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「……金町は降格だ」 栄次が重く口を開くと、ヒロは反射的に叫んだ。 「やめて下さい!」 「ヒロ、オヤジの言(げん)に逆らうのか!」 「だって金町さんは何もしていないのに!」 叫ぶたびに頭がクラクラした。酸欠になっているのだろう。それでもヒロは叫んだ。自分のせいで金町が降格だなんて。それでなくても奥沢の件で金町の立場はかなり悪くなっているというのに、臆病だった自分の責任を金町が取らされるなんて! そんな事はヒロにとって、あってはならないことだった。だから、自分が喰っ...
真昼の月 | 2018.09.25 Tue 08:03
青白く、少しだけ細くなったヒロを心配し、少しでも話し相手がいた方が良いと思ったのだろう、衛は毎日のように学校帰りに病院に見舞いに来た。 衛が毎日ここに来れば、ここに誰かが入院していると宣伝しているようなものだと栄次は止めたようだが、どうせヒロの不在は組中に知れているのだから、入院していることを隠す方が不自然だと衛が宥め、その意見が勝ったようだった。 だが衛は四代目の弟であり、衛が来れば必ず栄次もついてくるのだ。お忙しいでしょうからとヒロが遠慮すると、衛は律儀に見舞いに来る日数を減...
真昼の月 | 2018.09.24 Mon 08:12
◇◇◇ ◇◇◇ 2、3日すると顔の腫れも引いてきて、辺りが大分見やすくなった。 この件は伏せられているらしく、病室を訪れるのは桐生と衛、栄次だけだ。ヒロは衛の護衛という仕事を投げ出してこんな所に寝ているのが心苦しいと言ったが、桐生は良いから早く体を治せとしか言わなかった。 若い体は回復も早く、1週間もするとヒロの体は大分回復した。食事も自分でとれるようになったし、トイレにも自分で行くことができる。 ヒロはもう退院しても良いんじゃないかと言ったが、さすがに折れた肋骨がもう少しな...
真昼の月 | 2018.09.23 Sun 08:02
主人公東郷のプロフィール 私には、サッカークラブがつけてくれた日本人秘書がいる。 小崎真(おざきまこと)35歳だ。 今夏、初めて私の元にやって来た。 ドイツで監督業だけしている時は、秘書などいらないが、私はその他の仕事が結構ある。 ドイツでCMに3本出演していたが、日本企業からも新たな打診が来た。 ファッション誌など、サッカー以外の取材も増えた。 私はあまり日本企業の広告には出たくないと考えている。 日本企業は何かと制約が多く、行動を狭められる。 ”契約期間中恋愛禁止”の結がまさにそうだ...
大人のためのBL物語 | 2018.09.22 Sat 21:14
「桐生。ヒロはお前の舎弟であってペットじゃねぇ。これで壊れちまうんなら話は中止だが、お前は奴に、壊れて欲しくはないんだろう?」 「……」 桐生は何か言い返そうとしたが、結局言葉が出てこなかった。 そんな桐生の肩を、栄次が小さく叩く。まるでそう……労るように。 元から、桐生が世話焼き体質であることは、栄次も重々承知している。桐生がヒロを拾ってきて、自分の部屋に住まわせたときも、またこいつのお節介が始まったかと思っていたのだ。いつものお節介……だ...
真昼の月 | 2018.09.22 Sat 08:01
すいません!今回、残虐なシーンは出てこないのですが、かなりグロい話をしています! 「痛いのは苦手!」「痛々しいのは苦手!」「可哀相なのは苦手!」という方もいらっしゃると思いますので、そういう方はその部分を読まないようにお願いします!! 今回、痛いのは前半で、後半は痛くないんですが次のお話に関係してくるので、痛いのが苦手な方は「こちらのボタン」を押して、痛い場所を飛ばして読んで下さい! 痛い場所は、主にヒロさんの症状の説明で、どんなことをされちゃったのか書いてあります💦 ...
真昼の月 | 2018.09.21 Fri 08:03
桐生がかつてこんな声を出したのを、ヒロは聞いたことがない。いつも飄々としている桐生が、大切な衛さんを相手に……。自分の為に、桐生が衛さんの不興を買ってしまう。だが、ヒロにはそれを止めることもできなかった。 「すいません、衛さん。今だけはコイツと2人にさせて下さい」 「いえ、俺が浅はかでした。ごめんなさい、ヒロさん、桐生さん。俺、席を外しますから、何かあったら呼んで下さい」 「ありがとうございます」 そうして人が外に出る気配がした。ドアがパタンと閉まる音。部屋の中はまた静寂...
真昼の月 | 2018.09.20 Thu 08:03
「……ひでぇ顔だな」 「兄貴……」 その声が桐生の物であることにホッとした。それから、ヒロは慌てて起きあがろうとしたが、やっぱりどうやっても体を動かすことが出来ない。 「良い、寝てろ」 「でも……すいませんでした。俺、衛さんの下校時間に間に合わなくて……」 そこまで口にして、ヒロの体がビクリと強張った。 そうだ。俺は、間に合わなくて……だって、だって俺はあの時…… 「あ……」 「ヒロ?」 「...
真昼の月 | 2018.09.19 Wed 08:01
◇◇◇ ◇◇◇ ぼんやりと、鳥の囀る声が聞こえた。高く、低く、可愛らしい声。あれは何の声だったろうか。 『さくら、あれはメジロだよ。春に鳴くんだ』 駈が指さす方を見ると、鶯色の丸々とした可愛らしい鳥が、ぴちゅぴちゅと愛らしい声を上げている。 「え?駈、あれ、ウグイスじゃねぇの?」 ヒロの声を、分かってないなと駈が笑う。 『確かにメジロとウグイスは似たような色してるけど、メジロは目の周りが白いからメジロって言うんだ。すぐに見分けがつくだろう?それにウグイスの鳴き声は日本で1番有名な...
真昼の月 | 2018.09.18 Tue 08:02
皆様!いつも「真昼の月」に遊びに来て下さり、ありがとうございます! 明日、9月18日は「日本ブログ村」のメンテが入っております! 0時から20時頃まで村の一部機能が止まるそうです!! 村ポチボタンなどは押せますし、押していただいた村ポチはストックされるのですが、新着情報などが更新されない可能性が高いです! ですが、新着情報に新着が載ってなかったとしても、明日もいつも通り「光のさす方へ」はアップいたしますので!! 明日、ブログ村からお越しの方...
真昼の月 | 2018.09.17 Mon 23:15
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