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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
※ R-18作品には必ず分かるように明記しましょう。
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プラチナ[3]

   「梶原くん」  営業部のフロア、梶原は廊下で支店長に呼び止められた。  「はい」  振り返った梶原に、支店長は愛想のよい笑顔で近づいてきた。  「この前のパーティ、ご苦労だったねぇ。おかげで得意先の評判も上々だよ」  「ありがとうございます」  先日、得意客を集めた懇親パーティがあり、その取り仕切りを梶原が任されていた。通常の業務で手いっぱいなのに余計な仕事を、と内心毒づいてはいたが、相手は大手の融資先ばかり、万に一つも失礼があってはならない。任された以上失敗するわけにはいかな...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.05 Fri 21:00

プラチナ[1]

JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML     「彼女に子供が出来た――」  口を開きかけた葵を遮るように、坂本はそう言った。  金曜の夜、オフィス街にある賑やかなカフェ。奥の席に向かい合って座った彼の口から、最後通告のように響いたその言葉。  葵は、何も言えずに黙って席を立った。  「すまない、許してくれ葵。すまない…」  坂本は俯いたまま、ただそう繰り返していた。結局彼は最後まで、真っ直ぐに葵を見ることなかった。  さよならも言えないまま、葵は彼に背を向けた。  外の冷たい空気に、思わ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.05 Fri 00:54

プラチナ[2]

   男の名は、梶原直人。大手都市銀行に勤める銀行員で、年は二十五歳、葵よりも三つ年下だった。行為のあと、見ず知らずの他人を家に一人にしていいのかと皮肉っぽく云った葵に、梶原は葵の上着のポケットから勝手に抜き取った名刺を見せる。  「鵜川葵、市役所の戸籍係。身元の確認は済んでるよ」  抜け目ない笑顔でそう言った。  結局その日一日中、そして次の日も、二人はベッドのなかで過ごした。  そしてそのままなし崩しに、葵は梶原の部屋に居着いてしまうことになる。  職場へは、梶原のマンションの...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2019.07.04 Thu 23:10

дача〜ダーチャ〜 21

「シギーさん、これは?」 「これはルバーブのジャム。これもセリョージャの手作りでね?」 「ルバーブ?」  設楽が初めて聞く名前に小首を傾げると、セリョージャが続きを引き受けた。 「ルバーブは、丁度今頃から収穫し始めて、秋頃まで採れるんですよ。日本の蕗を真っ赤にしたような植物でね。春先のルバーブは茎が太くてコンポートに向いています。もし興味があるようなら、一緒にコンポート作ってみるかい?」 「良いんですか?お願いします」  設楽が素直に頭を下げると、またダグラス達がニヤニヤとちょっかいを...

真昼の月 | 2019.06.23 Sun 12:27

дача〜ダーチャ〜 22

「でも『四三珈琲』って、面白い名前ですよね。どうして四三なんですか?」 「四谷○丁目だからですよ」 「え?あぁ!あはは、すごいネーミングセンス!誰がつけたんですか?」 「俺は親父がつけたって聞いてるけど……」  大竹が少し自信がなさそうに「だったよな?」とジェイクを見ると、ジェイクも「そう聞いてます」と頷いた。 「かなりお茶目な人でしたからね。でも裕一さんのコーヒーは、本当に絶品でしたよ」 「あ〜。俺、親父のコーヒー、ほとんど飲まずじまいだったわ。牛乳にコーヒー垂らした程度しか...

真昼の月 | 2019.06.23 Sun 12:27

光のさす方へ 26

 系列の頂点である小野田組は直参達が一枚岩となっている奇特な組だが、その下の者達は上の座を虎視眈々と狙い、1人でも多くの人間を引きずり降ろそうと火花を散らす敵なのだ。そういう目で見たとき、ヒロは金町の敵に回る。今のうちに潰しておきたいと、今迄はそう思っていた。  だが、この男を自分が預かるとなると話は別だ。  ヒロが来てから、奴のことは横目で見ていたが、この男は義理堅い。自分が面倒をみてやれば、その恩を忘れることはないだろう。奥沢のために組内での立場に窮する自分にとって、オヤジやカシラ...

真昼の月 | 2019.06.17 Mon 15:29

光のさす方へ 9

「ん?どうした?なんか訊きたいことでもあんのか?」 「いや、あの、俺もスーツとか着た方が良いんすか?」 「いや、別に制服がある訳じゃねえんだ。何でも良いぜ?まぁ、あんまりお坊ちゃま然とされると舐められるから、ある程度格好良くな?」  何でも良いがある程度格好良く……というのが、どのレベルの物なのか分からない。だって、ここにいる人達はほとんどブラックスーツなのだ。ネクタイがずいぶん派手な奴が多いが、これがこの事務局の「普通」なのだろう。 「あ〜、ヒロちゃんはホストスーツで良いん...

真昼の月 | 2019.06.17 Mon 14:02

コメントありがとうございます!!

皆様、コメントありがとうございます。 お返事はコメントをいただいた順に書いております。 先に書いていただいた方のリコメが下になっておりますので、もし自分へのレスがないな、と思われたら、下の方をググッとスクロールしていただけると嬉しいです。     イヌ吉拝     コメントの御礼が遅くれがちです💦大変申し訳ありません!!       08:08:れい様 コメントありがとうございます!! え!?恥ずかしい!?マジすか!ありがとうございます!!...

真昼の月 | 2019.06.10 Mon 20:43

赤く光る海 59(完)

「……だったらさ。俺達ばっかり招待されてもアレだからさ。是枝さん達のことも、招待しないといけないんじゃないのかな」  まぁ、招待するのは慎也であって、俺も招待される側なんだけどさ、と早口に付け足す。その口調は固く、どこか怒ってるようでもあった。  どこに、とは言わなかった。  大竹の大切な家族がいる、大切なあの場所。そこに、是枝と宮嶋を招待したらどうかと……設楽がそんなことを言うとは、思ってはいなかった。  ああ、なんという日。  その言葉は柔らかい木漏れ日と...

真昼の月 | 2019.06.07 Fri 08:02

赤く光る海 58

「そうですね。ちゃんと見張っていないと、斎和さん、メンテにお金のかかる家具を買いそうだから、家具は俺が選びますよ」    宮嶋の少々ツンが強めな発言に、是枝は「おや」と振り返った。 「じゃあ、あの別荘は買っても良いのかい?」 「だって斎和さん、俺が言っても聞かないでしょう?」    敢えてしかめ面をしてみせる宮嶋に、是枝は相好を崩した。 「そうか、良かった。正式に僕らの名義にしたら、またあの2人を招待しなくちゃね」  だが、その台詞には聞き捨てならないワードが混じってい...

真昼の月 | 2019.06.06 Thu 08:01

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