[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""] ものがたりのブログ記事をまとめ読み! 全1,168件の35ページ目 | JUGEMブログ

>
ものがたり
  • JUGEMテーマ

ブログテーマ

ユーザーテーマ

ものがたり

このテーマに投稿された記事:1168件 | このテーマのURL:https://jugem.jp/theme/c231/6497/
ものがたり
このテーマについて
「小説」はなんとなく堅苦しい。
もっと気軽に、じゆうな感性で楽しんでほしい。
このテーマの作成者
作者のブログへ:「okitarinka」さんのブログ
その他のテーマ:「okitarinka」さんが作成したテーマ一覧(1件)
このテーマで記事を投稿する
このテーマに投稿された記事
rss

< 30  31  32  33  34  35  36  37  38  39  40 >

Forerunner wings

JUGEMテーマ:ものがたり    世界をシュムリが支配してから、箱船を見なくなった。生き残った人々は皆そう言っている。私は世界中をくまなく旅して、全ての人に尋ねたから間違いない。生き残った人の数は本当に少なかったし、その人たちは全員体内にチップを有していたので、それを辿って一人の漏れもなく尋ねられたのだ。シュムリを恐れて箱船は去ってしまったのだと言う人もいたし、シュムリが箱船をムシャムシャと食べてしまったと言う人もいた。実際に目の前でその光景を目撃したのだと、その人は言った。でも別の...

pale asymmetry | 2021.03.02 Tue 22:06

踊り人形とテレヴィジョンボム

JUGEMテーマ:ものがたり    ヘモグロビンという品種のリンゴをテーブルに飾る。部屋中の照明を目一杯ともして。お皿には山盛りのジュエル。キラキラと冷たく煌めく。白銀の照明が放つ熱は、ジュエルの冷酷さには打ち勝てない。結果としてヘモグロビンというリンゴは禁断の果実になる。たぶん一口囓ると、内部から鮮血が滴るだろう。そしてそれは蜜色の鮮血なのだ。でも決して甘い味はしない。それは錆びた金属の臭みに汚れきっていて、その汚れは口中にえもいわれぬ痛みをもたらすだろう。不快すぎて恍惚を感じてしま...

pale asymmetry | 2021.02.28 Sun 21:56

Golden rain

JUGEMテーマ:ものがたり    隻眼の男は、雨を見つめていた。雨は大粒で、真っ直ぐに降り注いでいた。呼びかけるような音が響いていた。それが雨粒が空を斬る音なのか、空で研がれる音なのか、それとも本当に雨粒そのものが鳴いているのか、隻眼の男には解らなかった。雨は黄金色だった。だから極端に弱い明度の風景の中でも十分に輝いていた。特別な雨なのだろうな、と男は思った。そう思ったことに特に理由などない。黄金色が特別だと思ったわけではない。呼びかける音のせいでもない。ただ何となくそう思っただけだ...

pale asymmetry | 2021.02.27 Sat 21:51

Rolling and scattering

JUGEMテーマ:ものがたり    庭を、右から左へと雫が転がっていく。庭の左端に到達すると、直ぐさま右へと転がり出す。そんな様子を、私は縁側に寝そべって眺めていた。それは雫ではなかったかもしれない。テニスボールくらいの大きさだったから。けれど形はまん丸ではなく、尖った先端を一つ持つ落下途中の雫のようだったのだ。色彩は半透明の淡い青。柔らかさと硬さの両方を感じさせる青。温かさと冷たさの両方も感じさせる青だった。それがいくつも、十いくつくらい、あるいは二十いくつくらい、三十を超えてはいな...

pale asymmetry | 2021.02.21 Sun 21:56

青いスパイダーと黒い天使猫

JUGEMテーマ:ものがたり    二階の小さなベランダで布団を干す。北風は巨大な聖獣のように冷たいけれど、陽光だってそれくらい強いから、ベランダはやや快適な感じだった。天国というわけではなかったけれど、天国を望んでも仕方がない。天国って望んではいけないものでしょうから。ハタハタと両手で布団を叩く。染みこんでいるはずの私の悪夢を世界に解き放つために。それが白日夢となって、誰かを襲い踊らせるだろうか。それとも誰かを叫ばせるだろうか。どちらでも良いけど、誰かに届くと良いな。それが良い意味で...

