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「ん?どうした?なんか訊きたいことでもあんのか?」 「いや、あの、俺もスーツとか着た方が良いんすか?」 「いや、別に制服がある訳じゃねえんだ。何でも良いぜ?まぁ、あんまりお坊ちゃま然とされると舐められるから、ある程度格好良くな?」 何でも良いがある程度格好良く……というのが、どのレベルの物なのか分からない。だって、ここにいる人達はほとんどブラックスーツなのだ。ネクタイがずいぶん派手な奴が多いが、これがこの事務局の「普通」なのだろう。 「あ〜、ヒロちゃんはホストスーツで良いん...
真昼の月 | 2018.08.10 Fri 08:03
桐生の話は思いの外面白かった。ヤクザの役員……役員というのが正しいのかどうか分からないが、取り敢えずヒロはそう理解した……が役員の他に自分の組を持っているというのも初耳だったし、ヤクザが会費制で、自分の食い扶持は自分で稼いで会費を上に納めないといけないというのも初耳だった。 「映画とは結構違うんですね」 ヒロが正直に思ったまま言うと、桐生は楽しそうに笑った。 「まぁ、お前は当分俺のパシリだから、金のこたぁ心配しなくて良いけどな。その分、がっつり働いて貰うことに...
真昼の月 | 2018.08.09 Thu 08:01
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(5) 悠は時々酷い事をする だがその他は至って優しい。 その普段の優しい態度ばかりに目が行ってしまい、悠が時折要求してくる恥ずかしい事もついつい受け入れてしまう。おかしな事に悠が要求してくる恥辱や多少の痛みを伴う事でも、行為が始まってしまうと知らず知らずのうちに毎回のめり込んでしまうのだった。 悠の煽り方が上手いのか、はたまた自分がただ単に快感に弱いのか、悠にされる事は全てが快感に変わってしまう。 ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.09 Thu 03:52
「……待て待て待て。そこからか……」 桐生が大きく溜息をついた。 「あー、お前、族とかやってたんじゃねぇの?」 「族?暴走族のこと?いや、俺はレースはやってたけど、暴走族とかはやったことなくて」 「レースって……まさか、ああいうバトルじゃなくて、サーキットとかでやるようなホンモノの方か……?」 呆れたようにも、驚いたようにも聞こえる桐生の声。 あまり、その話はしたくない。それでも、この人に死に場所を与えて貰うのなら、それは命を預ける...
真昼の月 | 2018.08.08 Wed 08:01
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(4) 雫のしなやかな指が、ワイシャツのボタンを外すところで停滞していた。 精神的にも肉体的にも追い込まれている雫は、いつも以上にやる事がもたもたとたどたどしい。 ようやくそのボタンが外れたところで悠に声をかけられる。 「ワイシャツはそのままでいい。ズボンを脱いで下着を取ったら、そのままベッドに手を着いて四つん這いになってくれる? 雫の中のものがどうなっているのか、自分で開いてきちんと俺に見せて...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.08 Wed 07:52
「で、住むとこは?」 「店の寮に……」 「じゃあ今から荷物を引き取りに行かせるわ。で、鍵を返しがてら、給料貰ってきてやる。お前はしばらく俺んちに居候だ。飯は作れるか?」 桐生はこちらのことなどお構いなしに勝手に話を進めていく。ヒロは桐生に問われるまま、訳も分からずただ答えていくしかなかった。 「簡単なもんしか作れないけど……」 「上等だ。後、犬アレルギーは?」 「え?犬アレルギー?」 あまりにも意外な台詞に、ヒロは一瞬何を訊かれたか分からなくなった。犬アレル...
真昼の月 | 2018.08.07 Tue 08:01
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(3) 三枝に雫を横取りされて頭に血が上り壁をぶち抜いた自分の衝動も今にしてみれば馬鹿な事をしたと思わなくもない。 例え人のお手付きになろうとこうして帰って来てくれればそれで十分だと思う。それにむしろ他人の手が加わり、返って違う雫が見られると思うと楽しみが増したと思えばいい事だった。 雫に違う男の影が見え隠れする事は、男としては許せない裏切りだと思うのは世間一般的な考えだと思う。 壁をぶち抜いてから冷...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.07 Tue 02:16
俯いたヒロに気づかないように、桐生は次々に挨拶してくる黒っぽい服の集団に頷きながら、いくつかあるドアの1つを開けた。 中は普通のオフィスのように、いくつかのデスクが並んでいて、その中の「お誕生日席」に桐生は腰を下ろした。 桐生のデスクも他のデスク同様、いかにも事務用で、デスクの半分はパソコンで占められている。残りのスペースには書類がいくつか重ねてあって、それを見るなり桐生は眉をつり上げた。 「おい、テメェら、こんなとこに書類置くなっていつも言ってんだろうが!俺が帰ってきてまずすること...
真昼の月 | 2018.08.06 Mon 08:03
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さま エピローグ(2) 部屋に入った途端に悠に顎を掴まれて否応もなく唇をこじ開けられ、口内を手荒く貪られる雫だった。 薄い上質のコットンで仕立てられたワイシャツの上から、悠の指が雫の胸の突起を狙って円を描く。 その円は段々と範囲を狭められ、その尖端を捕らえると、指の腹がその尖った先を擦り出す。 グリグリとそこを転がされると雫の身体がビクビクと震えるのだった。 とうとう堪らずに雫の口からは小さな喘ぎが零れ出す。 ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.08.06 Mon 03:55
何が起こっているのか分からなかった。だが、驚くほど恐怖は感じない。 150kmは軽く超えていたが、ベンツは徐々に幅寄せしてきて、ヒロの車の速度を落とさせた。そうして何度もガツガツと車を当てられ、とうとうヒロの車は壁際に追いつめられる。 助手席側の扉は外壁に擦られ火花を上げていた。このままでいくと、車自体が動かなくなるかもしれない。 「……ずいぶん乱暴なバトルだな……っ!」 相手はベンツS550。1500万円は下らない最高級クラスのベンツを惜しげもなくブチ...
真昼の月 | 2018.08.05 Sun 07:37
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