[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""] ショート・ショートのブログ記事をまとめ読み! 全2,031件の10ページ目 | JUGEMブログ

>
ショート・ショート
  • JUGEMテーマ

ブログテーマ

ユーザーテーマ

ショート・ショート

このテーマに投稿された記事:2031件 | このテーマのURL:https://jugem.jp/theme/c231/681/
ショート・ショート
このテーマについて
掌編。超短編。など、名前は様々。
一瞬を切り取って、読んでくれる人に届けたい。
このテーマの作成者
作者のブログへ:「silbe」さんのブログ
その他のテーマ:「silbe」さんが作成したテーマ一覧(1件)
このテーマで記事を投稿する
このテーマに投稿された記事
rss

< 5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15 >

朔月夜の魚たち

JUGEMテーマ:ショート・ショート    新月の夜は美しい闇だ。純度の高い闇が僕の心を揺さぶるから、高架橋の橋脚に魚を描いた。最初は隅に小さなやつを一つ。黄色と赤の縞模様のやつ。十六夜の月のような切ない感じで描いた。けれどトーチの光に浮かび上がるその魚は、切なさよりも卑猥さを強く放っているように思えた。 「良いね。うん、良いよ」  セツちゃんがそう言って跳ねた。大きなおっぱいが揺れて卑猥だった。それを見て僕は切なくなった。本当はそのおっぱいに触れてみたかったけれど、セツちゃんは空...

pale asymmetry | 2023.08.16 Wed 21:03

左利きの雨

JUGEMテーマ:ショート・ショート    目が覚めると、枕元にナイトが立っていた。馬をかたどった黒いガラスのナイト。チェスの駒だ。彼のものだと知っていたから驚きはしなかった。ナイトはメモ紙の上に立っている。その紙を手に取り文字を追う。 『気持ちよさそうだったから起こさなかった。いってきます。ちなみのこのナイトは左利きだよ』  そんな文字が書いてあった。そいえば、今朝は早く家を出るって言ってたっけ。カーテンを開け、朝日にナイトを翳す。煌めくナイトは澄ましている。自分の強さによっぽど...

pale asymmetry | 2023.08.13 Sun 21:05

漂う象と透明な花火

JUGEMテーマ:ショート・ショート    花火の音が聞こえる。それで八時半になったのだと思う。毎週土曜日の午後八時半に近くのホテルが花火を打ち上げるのだ。最初の頃はベランダに出て眺めていたけれど、毎週続くとやがて眺めようとは思わなくなってしまった。今では花火の音を時報代わりに聞いているだけだ。だからこの花火が透明であったとしても僕らは気づかないだろう。  開け放たれた窓からは、極弱い風が流れてくる。それは弱すぎて、生温い湿気を運んでいるに過ぎない。風と呼ぶには少し違和感があったけれ...

pale asymmetry | 2023.08.12 Sat 21:46

燃えて昇る

JUGEMテーマ:ショート・ショート    強い西風は少しだけ北に傾いていて、そのせいかひんやりとしていた。宵と呼ぶには早い時刻に、僕らはベランダに金属バケツを出し、そこに二枚の短冊を落とした。風はベランダに巻き込んでくるけれど、バケツの底の短冊を吹き飛ばすほどではなかった。夜がゆるやかに沈み始めているのを感じたけれど、バケツを覗く彼女の横顔ははっきりと見えた。 「何て書いたの、短冊に」  バケツに目を向けたまま彼女が訊いてくる。僕らはそれぞれ短冊に願い事を書いた後、相手に見せない...

pale asymmetry | 2023.08.07 Mon 21:08

nothing but ……

JUGEMテーマ:ショート・ショート    ゆるやかな流れの川に、僕らは足を浸していた。河原を埋める小石は程良い丸みで、座り午後地が良かった。僕らは半ば寝そべるような体勢で並んで腰を下ろし、空を見つめていた。真上の空は銀のベールを纏った青。遠くの場所には黒雲が見えた。風はそちらの方から吹いていて、それは少しひんやりとしていた。 「微かに雨の匂いがする」  彼女が言葉を零した。やわらかく閉じた目は、成層圏の外側を見つめているように思えた。 「あの雨雲が向かってきているんだろうね」 ...

