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系列の頂点である小野田組は直参達が一枚岩となっている奇特な組だが、その下の者達は上の座を虎視眈々と狙い、1人でも多くの人間を引きずり降ろそうと火花を散らす敵なのだ。そういう目で見たとき、ヒロは金町の敵に回る。今のうちに潰しておきたいと、今迄はそう思っていた。 だが、この男を自分が預かるとなると話は別だ。 ヒロが来てから、奴のことは横目で見ていたが、この男は義理堅い。自分が面倒をみてやれば、その恩を忘れることはないだろう。奥沢のために組内での立場に窮する自分にとって、オヤジやカシラ...
真昼の月 | 2018.08.27 Mon 08:01
「金町」 「はっ」 ここで自分に声が掛けられるとは思っていなかっただろう金町が、慌てて頭を下げた。 「ヒロを1ヶ月で使えるようにしろ。チャカの使い方も教えておけ」 「は…?俺がですか……?」 まさか、そんな事を言われるとは思っていなかったらしく、金町は間抜けな声を出した。ここに自分が残されたのは、今後のこと……降格とか、賠償とか、落とし前とか、そういう処分を言い渡される為だとばかり思っていたのだ。 自分の部下のしたことのでかさに寒気がする。もしもこ...
真昼の月 | 2018.08.26 Sun 08:02
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(19)★ 「まだわかんないのか?」 「わかんないよぉ!!!」 「だから身体の相性がいいって言ってんだろ!…ハァハァ…これでもう…わかっただろ?」 悠も息が絶え絶えだった。 それもそのはずで、さっきからこれのずっと繰り返しなのである。 いくら雫が人より感じやすいとはいっても、必死に快感から逃れようともがき続けられたら絶倫を誇る悠だって危うくなりそうだった。 今まで雫が...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.25 Sat 09:18
「ヒロ、お前、元プロのレーサーだって?」 「は、はいっ」 「……ああ、だからその動体視力なんだな……?」 栄次は何かを考え込むような顔をして、それからもう一つ質問を投げてきた。 「おい、レーサーってのは、あのスピードで走ってて、サインボード、マジで読んでるのか」 「ああ、はい。無線ももちろんあるんですが、結構聞こえづらいんです。基本的にトラブルとかがあったときはシグナルが出るんですが……ピットボード、あ、いえ、サインボードは必ずチェックします。無線よ...
真昼の月 | 2018.08.25 Sat 08:09
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(18)★ 悠が何かに夢中になる時はぐんと集中力が増す、そしてその難問が解けるまでは他の事などそっちのけになってしまう傾向があった。 ただその難問が解けてしまうとダメなのだった。一度解けてしまった問題にはいくら興味を持とうと思っても、まったくその気が無くなってしまう。 すると一気に世界は暗転してしまい、また次の興味がそそられるモノが現れるまでつまらないものになってしまう。 悠の生きてきた人生はいつもそれの繰...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.24 Fri 12:09
「で、奥沢はどこにいたんだ」 栄次が金町に目を向けると、桐生が「ヒロ」と声を掛けてきた。 「え、お、俺ですか?」 どうしようと途惑っていると、すぐそばに座っていた男が「おら、お声がかかったんだ、早くしろ!」と嗾けてくる。 「は、はいっ!」 ヒロが慌ててビシリと背筋を伸ばすと、男達の視線が痛いほど突き刺さってきた。それでもまごついているヒロにチッと小さく舌打ちして、桐生が助け船を出す。 「奥沢は、夜動くより朝の方が目立たないと思ったらしく、今朝方7時過ぎですか、逃走を試みてい...
真昼の月 | 2018.08.24 Fri 08:05
「ところが奥沢には最近、きな臭い噂がありまして」 「あぁ?」 「どうも野郎、北立川署のマル暴のSだったんじゃないか、と」 「ほお……」 警察と繋がって情報を流し、逆にこちらのお目こぼしを願うのは、ある程度昔からあることだ。だが、S スパイとなると話は別だ。 「野郎、そろそろヤバイと踏んで逃げ出したんでしょう。逃走資金に女まで連れて……どこの物見遊山かってんですよ」 桐生がそこまで告げると、広間の戸が開いて、金町が姿を現した。 「オヤジ…&hellip...
真昼の月 | 2018.08.23 Thu 08:02
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(17)★ ―確かに今は僕と言う人間に興味を持ってくれてると思う。 好きだって気持ちも本物だと思う。 でも悠と僕が一生添い遂げるとなると話は別だ。 悠は自分でも言っているけど『飽きっぽい』…と言うか興味がころころ変わる。 何かに一心に集中しているかと思えば、それが終っちゃうとあっさりその事には興味を失っちゃっている。 勿論それを中途半端に投げ出すわけじゃないけれど...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.23 Thu 05:07
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(16)★ 一ヶ月やそこら悠から遠ざかっていようと雫が悠の愛撫を忘れるはずも無かった。 散々悠によって馴らされ、悠が与えた性的刺激をすべて快感として受け入れてしまう雫。 そうなるように悠が仕向けた事だとしても、ここまで自分と相性が良い身体は雫以外無いと常々悠は思っていたのだった。 三枝との記憶を上書きしてやろうと思って雫を抱いたが、もはやそんな事で雫を抱いた自分を忘れるくらい、...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.22 Wed 13:27
こうして部屋の1番後ろで立っていると、男達の様子や立場がよく見える。 小野田組若頭の組である真田組は、小野田という組織の中でも上位に位置する組だ。その中にいる男達が、組の人事レースにどう関わっているのか、ヒロは知らない。 だが、ここの所の流れを見ていれば、分かってくることがあった。 若頭というのが、時期組長に与えられる肩書きであると覚えたのは、ここに来てからだ。つまり、小野田の組長に何かあれば、次の組長になるのが真田組組長でもある若頭の真田栄次だ。そして真田栄次が小野田の代紋を...
真昼の月 | 2018.08.22 Wed 08:01
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