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たっぷり2時間は汗を流しただろうか。普通は、銃の反動で体の方が先に参る物だが、レースで鍛えられたヒロの体はいくらでもそれに耐えられた。 射撃場を出る前に、もう1度銃のメンテをする。毎回メンテをしていると言うと驚かれ、時村などは「俺のも任すわ」とおどける。自分の銃以外を預かるのはまだ少し怖いが、預けられれば、ヒロは黙々とメンテを行った。幼い頃からマシンのメンテをしていたし、少々の物なら車の修理も自分で行うヒロにとって、細々とした部品を弄るのはむしろ楽しい時間だった。 射撃場を出ると、...
真昼の月 | 2018.09.08 Sat 08:09
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML ※不妊問題についての記述があります。不快に思う方もいるかもしれません。 ですがあくまでも作中の主人公たちの考えですのでお許しください。 僕の家庭教師さま エピローグ(24) そんな頭ごなしに自分の遺伝子を引く子供なんて要らないなんて言って欲しくは無かった。 例え悠が今まで親の愛情を感じた事が無かったとしても、悠の遺伝子は次の世代に受け継がせるべきだと雫は強く思う。 そしてその子が生まれてきたら、雫は例え自分の子供じゃなく...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.09.08 Sat 07:22
だが、確かに桐生の言う通り、小野田本家の幹部達は穏やかで威厳に満ち、優しそうですらあった。大体、組長からしてそうなのだ。小野田組組長である四代目・小野田政義も、その片腕である筆頭組長補佐の吉井隆晴も、共にT大卒の秀才で、モデルのような風貌を一流のスーツに包んでいる。言われなければ、誰も彼らをヤクザとは思わないだろう。新進気鋭の青年実業家……そう言われればしっくりくるだろうか。 彼らは、ヒロの考えていたヤクザとはずいぶん様子が違った。ヤクザと言ったら……そう、真田...
真昼の月 | 2018.09.07 Fri 08:08
結(ゆう)と私は、まだ体の関係はない。この先、そう言う関係になって良いのかどうかまだ迷いがある。いくらなんでも、この恋は社会的反響を考えたら危険すぎる。だいたい、あの芸術品のような体で”男”を受け入れられるのか。彼と会ってから、彼の演目のブルーレイを購入してドイツの自宅で見た。結の見た目そのままの王子的な役割の白鳥の湖と、クラッシックバレエの常識を覆した原始的なエネルギーを表した火の鳥。火の鳥は、刺激的なリズムが炸裂し野蛮なバレエとまで言われたが、パリの観客には大盛況だったと解説文にある。彼は、...
大人のためのBL物語 | 2018.09.06 Thu 08:11
◇◇◇ ◇◇◇ それからのヒロの毎日は、これまでとはずいぶん変わった。 真田組の組長であり、小野田組の若頭でもある栄次の行動は、日中は常に衛と共にある。 衛の朝は早い。5時半には起きてきて、空手と剣道の稽古をしてから町内を走り、それから軽くシャワーを浴びて朝食を取り、8時前には学校へ向かう。だからヒロも2人のジョギングに間に合うように小野田本家に行かなければならない。その為に、朝の家事は免除となり、車も一台与えられた。 ヒロは一人で車に乗って本家に行き、少し離れた場所から車でつい...
真昼の月 | 2018.09.06 Thu 08:06
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(23) あのプライドの高い悠がそれさえ投げ捨て哀願してくれているというのに、それを無下に断る事など雫に出来るはずがない。 それを跳ね除けたら、悠の心が破綻する、そんな危惧さえ覚える。 悠が自分の気持ちを剥き出しにして告白してくれている姿に、雫も自分の気持ちを抑える事など出来なくなってしまった。 だが、愛人でもいいと言うのは雫の本心だった。悠の子供が見られるなら自分はただのセフレで...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.09.06 Thu 05:41
結(ゆう)と私は、まだ体の関係はない。 この先、そう言う関係になって良いのかどうかまだ迷いがある。 いくらなんでも、この恋は社会的反響を考えたら危険すぎる。 だいたい、あの芸術品のような体で”男”を受け入れられるのか。 彼と会ってから、彼の演目のブルーレイを購入してドイツの自宅で見た。 結の見た目そのままの王子的な役割の白鳥の湖と、クラッシックバレエの常識を覆した原始的なエネルギーを表した火の鳥。火の鳥は、刺激的なリズムが炸裂し野蛮なバレエとまで言われたが、パリの観客には大盛況だったと解説文に...
大人のためのBL物語 | 2018.09.05 Wed 16:09
「桜沢……ヒロだったか。なぁヒロ、俺はなぁ、前から栄次みたいなゴツイのがうちの可愛い衛のそばに貼り付いてるのが見苦しいと思ってたんだよ。だからな?こんなゴツイのは放って置いて良いから、うちの衛が安心して毎日可愛く健やかに暮らせるように、お前、衛と仲良くやってくれよ?」 「ちょっと兄さん!何言ってるんですか!」 冗談めいた兄の台詞に衛と呼ばれた少年は恥ずかしそうに兄を睨み、それからヒロに目を向けて、やや緊張したように微笑んだ。 「初めまして、小野田衛です。栄次さんの傍に...
真昼の月 | 2018.09.05 Wed 08:03
「ほら、ヒロ、しっかりな」 時村が背中をぽんぽんと叩いて、ヒロを車に押し込む。 「じゃあ、行ってきます」 ヒロはなんだか落ち着かない気持ちで頭を下げて、運転席のドアを閉めた。 助手席には桐生が座っていて、行き先は何度か行ったことのある「本家」だ。だが、いつもよりハンドルを握る手に少しだけ力がこもっていた。 あらかじめ連絡を受けていたのだろう、車の影が見えると同時に本家の門扉が大きく開いた。車回しで桐生を降ろしてから、指定されたスペースに車を停める。急いで玄関に向かうと桐生がそこ...
真昼の月 | 2018.09.04 Tue 08:01
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(22) 脳内の信号 微弱な電流 その電流がやがて『安らぎ』と言う信号に変わる。 それが悠の言う『恋』だの『愛』だのの最終進化形なのだ。 その形は確かに無いものだけど、悠が与えて欲しいと言うなら雫は幾らだってあげたいと思う。 雫だってそう思っていた。 お互いに一緒に居るのが当たり前で、一緒に居れば安心するし安らぎを感じる事だってあった。 悠は愛情表現が下手...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.09.03 Mon 12:17
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