pale asymmetry | 2021.02.18 Thu 21:31

Moth pass

JUGEMテーマ:ものがたり    グラウンドの真ん中に、それは浮かんでいた。強いメタリック感を放つコバルトブルーの円盤だった。地面から五メートルくらいのところに浮かんでいる。微かな音が聞こえた。泣き声のような音。でも笑い声のようにも聞こえる。微かすぎてよく解らない。どちらにしても、私はこんな風には泣かないし、こんな風に笑いもしないだろうと思えるような音だった。  今にも雨が降りそうな空だった。そもそもが新月の夜だったけれど、必要以上に闇に沈み込んでいる。空気に墨汁の匂いが混じってい...

pale asymmetry | 2021.02.13 Sat 21:34

An eyeball, an egg, and a bird

JUGEMテーマ:ものがたり    左目のかゆみで目が覚めた。枕元のスマホを探る。モニタを撫でると、それは午前五時五十五分を表示した。アラームが鳴るまで五分。私は毛布の呪縛から身体を剥がす。部屋の空気が身体に覆い被さり、その澄んだ冷たさが私の皮膚に染みこんでいく。世界は冷徹だから、お前も冷徹になれと言われているようだ。誰に? 私自身の、私が制御していない部分から。まだ覚醒が全身に行き渡っていなくて、少しふらつく脚を励ましながら洗面台まで歩く。左目を擦ると、ごろごろとした感触がした。何か...

pale asymmetry | 2021.02.06 Sat 21:41

Longing for the west

JUGEMテーマ:ものがたり    傾き始めた太陽に向かって、僕と相棒は歩いていた。太陽はまだ十分に眩しかったけれど、その黄金性はすでに失われ始めていて、やがて対峙できるくらいの茜を纏うだろうと思えた。 「どこまで行くんだろうね、あの子は」  相棒が僕に顔を寄せて囁いた。眼差しは前方に向けられたままだ。その前方には、大きなサイが歩いていた。サイの背中には櫓が乗っかっていて、そこには小さな女の子が行儀良く腰掛けていた。女の子は僕らに背を向けたまま、微動だにしない。いや正確にはサイの歩...

pale asymmetry | 2021.02.04 Thu 21:29

Alternative nocturne

JUGEMテーマ:ものがたり    月光は強く、私の影を砂に落とす。オリオンは中天にいるはずだったけれど、明るすぎる夜は星々をくらましている。靴を脱ぎ、砂浜を裸足であるく。細かな砂は心地良い。足裏が捉える感触は、思いやりのある柔らかさだ。私はこの夜に受け入れられているのかもしれない、と思えるくらいに。実際にはそれは錯覚で、夜というものは何者も受け入れたりしないことを私はよく知っている。何度も何度も裏切られているから。私がどんなに寄り添おうとしても。  煌めく波は月光を宝石へと変換...

pale asymmetry | 2021.01.31 Sun 21:47

I beg you

JUGEMテーマ:ものがたり    世界は炎に満ちている。それは小さな炎だ。親指と人差し指で摘まみとれるくらいの大きさ。橙色の尖った輪郭の炎だ。だから摘まむのは難しいかもしれない。痛みを伴うかもしれない。その炎は回転している。捻れながら回転している。スパイラルスピンだ。その回転は螺旋を表現している。螺旋を発信している。そうすることによって、世界のソースコードを隠しているのだ。カオスから守るために。  私は地上に立っていた。いや、正確には地面から数ミリ浮き上がっていたので、立っていたわ...

pale asymmetry | 2021.01.30 Sat 21:54

このテーマに記事を投稿する"

< 30  31  32  33  34  35  36  37  38  39  40 >

全1000件中 341 - 350 件表示 (35/100 ページ)

[PR] レンタルサーバー heteml [ヘテムル]
あなたのクリエイティブを刺激する、
200.71GBの大容量と便利な高機能!