[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
車がダーチャに到着すると、庭の手入れをしていたトニーが「あ!」と顔を上げて手を振ってきた。 「トモ!久し振り!勉強はどう?はかどってる?」 「うん!トニーさん、バラ、すっごい綺麗だね!」 「だろ!?」 トニーは「やっと見て貰えたよ!」と、ご自慢の『バラの盛りの庭』を前にご満悦の顔をした。 「待ってて、もう少し手入れをしたら俺も中に入るから」 「手伝うよ!」 「ほんと?ありがと、トモ!」 麦わら帽子に軍手と長靴、綿シャツにジーパンというトニーが、泥だらけの顔で子供のように笑う...
真昼の月 | 2020.04.27 Mon 08:07
バラの盛りの頃に来てくれ、というのは、トニーの口癖なのかもしれない。長野県。軽井沢にほど近い山間の『ダーチャ』から帰る時、トニーはいつも「次はバラの盛りの頃に来てくれ」と言うのだ。 そう、春に行っても、夏に行っても。 それだけ、高原のバラの盛りに狙いを定めるのは難しいのだろう。 春休みに行けば、軽井沢よりも高所にあるダーチャはまだ寒く、ゴールデンウィークでも「まだ早い」と言われ、夏には「今は谷間だから秋に来て!」と言われる。そのくせ、もうバラの終わる頃になると「冬はスキーやス...
真昼の月 | 2020.04.26 Sun 08:06
皆様!お久しぶりでございます!!イヌ吉です!! このような時期でのご挨拶となりますが、皆様お元気でいらっしゃいますか? ワタクシはこの時期に毎年やってくる咳喘息で、「今そんな咳してたらやばいって!!」と焦りまくり、必要以上に薬を飲んでしまって、先生に「この程度だったらもう喉飴で大丈夫だから!」と怒られたりしておりました💦(春先になりますと、結核を疑われるほどの咳が出るのですよ💦) そんなこんなでまたもやすっかりblogをお休みさせていただいたお...
真昼の月 | 2020.04.25 Sat 22:49
ここは「結晶」シリーズ「薔薇の盛りの頃に」の目次です。 結晶シリーズ目次はこちらになります。 ※ 章立てはしていませんが、大体の目安にサブタイトルをつけています。それから、話の切れ目がページの途中に来ているときもありますので、ご了承下さい。 ※ 名簿を作りました。良かったら参考にしてください。 「薔薇の盛りの頃に」 是枝との結婚式を挙げるために、ダーチャに招待された宮嶋と是枝。 「結婚式の前にやり残したことはないの?」バチェラーパーティーでそ...
真昼の月 | 2020.04.25 Sat 22:40
いつもの見慣れた日常の中で、いつもと違う風景を目にした時、人は一体どんな反応をするものだと思う? まず、驚くよな?うん、それは俺も同じ。 問題はその次だ。 大声を出す?固まってその場に立ち尽くす? 俺は完全に後者だ──…。 今まさに、俺はそんな戸惑いの中にいた。 夜10時過ぎにようやく仕事を終え、初夏の心地良いはずの夜風すら邪魔に思えるほど疲れた身体を引きずりながら、自宅であるマンションへと辿り着いた俺は、オートロックの扉の前で中を覗き込むように立っている男を凝視したまま、立ち尽くして...
駄文倉庫 | 2020.04.24 Fri 21:40
(リーマン/同い年/へたれ攻/切ない/性描写有) 木本 祐輔(きもと ゆうすけ)/24歳×鳴海 佳宏(なるみ よしひろ)24歳 ■初恋(2009.2.26/本編25話完結) 12年ぶりに再会した、半年間だけ同級生だった初恋の相手。 思いがけない再会に祐輔は戸惑いながらも、忘れる事ができなかった想いを溢れさせる。 しかし彼には、12年前に語られなかった真実があった──… 幼い頃に抱いた初恋をテーマにした、大人の切ない恋愛ストーリー。 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15 16/17/18/19/20/21/22/23...
駄文倉庫 | 2020.04.24 Fri 21:40
「おばあちゃん、店番代わるわ」 慎一は、店と居間を仕切るガラス戸を開けて、ショーケースを磨いている祖母に声を掛ける。 「なんえ? 珍し。別にかまへん。奥でゆっくりしときよし。おまん欲しかったら、もっていきや」 祖母が怪訝な顔をする。この家に帰ってきたときは家の手伝いは進んでする慎一だったが、常連さんの多いこの店の店番ををするのは苦手だった。祖母がお使いに行ってる間くらいしか店には立たない。慎一が店にいると、近所のおばちゃん達にあれやこれ...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.04.10 Fri 11:29
(これで、何回目だっけ…) 荒い息をつきながら、ぼんやりと慎一が思う。確か、夕方ベッドで2回、お風呂で1回。夜ベッドに入ってからは、もう数えられなくて。 結局食事中も、ずっとべたべたしてて、途中からは、食べるよりキスしてる時間の方が長かった気がする。借りてきた映画も見ず仕舞いで、デザートも食べずに、なし崩しにベッドになだれ込んでしまった。 もう眠いのに、高嶋とくっついていると気持ち良くて 離れたくなくて、肌を合わせていたいから、何も着たくない。 ...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.03.26 Thu 17:25
「あ、はぁっ、んっ、んん!」 「はぁ、…くっ」 ほぼ同時に達した。 高嶋が、慎一の揃えられていた足を伸ばして、お腹の上の二人分の白濁をティッシュで拭う。そして、慎一の顎まで飛んだどちらのものか分からない飛沫を舐めとった。 息が上がって唇を薄く開いたままの慎一にキスを落としてから、高嶋は隣に横たわる。 掛布団を掛けて、布団ごと慎一を抱きしめて、髪にもキスを落とす。慎一はぼうっとした頭のまま、高嶋の胸に頬を押し付ける。 (どうしよう…、め...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.03.26 Thu 17:25
プロジェクター、なんて本格的なものは無かったけど。 テレビは大きなタイプだったので、普段小さな画面で見ている慎一には十分な大きさだった。 映画館気分を出そうと、カーテンを引いて部屋を暗くして、飲物を用意してから並んでソファに座る。慎一の前に買ってきたコーラを置いて、高嶋は冷蔵庫から缶ビールを取ってきた。 「ポップコーンとか、お菓子なくて良かったの?」 高嶋は言いながらプルトップを開ける。ロング缶だし。 「食べながらって集中出来ないから。飲物だけでい...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.03.26 Thu 17:25
全1000件中 411 - 420 件表示 (42/100 ページ)