[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
もう、使い古された言葉かもしれません。検索すると、住宅メーカーさんですら、広告に使っているミース・ファン・デルローエの言葉ですが、今、社会は本当の意味で、この起点に戻る必要があるのかもしれません。社会情勢が激化する中、大きな構築物である住まいを増産して、わずか数十年で茎スクラップアンドビルドしていく時代はもうとうの昔に終わっていると思います。そう言っても私が自ら手を下し新しい住まいの構築をためらっても、他の人の手でまだ亡霊のように希薄な賞味期限の短い住宅が量産し続けられている切なさはありま...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.27 Sat 07:35
怒涛の如く押し寄せてくる社会状況の変化を前に、どんな住まいを提供したら良いのか、この厳しい現状の前で何をしたら良いのかと立ち尽くしてしまいそうになる自分がありますが、基本的にはシンプルに、本当に必要なものは何かということを厳しく反芻し、エッセンスのように最後まで残ったものを自由に発送していくことこそが今必要なものを見出すのかなと想ったりします。戦後の日本の住まいは、どことなく欧米のライフスタイルを模倣したり、本来作り手である大手ビルダーやマンションという居住形態が先導したスタイルがなんとな...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.26 Fri 06:31
考えてみれば、今、私たちの暮らしは、いろいろな意味でミニマル化と肥大化を同時に進めています。かつて住まいの中にあった。例えば終戦を告げた玉運放送のみんなが正座して聞いたラジオも、音楽を楽しんだレコードプレイヤーも、東京オリンピックやプロレスを観たテレビも、毎朝お父さんがちゃぶ台に広げた新聞も、全て手元の小さなスマホの中に収まりました。お財布も、身分証明書もこの中です。 その上で、小さな画面から溢れ出てくる情報は、まさに無限で、膨大すぎてカオスのような状態てす。私たちは、手のひらの小...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.25 Thu 07:32
確かに物価上昇や、資材の枯渇で、今私たちは住まいづくりにおいて大変な時代を迎えしています。楽ではない。ただ、世界の近代建築の巨匠たちが活躍した19世紀末から20世紀前半のモダンムーブメントもゆとりの施錠の中で安穏と育まれてきたわけではないことは確かです。どんな時代も人間の生命力のいぶきは力強く自分達の存在証明としての創造を繰り返し、華美装飾で足し算ばかりだったそれまでを払拭し、スケールをヒューマンスケールに戻し、装飾を剥ぎ取り光と影で演出するシンプルな造形美に促されていった当時の流れも、カオス...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.24 Wed 07:27
「Les is more」レス・イズ・モア。「簡素であることは豊かなことである」とでも言いましょうか。いうまでもなく、第二次世界大戦中にナチスの弾圧を逃れて、ドイツからアメリカに亡命した巨匠、ミース・ファン・デルローエの言葉です。モダニズムが勃興してヨーロッパで花咲き世界に浸透していった時代に数々の名言が残されていますが、建築を志した方であれば一度は必ず耳にするフレーズだと思います。彼は、「ディテールには神が宿る」とも言っていますが、ものの考え方として、あの激動の時代を生き抜きながら、彼が見つめていた...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.23 Tue 07:21
長年住まいづくりをしていると、どんな住まいで誰と一緒にどんな暮らし欲しているかということが、微に入り細に入り少なからずその住まい手の人生に大きな影響を与えているということを日々実感しています。逆に言えば、その人がどんなことにフォーカスして日常を送ろうとしているかということが、住まいに反映されていくということもできるかもしれません。暮らしの中の、住まい手の好むシーンが、常に想像されながら創られていく住まいはきっとその住まい手の人生を大きくバックアップする力があるのです。 ともすれば、コス...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.22 Mon 06:40
社会が必ずしも良い方向へ進んでいるとも言えない近年の状況を見ても、それに翻弄されていく時間から少しでも解放されて、自分自身を取り戻すためのスペースとして、住まいは重要ではないかといつも痛感しています。それは大きさでもなくて、華美な贅沢品でもなくて良いのであって、その住まい手のオリジナルの、価値観に沿った空間であるということが一番重要なのだと思います。消費という行動パターンは、いつしか私たちの思考回路を鈍化させて、流されるような雰囲気を形成してしまいます。今一度、自分に立ち返る場所が、この時...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.21 Sun 07:20
労働のほとんどを屋外で過ごしていた古き時代は、「寝ぐら」という言葉があるようにただ就寝するだけの場所だった住まいも、滞在時間が増えに増えて、仕事場や学校という屋内も含めると、現代人は実にその生涯の9割以上を屋内空間で過ごしているそうです。つまり、生きている間ほとんど何がしかの屋内空間で生きているわけで、その空間の質が私たちの生涯に影響を与えないわけがないと言えます。その上、屋内空間でも、コロナ以降場所移動が極端に減って、在宅ワークやオンライン授業などの導入も始まり、コロナが治ったからといって...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.20 Sat 07:23
日本人の心の根底には、ものの哀れや儚さに一つの美徳を見出すところがあって、石造りのヨーロッパなどの住まいに比べると、一時的にその場に簡単に結んだ草庵をよしとする感覚がどこかしらあるような気がします。かつての庶民の家などというものは、よほどのお大尽以外は、そんな粗末な住まいだったかもしれません。四季に恵まれ、自然豊かで季節が巡ればあらゆる生命が息吹く豊かな気候風土にあって、千変万化する自然のごく一部として私たちもあると考えるのも自然かもしれません。ただ、その気候風土が著しく荒々しくなって、自...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.19 Fri 07:24
とかくストレスが多い現代社会において、住処が皆さんに与える影響は大きいのではないでしょうか。人口減少、少子高齢化が角田善に進み、経済最優先の国の路線も翳りが見えてきて、地球温暖化の影響か自然災害の急増も見え隠れして、このところの物価高騰も相まって、私たちの日常は決して安心という感じでもない様相です。全てがなんとなく「自己責任」という言葉の濫用で片付けられてしまって、かつて護送船団方式と言われた国の保護も一個人へはとうの昔から降りてきている気配はなく、むしろ年々薄くなってきている気配すら感じ...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.18 Thu 07:28
全1000件中 171 - 180 件表示 (18/100 ページ)