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掌編。超短編。など、名前は様々。
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きっと雨後は甘い香り

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「白い貴婦人は清涼な甘い香りを連れてくるのよ」  彼女が真っ直ぐに降る雨を見つめながら言う。透明なはずなのに、その雨は七色を弾くように降っている。空気は初夏の午後のまま。このまま雨が上がっても、うだる熱気はそのままだろうと思えた。 「清涼なのに、どこか刺激的な香りなのよ」  彼女の口調が、何かを企むように潜めたものになる。多分何も企んではいない、そう思わせたいだけなのだ。 「貴婦人の綺麗な顔立ちは、美しいのになぜか化け物めいているの」 ...

pale asymmetry | 2025.06.12 Thu 17:53

真夏の相貌

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「きっと真夏は本性を見せてくれないのよ」  彼女はどこか愉しそうに言いながら空を仰ぐ。風は強い南西風。本来は湿っているはずなのに、風速が早すぎて湿度が拡散されている。その風が彼女の髪を掻き回している。掠われそうになるキャップを押さえながら、僕は彼女の声に耳を傾ける。 「だから、何もかも銀色で塗りつぶそうとするの」  半ば叫ぶように言い、彼女は堤防の上で伸び上がる。目の前の水面は激しくささくれ立っていて、陽光がそれを引っ掻くからキラキラの傷...

pale asymmetry | 2025.06.08 Sun 14:53

猫は夢を見たい

JUGEMテーマ:ショート・ショート    猫と眠る。夢を見ずに眠る。そういうものが邪魔に感じるくらい、深く眠りに沈みたかったのだ。きっと猫もそう思っている。私の胸元で、行儀良く丸まって目を閉じたから。けれど目が覚めたら、猫は胸元にいなかった。背中に温かさを感じて目をやる。猫は私の背中に自身の背中をくっつけて眠っている。四肢を思いっきり投げ出して、尻尾はやわらかい曲線を纏っている。じっと見つめていると、猫が目を開く。 「ごめん、僕は夢を見たかったんだ」  そっと伸ばした私の手の甲を...

pale asymmetry | 2025.06.03 Tue 18:08

水のないプール、終わらない終末

JUGEMテーマ:ショート・ショート    水の張られていないプールサイドに、私たちは腰掛けていた。プールの中に足を投げ出して揺らしながら、あるはずのない水を掻き混ぜていた。それはきっと美しい水で、だから私たちの足先も美しく変化しているはずだと思えた。でも私たちの足先はひどく穢れていたので、それが完全に美しいものになるには、永遠に近い時間が必要なようにも思われた。ここは十数年前に廃校になっているから誰もいない。深夜なら肝試しに来る者もいたけれど、こんな陽光の鋭すぎる正午あたりにやって来...

pale asymmetry | 2025.05.31 Sat 17:31

弄する雨、浮遊の様式

JUGEMテーマ:ショート・ショート    そう言えば、傘を開いていない。私はそのことに気づいて立ち止まる。両手を見て、どちらの手にも傘が握られていないことを確認する。つまり何処かに傘を忘れてきてしまったということだろうか。よく考えを巡らせてみる。家を出るときには傘を手にしていただろうか。それもよく憶えていない。傘を持ってでかけなければ。そう考えたことは憶えている。けれどその後玄関で傘を手にしたかどうかは、定かではない。というのも、出かけるときには雨は降っていなかったのだ。玄関の扉に鍵...

pale asymmetry | 2025.05.28 Wed 18:03

手を伸ばし、触れ合うことに耽る

JUGEMテーマ:ショート・ショート    確かこの辺りだったはずだと、路地を何度も行き来して探す。探しているのは書店だった。三ヶ月前ほどに偶然見つけた書店で、落ち着いた空気に満ちている店内は、じっくりと本を探すことが出来た。そしてもちろん、私好みの本がたくさん並んでいたのだ。ただそのとき手持ちの現金がなくて、現金精算のみの店だったので、何も買うことなく店をあとにしたのだった。もちろん数日後にもう一度訪れるつもりだったのだけれど、上手く都合がつかず、気がつけば三ヶ月も経過していたのだっ...

pale asymmetry | 2025.05.15 Thu 18:19

午後の陽光と透明な傘

JUGEMテーマ:ショート・ショート    あの人は今日は傘はいらないよと言ったけれど、私は傘を手に家を出た。夜半の激しい雷雨に対する怖れが、まだ私のなかに分厚くこびりついていたから。 「君はきっと遠くまで行ける人だね」  あの人はどこか呪文のように囁いた。その意味がよく解らなかったから、私は曖昧に笑って扉を閉じた。いいえ、よく解らなかったわけではない。その意味を考えることが面倒臭かったのだ。それに私はすでに今日の仕事の内容に囚われていて、それ以外のことに気を配ることが出来なかった...

pale asymmetry | 2025.05.06 Tue 18:50

ロリータとブレーンコスモロジー

JUGEMテーマ:ショート・ショート    真夜中に目が覚める。嘘、本当に真夜中なのかは知らない。でも部屋の闇は真夜中の装いだったから、真夜中でなかったとしてもその近辺だと思えた。全身に、結構な汗をかいている。少し気持ちが悪かったので着替えようかと半身を起こす。そのとき、布団の脇に佇んでいるロリータと目が合った。いや嘘。目は合っていない。そのロリータは顔の部分が花だったから。だから目はなかったのだ。もちろん口も鼻も耳も見当たらなかった。淡いピンクのアマリリスが顔だったのだった。だからア...

pale asymmetry | 2025.05.03 Sat 20:14

シグナルを放つ

JUGEMテーマ:ショート・ショート    まだ朝と呼ぶには暗すぎる時刻に、あなたはモゾモゾと動き出す。 「シグナルを放たなければいけない」  私の左の頬に指先を真っ直ぐに沈めながら、あなたはそう囁いた。部屋の照明を灯すと、あなたはとても真面目な表情をしていたので、私は堪えきれずに笑ってしまった。 「今すぐに準備しなければ、シグナルを放つために」  あなたは手早く着替えを澄ませ、大きなリュックを引き摺りながらキッチンの方へと歩いていく。私はのそのそとベッドから抜け出し、幽霊のよ...

pale asymmetry | 2025.04.17 Thu 18:11

不変性と普遍性の黄昏

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「まことに水は不可思議な翻りそのものなのですよ」  老人はそう言うと、何故かはにかむ笑みを浮かべた。夕日は背後で沈んでいるので、その茜と黄金は煌めきの欠片だけしか見えなかった。 「その不変性は、普遍性へと繋がっていくのです」  僕と老人は川原に腰を下ろしていた。傍らの小石を拾い、老人が川面に投げる。水面に飲み込まれた小石が去り際に放った波紋が、夕日の欠片を踊らせる。 「特に地下に染み込んだ水は、一度闇を取り込んでいますからね」  老人...

pale asymmetry | 2025.04.08 Tue 17:29

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