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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
※ R-18作品には必ず分かるように明記しましょう。
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赤く光る海 26

「ああ、洗濯機は動きますね。乾燥機もいけるかな……。よし、じゃあ、チェックがてら洗濯しちゃいましょうか。洗濯物出してください」 「……慎也君、せっかく遊びに来たのに、ちゃんと洗濯するのか?」 「え?せっかく洗濯機や乾燥機があるんなら、ここで洗った方が後が楽じゃないですか?」  どうやら是枝もここではあまり洗濯する気はないらしい。宮嶋なら尚更だろう。  大竹と是枝が2人でこちゃこちゃと言い合いながらあちこち覗いているのを、設楽と宮嶋は何となく手持ち無沙汰にしながら、そ...

真昼の月 | 2019.09.13 Fri 14:08

Honey

   朝、目を覚ますと、目の前に房原の手があった。  (どうりでなんか、重苦しいと思った――)  牧瀬は、後ろから覆い被さっていた房原の腕を持ち上げると、ベッドを滑り降りた。  あれから頻繁にやってくるようになった房原は、いつの間にかちゃっかりこの部屋に居着いていた。べつにそれは構わない。問題は房原のデカイ図体が、一つしかないセミダブルのベッドの半分以上を占拠しているということだ。  寝つきも悪く眠りの浅いデリケートな牧瀬は、別に布団を敷くか、もう一つベッドを買おうとしたが、房原の強硬...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.09.12 Thu 20:15

プラチナ[5]

   頼まれた本を書庫に取りに行き、葵は埃っぽい書棚の間を往復する。必要な本をカートに移していく作業の途中、ふと自分の左手に目を留める。  冷たい輝きの、プラチナリング。  転属した初日からはめたまま出勤していたが、しばらくはそれについてだれも何も言わなかった。けれど何日か経ったある日、同期ではあったが、今まで同じ部署になったことのない岩島に初めて訊かれた。  「鵜川くん、いつの間に結婚したの?」  図書館勤務はもう二年目の岩島に、カウンター業務の説明を受けているときだった。葵の薬指...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.09.06 Fri 09:10

gift [13]

   翌朝、目が覚めた千尋は二階の自分の部屋から出て階段を降りる。  ご飯の炊ける良い匂いがした。  「おはよう」  目をこすりながら、降りてきた千尋に、  「やっと起きてきたわね。いいかげん起こそうと思ってたところよ」  静はご飯をよそっている。壁の時計を見るともう9時過ぎだった。  「母さん、今日も休み?」  「今日は準夜勤だから、3時位までは家に居るわ」  テーブルに並べられた朝ごはん。炊きたてのご飯と昨日の残りの味噌汁に、柔らかい出汁巻卵と、梅干し。胃に優しい...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.09.04 Wed 15:49

gift [11]

   昨夜、今年は早めに休みが取れたから明日帰ると、母には連絡を入れておいた。  大掃除を済ませてから帰省しようと早めに起きたが、並木の部屋以上に最低限のものしかない小さなこの部屋の掃除など、大して時間はかからなかった。  千尋は大学時代からずっと同じアパートに住んでいる。駅からは少し遠いけど、ここは会社と同じ沿線だったし、引っ越すのも面倒だったから。  本当はここは学生アパートなのだが、大家さんがいい人で、こんなボロアパートで良かったら卒業後もそのまま住んでいていいよと言ってく...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.09.02 Mon 12:36

お知らせ

gift第10話upしました。   JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.09.01 Sun 19:41

gift [9]

   「あれ、珍しい、ちーちゃん風邪引いたの?」  月曜日、おはよう〜と元気に出社してきた柴田が、マスクを掛けた千尋の顏を見てびっくりしてる。花粉症にも風邪にも無縁の、千尋のマスク姿を見るのは初めてだ。  「うん、ちょっとね。喉が痛くて」  笑って誤魔化す千尋に、柴田が心配そうに続ける。  「大丈夫? インフルエンザ流行ってるみたいだし、病院行った方がいいんじゃない?無理せず休みなよ」  「そうだね、午前中のアポだけ済ましたら、病院行ってくる」  「ただの風邪でもそのまま...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.08.31 Sat 18:06

gift [5]

   「母さん、そろそろ行くよ」 夕方、千尋はスーツを着て身支度を整えると、部屋で準備を始めたばかりの母親に声を掛ける。 「え、もういくの? まだ早いわよ」 「良いから着替えたら出てきて」 「ちょっと待って、もうちょっと」 そう云って、部屋の中で慌ててごそごそしている音がする。時間はまだあるが、そもそも化粧とかちゃんと出来るのかと、千尋は心配だった。普段は化粧なんて滅多にしない人で、髪もまとめやすいという理由だけで、ワンレングスのボブスタイル。いつも一つにひっつめていた。 やっと襖が...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.08.27 Tue 10:47

gift [3]

   「風邪ひくぞ」  テレビをかけっ放しでうとうとしていた千尋の頭を、くしゃりと並木が撫でた。  「んー。おかえりー」  伸びをしてソファから起き上がりながら、千尋が云った。いつの間にか部屋が暗くなっている。もう午後7時を過ぎていた。  並木が出掛けた後、溜まっていた洗濯や掃除をして、終わった後することもないのでソファに寝転んだままぼーっとテレビでを見ているうちに、眠ってしまっていたらしい。  「悪かったな、遅くなって。今からでもいいか?」  珍しく素直に謝る並木に、  「ん? ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.08.25 Sun 13:36

gift [1] 

   お昼のチャイムが鳴り終わったちょうどそのとき、社に戻ってきた彼を出迎えるように、同じ課の女子社員たちが一斉に立ち上がった。  「ちーちゃん、お帰り〜」  老舗の寝具メーカー、鷹山寝具の営業マン小林千尋は、女子社員の熱い出迎えに圧倒されながらも、笑顔で持っていた紙袋を差し出した。  「はいはい。お待ちかねの、チーズケーキ」  「きゃ〜ありがと。ちーちゃん」  嬉しそうに受け取って、早速給湯室へ切り分けに向かう一団。その後ろ姿に、千尋は思い出したように声をかけた。  「あ、俺の分...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.08.24 Sat 14:01

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