pale asymmetry | 2023.07.28 Fri 21:03

120 degrees

JUGEMテーマ:ショート・ショート    午後になるとベランダは日陰になる。それを待って僕らは椅子とバケツを並べた。クーラーボックスにはたっぷりの氷。それにグラスとスコッチウイスキー。バケツに張った水に足を浸して、僕らは青すぎて銀色にハレーションした空を見上げて目を瞑る。 「夏だね」  彼女の声に一瞬目を開き、眩しすぎてまたすぐに目を閉じる。 「もちろん」  僕が応えると、彼女は笑う。 「あなたが夏にしたみたい」  彼女がグラスを僕の頬にくっつける。ひんやりとして心地良か...

pale asymmetry | 2023.07.23 Sun 21:27

語り得ることを語りつくす前に語り飽きてしまう僕ら

JUGEMテーマ:ショート・ショート    雨の粒は大きくて、僕らを侵略しようとしているように思えたので、僕は君のリュックが心配になった。君のリュックは薄い布製だったから、きっと希薄な自我しか持っていないと思えたんだ。 「濡れても大丈夫なの?」  僕がリュックを指差して尋ねると、君は首を傾げてそれから軽く肩を竦めた。素早い計算で、それが些末な事象であることを突き止めたみたいだった。 「この世界に、濡れてはいけないものなんてないのよ」  君は立ち止まり、気持ちよさそうな顔を空に向...

pale asymmetry | 2023.07.18 Tue 21:02

two years and next year

JUGEMテーマ:ショート・ショート    橋を渡ってあの子らは行ってしまった。海を見下ろし笑い合っていたようだ。あるいは叫ぶように歌っていたかもしれない。虹の七色を称える歌だったような気がした。風は際限なく強まり、私とあの子らを引き離してしまった。無邪気な想いは二年の歳月を超えて、結局私のもとに届くことはなかった。そういう世界に私は生きているのだろう。  右往左往を繰り返し、あの子らの望みを叶えようとしてみたけれど、非力な自身を憂うばかり。でももっと大きなものが支配する世界にいるの...

pale asymmetry | 2023.07.17 Mon 21:32

Twenty-third night headache

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「重い頭痛がするの」  そう言いながら、彼女は両方のこめかみを両手の人差し指で押さえる。開いてはいけない箱の蓋を押さえるように。ソファーに横たわり、天井に顔を向け、でも天井よりもずっと遠い場所を見つめていた。 「大丈夫?」  僕はソファーに歩み寄り、膝をつく。部屋は薄暗く、窓は閉め切られている。エアコンディショナーの稼働音だけが、部屋の秩序を保とうとしている。きっと彼女はまだ明るいうちに帰ってきて、ここに横たわったのだろう。僕が戻るまで、...

pale asymmetry | 2023.07.12 Wed 20:41

真ん中の夏に雨はない

JUGEMテーマ:ショート・ショート    家中の窓を開け放てばどれくらいの風が流れるかを僕らは試してみた。その結果、動き回って僕らが攪拌した空気以外に風を感じることは出来なかった。 「私たちを取り囲む風景に風がなさ過ぎるのよ」  彼女が大きな溜息を零す。それは風にはならず一瞬で消えた。 「お昼にしましょう」  彼女が用意した冷やしうどんにタコをトッピングして、僕らは南に面した窓辺に並んで腰掛けた。南の空は眩し過ぎて青くはなかった。それは賑やかな銀色で、夏そのものの色だと思えた...

pale asymmetry | 2023.07.02 Sun 19:18

このテーマに記事を投稿する"

< 5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15 >

全1000件中 91 - 100 件表示 (10/100 ページ)

[PR] レンタルサーバー heteml [ヘテムル]
あなたのクリエイティブを刺激する、
200.71GBの大容量と便利な高機能!