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「ところが奥沢には最近、きな臭い噂がありまして」 「あぁ?」 「どうも野郎、北立川署のマル暴のSだったんじゃないか、と」 「ほお……」 警察と繋がって情報を流し、逆にこちらのお目こぼしを願うのは、ある程度昔からあることだ。だが、S スパイとなると話は別だ。 「野郎、そろそろヤバイと踏んで逃げ出したんでしょう。逃走資金に女まで連れて……どこの物見遊山かってんですよ」 桐生がそこまで告げると、広間の戸が開いて、金町が姿を現した。 「オヤジ…&hellip...
真昼の月 | 2018.08.23 Thu 08:02
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(17)★ ―確かに今は僕と言う人間に興味を持ってくれてると思う。 好きだって気持ちも本物だと思う。 でも悠と僕が一生添い遂げるとなると話は別だ。 悠は自分でも言っているけど『飽きっぽい』…と言うか興味がころころ変わる。 何かに一心に集中しているかと思えば、それが終っちゃうとあっさりその事には興味を失っちゃっている。 勿論それを中途半端に投げ出すわけじゃないけれど...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.23 Thu 05:07
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(16)★ 一ヶ月やそこら悠から遠ざかっていようと雫が悠の愛撫を忘れるはずも無かった。 散々悠によって馴らされ、悠が与えた性的刺激をすべて快感として受け入れてしまう雫。 そうなるように悠が仕向けた事だとしても、ここまで自分と相性が良い身体は雫以外無いと常々悠は思っていたのだった。 三枝との記憶を上書きしてやろうと思って雫を抱いたが、もはやそんな事で雫を抱いた自分を忘れるくらい、...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.22 Wed 13:27
こうして部屋の1番後ろで立っていると、男達の様子や立場がよく見える。 小野田組若頭の組である真田組は、小野田という組織の中でも上位に位置する組だ。その中にいる男達が、組の人事レースにどう関わっているのか、ヒロは知らない。 だが、ここの所の流れを見ていれば、分かってくることがあった。 若頭というのが、時期組長に与えられる肩書きであると覚えたのは、ここに来てからだ。つまり、小野田の組長に何かあれば、次の組長になるのが真田組組長でもある若頭の真田栄次だ。そして真田栄次が小野田の代紋を...
真昼の月 | 2018.08.22 Wed 08:01
◇◇◇ ◇◇◇ 事務所に戻ると、奥沢が捕まったという報告を受けたらしい金町派が続々と集まっていた。その中には、溝口の姿も見える。 金町やその下の者達はどこぞの小部屋に奥沢を押し込んで、「事情聴取」の最中らしい。 ヒロはまずいつもの事務局に顔を出したが、そこはもぬけの殻だった。組の連中はみな和室の大広間に集まり、事の成り行きを見守っている。準構成員だとか非構成員だとか……もちろん、溝口達のような下っ端は、皆別のフロアで銘々に集まり、そちらの様子を伺っているようだ。 自分...
真昼の月 | 2018.08.21 Tue 07:38
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(15) 悠は雫の前髪に指を差し入れ、優しく後ろに髪を剥いた。 雫は堪らなくなって、鳴咽をあげて泣き始めた。 本当はそんな残酷な事を悠に言うつもりは無かった。 だが悠に自分を諦めさせる為に、あえてきつく言い放たなければならないと、心を鬼にして言ったつもりだった。 それなのにやはり悠の孤独を考えると、堪えきれなくなって涙が零れる。唇からは声にならない嗚咽があがり、 心は締め付けられ痛かった。 ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.21 Tue 06:01
◇◇◇ ◇◇◇ 組事務所に戻ると、ヒロは車を修理屋に持っていくように言われ、すぐにそちらへ向かった。 向かった先は個人経営の修理場で、表には何台もの車が修理を待って、行儀良く停められている。 桐生の車は工場の奥へ動かすように指示された。そこには他の車の姿は見えず、表にはいなかったひょろりと背の高いオヤジが1人立っていた。オヤジは「自分のことはおっさんって呼べよ」とだけ言うと桐生の車のへこみをぽんぽんと叩き、「桐生さんの車にしちゃ、今日は軽いな」と頷いた。 「すぐ何とかしちゃうからっ...
真昼の月 | 2018.08.20 Mon 08:01
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(14) 悠にお前に俺の気持ちなんか分るかと言われた雫だった。 だがその気持ちは、悠と肌を合わせるようになってから、時々雫にだけはなんとなく伝わっていた想いでもある。 言い知れない悠の家族に対する嫌悪感と怒りは、自分の抱える孤独と表裏一体のもののように感じていた。 その家族に対する嫌悪感の裏にこそ、強い家族というものへの憧れが隠されているように雫には感じていたのだった。 そしてそ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.20 Mon 06:06
「奥沢。もっと良い所に連れっててやるよ。今度は俺とドライブとしゃれこもうぜ?」 阿鼻叫喚の形相でわめき立てる二人をベンツの後部座席に押し込むと、時村は「事後処理をしておきますんで、俺はここに落としていってください。終わり次第そちらに向かいます」と言いながら携帯を取り出した。 「分かった。おう、ヒロ。本家はやめだ。事務所に戻れ」 「はい」 後部座席は騒がしいからと、桐生が今度は助手席に乗り込んできた。窓を開けて時村に指示をいくつか出し、最後に「周りの学生さん達に怖がらせて悪かったと謝...
真昼の月 | 2018.08.19 Sun 14:57
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(13) 雫の頭の中でかつてないほどのスピードで、今までの悠との出来事がぐるぐると走馬灯のように回っていた。 学年一、頭の良い悠に勉強のやり方を聞こうとして声を掛けた事から始まった二人の関係だった。 今思えばものすごく間抜けな事を質問をしたと赤面するしかないが、あの時はとにかく成績も崖っぷちに立たされ必死の雫だった。 帰国子女に在りながら、一般入試の人間を押し退けてトップで難関校と言...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.19 Sun 08:54
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