだ。  「いや、ここでいいよ。すぐに済むから」  今日は天気も良くて、暖かい。此処には誰もいないから、外で構わないよと、吉見は待合の方へ慎一を促す。  屋根のある待合に、二人は並んで腰を掛けた。数寄屋...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.17 Mon 09:06

水のない川 9

 試験が終わると、また高嶋のデートしよう攻撃が始まったけれど、結局休みが合わずに、まだあれから会ってはいない。  今夜はまだ、おやすみのメッセージは届かない。       (声が、聴きたいな――)     高嶋からメッセージが届いても、慎一はすぐには開かない。そんなにまめにはチェックしないタイプなんだな、と思われるくらいの頻度で開き、最低限の返事を返す。    もともと、慎一はあまりラインに噛り付いているタイプではなかった。  だけど高嶋からメッセージが届くようになって、スマホは肌...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.16 Sun 18:55

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