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ヴーー…という振動と共に、アラームが鳴り響く。 「ん〜…んんんっ…」 モソモソと布団の中から手を伸ばし、枕元に置いてあった携帯を手にとりアラームを解除した。 「寝起きの顔はひどいな」 まだボーッとする意識の中、不意に聞こえてきた笑い声に一気に意識が覚醒した。 ガバッと起き上がった俺を、ベッドサイドで膝立ちしながら覗き込んでくる、鳴海の笑顔が迎えてくれた。 「あ……」 夢なんかじゃない。 俺は昨夜、12年振りに再会した初恋の人『鳴海 佳宏』と、会って一時間もたたない内にセックスしてしまっ...
駄文倉庫 | 2020.05.16 Sat 21:46
◇◇◇ ◇◇◇ ウェディングパーティーは大盛況のうちに終わった。美しいガーデン。両角の作る蕩けるように美味しい料理。芳醇なワイン。楽しい会話。冷やかしの声に、幸せな笑顔を出し惜しみすることのない、美しい2人の新郎。 いつまでも名残惜しく2人と話をしたがる客達を、Mr.オーガスタが「そろそろ新郎同士を2人きりにしてあげなければ」と引き離す。このコテージは一日4組しか宿泊できないが、今日は集まった招待客の為に、夜遅くまでホールやガーデンを解放するという。 ジェイクやトニーはそ...
真昼の月 | 2020.05.16 Sat 09:20
◇◇◇ ◇◇◇ コテージの中にしつらえられた、美しい宝石のような図書館の中。外の喧噪が嘘のように、そこはひっそりとしていた。 さっきまでは宮嶋と仲の良い連中が顔を出して、式に挑む宮嶋に軽口を叩いていたのだが、そろそろ式が始まるから参列者は外へ、とトニーが声を掛けに来て、今図書館の中には宮嶋と大竹、2人だけだった。 「啓介、時間だ」 「うん」 大竹が促すと、宮嶋はすくっと美しい姿勢で立ち上がった。 純白のカクテルスーツに身を包んだ宮嶋を、大竹は感慨深そうに見つめた。 「お前...
真昼の月 | 2020.05.15 Fri 08:02
◇◇◇ ◇◇◇ 翌日は雲1つない晴天だった。高原に建つ美しいコテージには、日本を代表する政財界の大物が集まっている。 「是枝君、おめでとう!」 「早く美しい花嫁の姿を見たいのに、もったいつけているな?」 花びらの舞い散るガーデンで、新郎である是枝は駆けつけてくれた友人達に囲まれ、いつもよりも華やかな笑顔を浮かべていた。 「とうとう是枝君も人の物か!」 「あの是枝君がねぇ」 「おいおいやめてくれよ。昨日もヤキモチを焼かれて大変だったんだから」 「お、惚気か?へぇ、あの宮嶋君がねぇ...
真昼の月 | 2020.05.14 Thu 08:03
「なんか…変な感じ…」 抱きしめた腕の中にすっぽりと納まる汗ばんだ額にそっと口付け、愛撫するように優しくその髪を梳けば、俺の背に手を回した鳴海が小さな呟きを落とす。 「何が?」 呟いた鳴海の声に、そっと顔中に降らせる口付けを止めないままに問いかければ、それまで真っ直ぐに向けられていた瞳が不意に逸らされ。 その視線を追いかけるようにして覗き込んだ俺に、照れくさそうに頬を赤らめた鳴海がまたポツリと呟きを漏らした。 「さっきは変わってないって言ったけど……あれ訂正」 「え?」 「なんかおまえ、...
駄文倉庫 | 2020.05.13 Wed 21:12
「これから先も、お父さんとして不出来な息子を見守って下さい」 「ああ、お前が是枝さんとくだらないケンカした時、叱ってやる奴や逃げ場を提供してやる奴も必要だろうしな」 「はは、ほんと、お前マジでお父さんだな」 それから、2人は暫く黙って湖を見ていた。親子連れやカップルが目の前を楽しそうに歩いている。色々とデートスポットもある湖だが、2人はただベンチに座って目の前の湖を見つめていた。 こうして何もない時間を大竹と2人で過ごすのも、きっとこれが最後だろう。そう思うと、この時間が何だか&hellip...
真昼の月 | 2020.05.13 Wed 08:11
「なんか、あの頃が一番青春って感じだったなぁ」 「そうか」 「ああ。今回バイクの話になるまでは忘れてたんだけど、バイクもさ、やっぱ少しは憧れたんだよ、俺も。ほら、高校生くらいの時って、みんな1度は憧れるだろ?」 でも大学に入ってからは、塾講のバイトにばかり夢中になって、免許を取りに行く時間なんてなかった。もちろん、宮嶋には経済的な理由もあった。 「だからさ、今日はバイクに乗せてもらえて良かった」 宮嶋が嬉しそうに笑うと、大竹も小さく笑った。 「……これから先、俺は1人...
真昼の月 | 2020.05.12 Tue 08:04
「……で、なんでいきなりバイクなんだ?なに?何かあったのか?是枝さんとそんな気まずいことになってんの?」 「いや、まぁ、過去の男性関係でちょっとケンカになりかけたら、設楽君が気を利かせてくれてね?まぁ、とりあえず乗せてもらって良い?」 「あぁ…?」 そのまま宮嶋はトニーの指示でメットを被り、バイクにまたがった。CBRのタンデムシートは少し高い位置に付いている為、後ろに乗ると思ったよりも視線が高く、大竹の背中にしがみつくような形になる。 「ちょっと前傾気味になるから乗...
真昼の月 | 2020.05.11 Mon 08:07
「ん?どうした?」 「いや、なんでもないよ!」 思わず設楽の声が大きくなる。ニヤニヤと大竹に何か言おうとするダグラスとトニーの足を、テーブルの下で誰かが蹴飛ばしたようだ。 「リャングー、ワンカートン買ってきたから、ここにいくつか置いておけよ」 「サンキュ、シェンイェ。助かった」 大竹から煙草を受け取ると、ダグラスがわざとらしく宮嶋と是枝に視線をやる。その視線を追って二人を見た大竹は、是枝に覆い被さるように座っている宮嶋に、不思議そうな顔をした。 「なんだ?ケンカか?」 「昔の恋バ...
真昼の月 | 2020.05.10 Sun 08:04
「じゃ、せっかくだから明日式を挙げるお2人のお話でも伺いましょうか。ケースケはどういう心境の変化で年貢を納める気になったの?」 「ダグラス!」 ダグラスの言い方にジェイクのこめかみに筋が浮くが、是枝は笑って「大丈夫だよ」とジェイクを宥めた。 「あれ?ひょっとして、そういう楽しい話は俺が来る前に終わっちゃった?」 「いや、そうじゃないけど……」 ちらっと設楽が宮嶋を見ると、宮嶋は思いっきり顔を歪めて、「あんまり言いたくないんだけど……」と是枝を見た。 それ...
真昼の月 | 2020.05.09 Sat 08:06
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