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「小説」はなんとなく堅苦しい。
もっと気軽に、じゆうな感性で楽しんでほしい。
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Falling wings

JUGEMテーマ:ものがたり    彼女は校舎の屋上から、ひらりと飛び出した。この校舎を取り巻く空気は優しい粘性を秘めていて、この世界の物体の運動に関する法則はすでに無効化されていると信じているのだろう。あたしにはそれは信じられないから、彼女はグランドに向かって加速しながら墜ちていく。鈍い音が響いて屋上から覗くと、グランドの隅、校舎の脇で彼女が横たわり鮮血を広げている。 「私は翼を持っているのよ」  傍らにはいつの間にか彼女が立っている。あたしはその彼女の顔を真っ直ぐに見つめる。そ...

pale asymmetry | 2022.07.03 Sun 22:07

The fruit of the giant

JUGEMテーマ:ものがたり    小さな渦が、二十四時間以内に巨人に発達するという放送が集落全体に流れた。けれどそれがどこで起こっているのかは放送されなかったので、僕らは集落を隅から隅まで探し回らなければいけなかった。もちろんその放送の目的は、巨人は危険な存在だから消滅するまでの間は頑丈な建物の中に避難していなさいということだったけれど、僕らはその巨人の姿を見たかったのだ。観測したかった、と言った方が正確かもしれない。だって、観測されなければ、巨人の存在は確定されないのだから。 「...

pale asymmetry | 2022.07.01 Fri 21:49

Hugging time

JUGEMテーマ:ものがたり    お昼休み、職場の近くの公園でお弁当を食べていたら、目の前にUFOが着陸した。アダムスキー型だった。非常識だと思った、二つの意味で。一つは、音もなく土煙も立てず、衝撃波もなくそよりと空気を揺らすこともなく着陸したこと。UFOはもっと派手に登場しないと。もう一つは皆がくつろいでいる公園で我が儘に場所を占有したことだ。とそんなことを考えながら周囲を見回すと、公園には私しかいなかった。さっきまでは大勢の人が確かにいたから、ということは未知の殺人光線か何かで皆消滅し...

pale asymmetry | 2022.06.30 Thu 22:11

けんのうろ

JUGEMテーマ:ものがたり    祖母はそれのことを『けんのうろ』と呼んでいた。人の形をしていたけれど、確かにそこに何かが存在しているようには思えなかった。何もない、というか濃厚な闇がわだかまっているような感じ。だから『けんのうろ』の『うろ』は『洞』のことなのだろうと、私は理解していた。『けん』の方はよく解らない。それが何なのかを私に教えずに、祖母は逝ってしまった。 「また穢れてしまっているね」  生前の祖母が私にそう声をかけるときは、決まって雨が降っていた。それはいつもと違うよ...

pale asymmetry | 2022.06.27 Mon 21:33

Early summer garnet

JUGEMテーマ:ものがたり    休日の朝、珍しく早い時間に目が覚めたのでベランダの掃除をしてみる。隅々まで綺麗に洗い流して、サボテンたちにたっぷりと水をあげる。海からの風がいつになく清涼に感じたので、スタンドを組み立ててハンモックを広げてみた。正午過ぎまでこの場所には日が当たらない。だからこの風を愉しんでみたくなったのだ。といっても、この風に纏われながら微睡みたかったのが本音だけど。  ハンモックに包まれて横たわる。遠くで鳥の声が聞こえる。一直線に低い空を横切る赤い鳥のイメージを...

pale asymmetry | 2022.06.26 Sun 21:47

御間鴉

JUGEMテーマ:ものがたり    時刻は午後の真ん中辺りだった。岩山が削られた谷間の道を私は一人で歩いていた。地誌制作の依頼を受け、集落のあちらこちらを見聞している内に辿り着いた細い道だった。陽光はまだ中天方向から降り注いでいたので、道に沿って吹き抜けていく風が心地よかった。それは爽やかな、けれどどこか虚ろな感じのする風だった。  そいつは突然現れた。私が瞬きする間にその場所に立っていた、そんな感じだ。その一瞬前には世界に存在さえしていなかったのに、私の瞬きの裏側に隠された余剰空間...

pale asymmetry | 2022.06.24 Fri 21:49

Garden of residual incense

JUGEMテーマ:ものがたり    銀木犀の香りに導かれて見知らぬ庭に迷い込んだ。いや、正確にはかつて庭だった場所に。もうそこには一輪の花も見当たらなかった。花壇があった形跡が残されているだけだった。この場所から確かに銀木犀の香りがしたと思ったのに、そんな香りを放つような何者もそこにはなかった。庭の向こうに大きな洋館が見えるけれど、人が住んでいる気配はなかった。  庭の片隅にブランコが一つ。腰を下ろしてみると、なぜか懐かしい気分になる。記憶の隅々まで探っても、この庭もこのブランコも存...

pale asymmetry | 2022.06.22 Wed 22:18

crepuscular

JUGEMテーマ:ものがたり    私はどこからきたのだろう。私はどこへいくのだろう。それとも、私はどこへもいかず、この場所で回転して空転して、変転するのだろうか。この都市の真ん中で。ここが本当に年の真ん中なのかを私は知らない。けれど私がそう思えば、ここは年の真ん中になってしまうのだ。真ん中とはそういうものだ。私が私の世界を抱えている限り、私が立つ場所が真ん中になってしまう。ビルの狭間から薄明の空を見つめる。澄んだ空気は上昇しているのか下降しているのか解らない。私を誘っているのか、拒絶...

pale asymmetry | 2022.06.21 Tue 22:00

Crying moon

JUGEMテーマ:ものがたり    さめざめと月が鳴いている。泣いているわけではなく鳴いているのだ。それはもちろん声ではなく音だ。だからそこに想いが織り込まれているわけではなく、それは一つの現象なのだ。しかしながら世界のすべてがそうではないだろうか。どのような感情も想いも、それは現象であろうと考えて何ら矛盾はないだろう。そういった現象の積層によって、この世界は構築されているのだから。  鳴いている月は十六夜の月だった。少しだけ赤らんだ面は、汚れているようにも錆びているようにも見えた。...

pale asymmetry | 2022.06.15 Wed 21:02

Green monster

JUGEMテーマ:ものがたり   「あっ、タグだ」  弟が歩道の電柱を指差す。弟の目線の高さ、私の背丈だと胸の辺りの高さにライムグリーンのリボンが巻き付けてあった。咲き開いた花のような結び目で、余った部分が風になびいている。 「タグって?」  私の質問に、弟は意味ありげに笑う。私が秘密を供給するのに相応しいかどうかを吟味しているように思えた。 「ゲームだよ」  そう言いながら、弟はその花を解き、一本の帯を風に踊らせる。そのままそれを巻き取ってズボンのポケットに仕舞った。 「...

pale asymmetry | 2022.05.25 Wed 21:25

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