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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
※ R-18作品には必ず分かるように明記しましょう。
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作者のブログへ:「yamiebi」さんのブログ
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fragile[6]

   「ふん。渋谷に来んのに、いちいちおまえらの許可がいんのかよ…。ざけんな!」  伊豆はそばにあった灰皿スタンドを、彼らに向かって蹴り倒した。  「てめえっ!」  彼らの一人が殴りかかってきたのを、伊豆は避けながらも男の襟首を掴んで、その男の腹に思い切り膝を突き上げた。つぶされた蛙のようなくぐもった声を漏らして、崩れ落ちたところを、蹴り飛ばす。  伊豆の容赦のない殴打に怯んだのか、彼らは仲間が自分たちの方へ転がってきてもなお、動けずにいた。  だが数では自分たちの方が勝ってい...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.14 Sun 20:17

ロミオとジュリエット 47

                     登場人物プロフィールはこちら                     主人公東郷の邸宅   私が毒を盛られた事件は、刑事事件ではなく、裁判を起こす場合は民事訴訟扱いとなった。 つまり私が、被害を被ったと毒を盛った相手に損害賠償請求しない限り、保証も何も発生しない。 私個人が、どうやって犯人を探し出せるというのだ? テレビ放送中の出来事であり、視聴者やファンの間でも憶測を呼び、ネットでもこの怪事件でもちきりだった。 しかし、不思議とテレビや新聞で...

大人のためのBL物語 | 2019.07.14 Sun 15:54

fragile[5]

   「瑞穂さん、お帰りなさい。お夕食は?」  午後九時を過ぎて帰宅した瑞穂に、華名子はいつもと変わらない様子で声を掛ける。この何日間か夕食の時間に間に合わない日が続いていた。瑞穂の帰りは日に日に遅くなりつつあった。  自分の部屋へ上がろうと、そっと居間の横の廊下を通っていた瑞穂は、仕方なく立ち止まった。  「ごめんなさい。遅くなって…」  「そうね。お腹すいたでしょう? 食べていらしたの?」  「ううん」  華名子は置いてある瑞穂の夕食の用意をしにダイニングへ向かいながら、言...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.14 Sun 10:19

fragile[4]

 次の日、瑞穂が学校へ行くと、珍しく伊豆はもう席についていた。  教室に入ってきた瑞穂に、クラスメイトが近寄ってくる。休んでいた自分のことを心配してくれていた級友に答えながらも、瑞穂は早く、伊豆の近くに行きたかった。伊豆の前の自分の席に。ようやく自分の席にたどり着いた瑞穂は、伊豆に声を掛ける。  「おはよう」  「…おはよう」  ぶすっとした表情のまま、瑞穂の方を見もしないで、それでも伊豆は小さく答えた。  その日、授業をサボることもなく伊豆はずっと瑞穂の後ろに座っていた。相変わらず...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.13 Sat 19:42

fragile[4]

   次の日、瑞穂が学校へ行くと、珍しく伊豆はもう席についていた。  教室に入ってきた瑞穂に、クラスメイトが近寄ってくる。休んでいた自分のことを心配してくれていた級友に答えながらも、瑞穂は早く、伊豆の近くに行きたかった。伊豆の前の自分の席に。ようやく自分の席にたどり着いた瑞穂は、伊豆に声を掛ける。  「おはよう」  「…おはよう」  ぶすっとした表情のまま、瑞穂の方を見もしないで、それでも伊豆は小さく答えた。  その日、授業をサボることもなく伊豆はずっと瑞穂の後ろに座っていた。...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.13 Sat 19:38

fragile[3]

   「瑞穂さん?」  朝、いつもの時間になっても起きてこない瑞穂の部屋のドアを、華名子がノックする。返事はなかった。瑞穂はいつも、起こさずとも時間になれば身支度を整えて下のダイニングに降りてくる。華名子は、そっとドアを開けた。  「瑞穂さん、どうかした? 具合でも悪いの?」  まだベッドに横たわったままの瑞穂の顔は蒼く、唇の端が切れて赤く腫れていた。  「瑞穂さん! どうしたの、いったい」  驚いて駆け寄る華名子の声に、瑞穂が目を開ける。  「お母さん…。ごめん、大丈夫だから...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.12 Fri 12:46

fragile[2]

   日曜の夕方、瑞穂は居間で、最近覚えたオセロゲームに夢中の美果の相手をしてやっていた。そこへ、お手伝いの茂子が入ってくる。  「だんな様は、書斎ですか?」  「うん、多分」  瑞穂が答える。さっきまでここにいたが、二階に上がっていったから、多分部屋で仕事をしているのだろう。  「お客さま?」  何の気なしに訊いた瑞穂に、  「ええ、バイク便の方を呼ばれたみたいですので、」  「僕が、行くよ」  茂子が言い終わらないうちに、瑞穂は立ち上がっていた。  「あ、おにいちゃまの番よ!」 ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.11 Thu 14:34

fragile[1]

 「おにいちゃん!」  赤いゴルフが、大学の通用門の前に停まっている。硬派な国立大学に似つかわしくない派手な格好の美果が、研究棟から出てきた瑞穂に向かって車越しに手を振っていた。  有吉瑞穂は、この大学の研究室に勤めている。年の離れた妹の美果は今年短大を卒業する予定で、そのまま4月からアメリカに語学留学することになっていた。  スリムのジーンズに、ブーツ。ラビットファーのブルゾン。ストレートの綺麗な茶髪は良く似合っていて可愛いが、ここでは浮いてるなあと、瑞穂は他人事のように思う。  瑞穂の...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.10 Wed 12:00

プラチナ[8]完結

   葵は、自分のマンションのベランダから外を眺めていた。ここは6階で、部屋の灯りはつけていなかった。そのせいか、遠い街の灯りがやけにきれいに見えた。  ここにはときどき、着替えや郵便物を取りに来たり、風を入れたりしにきてはいたが、なんだかもう自分の家とは思えなくなってしまっていた。   葵はズボンのポケットから、マルボロとライターを取り出す。つい持ってきてしまったけれど、残りはあと2、3本だ。きっと梶原は無くなっていることにも気付かないだろう。<BR>  一本銜えて、火をつける...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.09 Tue 14:05

プラチナ[4]

   そろそろ、本格的に春の訪れを感じさせるような日が続いている。三月も半ば過ぎ、その日は大安吉日の日曜日だった。夕方、慣れない礼服を着込んだ葵は、大きな紙袋を下げて帰った。  「ただいま」  出迎えて足にまとわりついてくる、クロに言う。すると、  「おかえり」  ソファで新聞を読んでいた梶原が答えた。出掛けているものと思っていた葵は驚いて振り向いた。フード付きのグレーのトレーナーに、黒いジャージのパンツというラフな格好。梶原は、落ち着いた物腰のせいかスーツの時は実際の年より上に見える...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.06 Sat 01:03

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