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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
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花の下(水のない川・番外?)

   「おばあちゃん、店番代わるわ」    慎一は、店と居間を仕切るガラス戸を開けて、ショーケースを磨いている祖母に声を掛ける。     「なんえ? 珍し。別にかまへん。奥でゆっくりしときよし。おまん欲しかったら、もっていきや」    祖母が怪訝な顔をする。この家に帰ってきたときは家の手伝いは進んでする慎一だったが、常連さんの多いこの店の店番ををするのは苦手だった。祖母がお使いに行ってる間くらいしか店には立たない。慎一が店にいると、近所のおばちゃん達にあれやこれ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.04.10 Fri 11:29

やきもち焼きの恋人 ?(水のない川・続?)

   (これで、何回目だっけ…)     荒い息をつきながら、ぼんやりと慎一が思う。確か、夕方ベッドで2回、お風呂で1回。夜ベッドに入ってからは、もう数えられなくて。      結局食事中も、ずっとべたべたしてて、途中からは、食べるよりキスしてる時間の方が長かった気がする。借りてきた映画も見ず仕舞いで、デザートも食べずに、なし崩しにベッドになだれ込んでしまった。     もう眠いのに、高嶋とくっついていると気持ち良くて 離れたくなくて、肌を合わせていたいから、何も着たくない。 ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.03.26 Thu 17:25

やきもち焼きの恋人 ?(水のない川・続?)

     「あ、はぁっ、んっ、んん!」     「はぁ、…くっ」     ほぼ同時に達した。  高嶋が、慎一の揃えられていた足を伸ばして、お腹の上の二人分の白濁をティッシュで拭う。そして、慎一の顎まで飛んだどちらのものか分からない飛沫を舐めとった。  息が上がって唇を薄く開いたままの慎一にキスを落としてから、高嶋は隣に横たわる。  掛布団を掛けて、布団ごと慎一を抱きしめて、髪にもキスを落とす。慎一はぼうっとした頭のまま、高嶋の胸に頬を押し付ける。     (どうしよう…、め...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.03.26 Thu 17:25

やきもち焼きの恋人 ?(水のない川・続?)

   プロジェクター、なんて本格的なものは無かったけど。  テレビは大きなタイプだったので、普段小さな画面で見ている慎一には十分な大きさだった。  映画館気分を出そうと、カーテンを引いて部屋を暗くして、飲物を用意してから並んでソファに座る。慎一の前に買ってきたコーラを置いて、高嶋は冷蔵庫から缶ビールを取ってきた。     「ポップコーンとか、お菓子なくて良かったの?」     高嶋は言いながらプルトップを開ける。ロング缶だし。      「食べながらって集中出来ないから。飲物だけでい...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.03.26 Thu 17:25

やきもち焼きの恋人 ?(水のない川・続?)

   『今週末、休みが取れたよ。』    …急だよね。  慎一は、ラインを見て固まった。学院祭以降、高嶋が頑張ってスケジュール調整しているのは知っていたが、1日だけならともかく土日連休なんてそんなに早く取れると思っていなかった。     (必死か…)     嬉しいけど、複雑というか、いや嬉しく無い訳ではないけど――。     「慎一?」     今日は運動部の活動日。練習が終わって部室で着替え中の馨が、スマホを手に固まった慎一を振り返る。ここはロッカールームの一番端っこで。...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.03.26 Thu 17:24

蘭灯 ?(水のない川・続?)

    「はー、どっちにしろ、卒業までは辛いな」  僕を抱き寄せたまま幸成さんが呻く。  「どっちにしろ?」  「エッチは我慢するとしても、そうしょっちゅうは会えないしね。なかなか休み合わないし、寮は門限あるし。夜ちょっとだけでもって思うけど、遠いからねー、ここ。仕事終わってからだと、門限に間に合わないし」  そう、ここって田舎だから、幸成さんの会社とか家とかからは、かなり遠い。九条のおじい様の家と同じくらい離れてる。  「愚痴っても、仕方ないけどね。ま、こうやって仕事で来たりもするし、そし...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.22 Sat 12:47

蘭灯 ?(水のない川・続?)

 9月の最終週の木曜日。明日は、3年生になって迎える最後の学院祭だった。  馨の生徒会長としての最後のお仕事で、今年は茶道部のお茶会には出られない。それは分かっていたことだけれど、なんとなく寂しい気持ちは拭えなくて。前日の準備に忙しい馨を、取るに足らない用事で呼びつけてしまったり。  着物選びを手伝って貰って、お茶券を渡して、御堂たちとお茶してもらって、――休憩できたと喜んでは貰えたけど、彼らは慌ただしく帰っていった。  柄にもなく、なんだか寂しくて落ち着かないのは、きっと――。    ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.22 Sat 12:46

水のない川 15 【完結】

   「水無瀬くん」  放課後、馨と話しながら生徒会室を出ると、廊下を歩いてきた近藤と行き当たる。  「ちょうどよかった、今忙しいかな? 芭蕉庵の資料のことで訊きたいことがあって」  「いいですよ。――ごめん馨、部長にちょっと遅れるって言っておいてくれる?」  「ん、わかった。じゃ、先行ってるね」  馨は、近藤にぺこりと会釈をすると、慎一に手を振って先に行く。    新学期2日め。今日から通常授業で、運動部最初の活動日。  ちょうど今から、馨と一緒に弓道場に行こうとしていたところだった。  「...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.22 Sat 00:07

水のない川 14

 球技大会の当日。  慎一は遅くなったかな?と少し慌てて応接室のドアを開けた。  「おはようー、水無瀬くん、今日もよろしくね」  ソファに腰掛けていた下川が小さく手を振った。  「おはようございます。こちらこそ、よろしくお願いします」  にこやかに言って、部屋に入る。  高嶋の会社からカメラマンとして派遣されてきている彼女は、高校生の息子を持つ2児の母で、小柄で少しふくよかな可愛いらしい女性だった。アラフィフとはとても思えない。  「水無瀬くんの体操服姿初めて見たみたかも。やだー、可愛い!...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.21 Fri 09:38

水のない川 13

 美味しそうなチョコが並ぶショコラティエは、店の前がオープンカフェになっていた。店の中は満席だったので、二人はテラス席に着く。  少し雲間が切れて日が差しはじめ、幾重にも重なった柔らかいシェードが日差しを遮り、風に揺れる。少し暑いけれど、心地よい風が吹き抜けていた。  冷たいチョコレートドリンクがあったから、慎一はそれを頼んだ。高嶋はいつものようにコーヒーだけど、小皿に載ったチョコレートが一粒添えられている。  高嶋は当然のように、小皿を慎一の前に滑らせた。コーヒーについてるチョコの種類は...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.20 Thu 11:12

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