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「お前に渡した拳銃は、誰かを弾くための物じゃない。オヤジと衛さんを守るための物だ。もしも2人に何かあれば、お前がその体を盾にして、2人を守るんだ」 「俺が、オヤジと息子さんを、守る……?」 「そうだ。これは誰にでもできる仕事じゃない。だが、うちのオヤジはずっと衛さんの警護に就いてきた。そのオヤジが、お前にならと言っている。この組にゃあ色んな野郎がいるけどよ。この仕事を任せられんのはお前1人だ」 その言葉は小さな光となって、ユラユラと明滅しながら、ヒロの中に降り注いできた...
真昼の月 | 2018.09.03 Mon 08:01
皆様、コメントありがとうございます。 お返事はコメントをいただいた順に書いております。 先に書いていただいた方のリコメが下になっておりますので、もし自分へのレスがないな、と思われたら、下の方をググッとスクロールしていただけると嬉しいです。 イヌ吉拝 09:30:そら様 コメントありがとうございます!! そうなんです。桐生さん、ヒロさんが女の子に行けばそうは言わなかったんでしょうが……そう考えましたね。 っていうか、今...
真昼の月 | 2018.09.03 Mon 07:54
2018年9月、東京でスポーツや芸術部門の優れた選手アーティストに贈られる功労賞の受賞パーティが行われた。 その会場に、ひときわ目立つ男がいた。 長身に漆黒の髪、黒いスーツと黒いシャツを装い、暗いグレーのネクタイを締めている。 物静かで、おいそれと話しかけるのをためらうような落ち着きと品格を放っている。 東郷悟(とうごうさとる)、42歳。 職業はドイツサッカーリーグの名門、ブラオミュンヘンの監督である。 W杯優勝を何度も経験したサッカー強豪国で、初めての日本人監督である。 60あるドイツのプロチー...
大人のためのBL物語 | 2018.09.02 Sun 09:23
また会いたいと・・・道ノ瀬結(みちのせ ゆう)は言った。 世界の違う友人が一人増えたと思えばいい。 東郷はそう考え、彼を記憶の片隅に追いやろうとしたが、どうにもあのしなやかな体が 手のひらに、体に、感触として残っている。 彼を送ったホテルの部屋の前で、ラインとスマホの番号を交換した。 道ノ瀬からLINEが早くも翌朝に来た。若者だけあって反応が早い。 「昨日は、ピンチを助けていただいてありがとうございました。 東郷さん、いつまで日本にいらっしゃるのですか?」 「9月第一週まです。夏...
大人のためのBL物語 | 2018.09.02 Sun 09:22
「……お前はさ、あの銃を持って、誰かを弾いて来いと言われるのかって思ってんのかもしれねぇけどな。あれは、そういうためのモンじゃない」 「え?」 では、何のための銃だ。銃は人を殺すための物だ。そうして自分はその扱い方を覚えろと言われている。 ああ、やはり自分はヤクザになったのだ。どんなにここが居心地が良くても、やはりこの人はヤクザで、自分はその世界に入ってしまった。もう後戻りはできないのだ。 そう思って背中を硬くするヒロに、桐生は優しく話し始めた。 「うちの…&hell...
真昼の月 | 2018.09.02 Sun 07:54
また会いたいと・・・道ノ瀬結(みちのせ ゆう)は言った。 世界の違う友人が一人増えたと思えばいい。 東郷はそう考え、彼を記憶の片隅に追いやろうとしたが、どうにもあのしなやかな体が 手のひらに、体に、感触として残っている。 彼を送ったホテルの部屋の前で、ラインとスマホの番号を交換した。 道ノ瀬からLINEが早くも翌朝に来た。若者だけあって反応が早い。 「昨日は、ピンチを助けていただいてありがとうございました。 東郷さん、いつまで日本にいらっしゃるのですか?」 「9月第一週までです。...
大人のためのBL物語 | 2018.09.01 Sat 16:21
2018年9月、東京でスポーツや芸術部門の優れた選手アーティストに贈られる功労賞の受賞パーティが行われた。 その会場に、ひときわ目立つ男がいた。 長身に漆黒の髪、黒いスーツと黒いシャツを装い、暗いグレーのネクタイを締めている。 物静かで、おいそれと話しかけるのをためらうような落ち着きと品格を放っている。 東郷悟(とうごうさとる)、42歳。 職業はドイツサッカーリーグの名門、ブラオミュンヘンの監督である。 W杯優勝を何度も経験したサッカー強豪国で、初めての日本人監督である。 60あるドイツのプロチー...
大人のためのBL物語 | 2018.09.01 Sat 15:51
「飲んどけ」 「ありがとう…ございま、す」 指震えてキャップが外せない。何度か格闘していると、桐生がキャップを外して渡してくれた。 水は常温で、トロトロと喉を流れて落ちていく。それは優しい温度で、ヒロの乾ききった体を潤してくれた。 「落ち着いたか?」 「はい…。すいませんでした」 「ああ。……今迄にもよくうなされていただろう?」 「あ……」 知っていたのか。そう思ったが、ヒロは小さく頷くに留めた。 「俺は放っておいた方が良いと言ったんだがな。...
真昼の月 | 2018.09.01 Sat 08:01
「これ……」 「そうだ。見たことくらいあんだろう?オヤジから、お前にチャカの使い方を教えるように言われている。そら、持ってみろ」 金町がエアパッキンに包まれた銃を差しだしてくる。ヒロはゴクリと唾を飲み、ソレに手を出すのを躊躇った。 「心配すんな。まだマガジンは入ってねぇよ。ほら、さっさと持て」 「あ…、はい……」 両手で受け取ると、それはずしりと重い。人の命を奪うための物だ。そう思うと、その塊は、なおさらに重かった。 「安心しろ。いきなりぶっ放せと...
真昼の月 | 2018.08.31 Fri 08:03
栄次が帰った後、ヒロの運転で2人は桐生の部屋に帰った。部屋に帰りながら、ヒロは桐生に栄次の話を聞いていた。 「桐生の兄貴と組長は、付き合いは長いんですか?」 「おう。中学の入学式で乱闘して以来だ。ま、俺達、ヤンキーマンガを地で行ってたからな」 桐生の昔話は面白かった。自分の知らない世界の話だからかもしれないし、桐生がとても楽しそうに話すからなのかもしれない。 自分は、駈とは学校は別だった。自分は東京で、あいつは静岡に住んでいたから、学校どころか県も違うし、当然共通の友達などもいな...
真昼の月 | 2018.08.30 Thu 08:01
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