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ここ最近の忙しさと、何故か定着してしまった訪問者のせいで、あっちの方はご無沙汰だった。だから可笑しなことを考えてしまうのだと、自らの身に降りかかった不幸を笑い飛ばしてやりたかった。 どちらかと言えば淡泊な方だとはいえ、やはり人間定期的に欲は吐き出さないといけないのだ。そんな妙な実感と焦りの感情を持たされていた。 新学期が始まりひと月が過ぎ、ゴールデンウィークを過ぎた頃には仕事も少し落ち着きを見せ始める。 そんな頃、そういえばここひと月ほどあいつが来ないなということに思いを巡らせ、結局はこう...
駄文倉庫 | 2020.01.06 Mon 23:02
「本気だったんだけどなあ…」 聞き飽きたその言葉。 「毎回言ってるぞ」 「当たり前だろ?俺は、恋愛にはいつも全力投球なんだよ」 ニッと笑いながら堂々と言い放つわりには、こいつの恋愛スパンは短すぎる。 俺と知り合ってからのこの半年の間にだって、月に1、2度。多い時には週に一度、こうして顔を見せるのだ。 何をどう都合よく解釈しているのかは知らないが、初めて会ったあの日に、不本意ながら話し相手になってしまってからというもの、コータは失恋をする度にこの部屋を訪れるようになった。 それも...
駄文倉庫 | 2020.01.04 Sat 23:56
別にコータに言われたからではないが、手早くシャワーを済ませ部屋に戻り、あいつが戻ってくるまでと持ち帰った書類を取り出しかけた俺は、それと同時に聞こえてきた鍵の回される音にまたため息を一つ。 今夜は持ち帰った仕事に手を付けることは諦めようと、手渡された缶ビールを素直に受け取った。 そして、無言のままプルトップを開ける俺の横から、乾杯と缶を差し出してきたコータに形だけ付き合い、やはり無言のままで一口目を煽った。 「毎度のことながら、優しい言葉ひとつかけてくれようとしねえよな」 「毎度のことな...
駄文倉庫 | 2020.01.04 Sat 01:03
築3年。小洒落た真っ白な外観で、バストイレ別の南向き1Kアパート。 駅から徒歩15分かかるとはいえ、この条件で家賃が5万5千円というのは、かなりの好条件だと思う。 私立女子校とはいえ、安月給の高校教師という身分の俺にとっては、十分過ぎるほどの城。 教職に就いて5年目の春、担任を受け持っていた3年生の生徒たちの卒業を経験し、その感傷に浸る暇もなく、翌年度担任を持つクラスの準備に追われていた。 春休みなんてあるものか。生徒たちにとっては嬉しい春休みでも、俺たち教師にとっては毎日のように出勤し...
駄文倉庫 | 2020.01.01 Wed 23:45
皆様、明けましておめでとうございます!! 昨年は全然更新していないにもかかわらず、遊びに来てくださって本当にありがとうございました! 皆様からの足跡やポチを見るたびに「また頑張ってお話を書こう!」と決意を新たにする次第です!! お話は書いているのです💦 書いているのですが、今どういうスイッチが入っているのか、4つくらいのお話を同時進行で書いたりプロット練ったりしておりまして……今年はちゃんとそれらを形にして皆様にお目に掛け...
真昼の月 | 2020.01.01 Wed 00:02
無事体育祭も終わり、僕ら生徒会メンバーは食堂の指定席に集まる。 今日の夜の日替わりディナーは、みんな大好きロールキャベツ。仲良く全員日替わりにした。冬だけのメニューで、今季初だ。 ここの食堂はちゃんとしたシェフが何人もいて、その辺のレストランよりずっとクオリティの高い食事を提供してくれている。 その中でもこのロールキャベツは絶品なのだ。コンソメスープで煮こまれた柔らかいロールキャベツにコクのあるトマトベースのソースが掛かっていて、本当に美味しい。 大振りのロールキャベツが3...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.11.25 Mon 10:23
さっさと退場して、綱を片付けて、騎馬戦の準備に突入。息つく暇もないけど、このバタバタ感も楽しかったりする。 騎馬戦の最中はそれ以外の生徒は各自待機場所からの応援になる。もちろんこっちも応援の声は凄いけどね。 騎馬戦の騎馬の数は紅白それぞれ50騎。大掛かりな騎馬戦は聖ステファノ名物だ。 いくら広い校庭とはいえ、総勢100騎が一斉に戦うと大変なことになるので、紅白20騎ずつの総当たり戦。 始まりの合図とともに、20騎ずつ戦場(グラウンド)に出る。 ハチマキを取...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.11.25 Mon 10:20
午後イチは選抜リレー。各学年2名ずつ6人、紅白それぞれ3チーム出て6チームで競う。 生徒会メンバーでは廉と類が同じチームで出る。前会長の渕上さんも。 チームは同じ部で揃えるから、各部の精鋭が出場するし、部活対抗的な要素も入ってくるので応援にも一層熱が入って盛り上がる。リレーは花形種目だしね。 剣道部だけで2チームだから、本条も廉たちとは別チームで出てる。廉と類は二人とも紅組だし、敵だから応援できない建前だけど。 最下位だった廉たちのチーム、第4走者の類が2人抜...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.11.24 Sun 10:15
あと二日で体育祭という今日、ようやく衣装も出来上がったと御子柴さんからお知らせを頂いた。 「凄い数だったけど、間に合うもんだね〜。手芸部の人って、すごいな」 類が感心したように言う。 真面目に毎日手伝いに行ってた類曰く、最後辺り、お手伝い連中のいい加減な縫い目や飾りの縫い付けの適当なものは、手芸部員が片っ端から直しを入れて、鬼気迫るものがあったらしい。 「あいつら、プロだから」 要が笑う。 そうなんだよね。ステファノ祭のバザーの出品物も、手芸部の作...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.11.23 Sat 09:24
教室に戻って教科書を取ると、僕は生徒会室に向かう。 こんな気分のまま廉に会いたくなくて、思わずゆっくりとした足取りになってしまう。待たせてるのに。 思わずため息をついた僕は、よし!と声を入れて気合を入れ直すと、小走りに生徒会室へ続く廊下を進んだ。 「おまたせ! ごめんね、遅くなって」 勢いよく扉を開けると、廉と、渕上さんの姿が目に入った。 「渕上会長…」 「おかえり、いばら姫。僕はもう会長じゃないって云っただろ?」 いつものきらきら笑顔...
サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.11.22 Fri 08:54
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