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厳しい状況が続いているだけに、厳選したものわ作りたいという思いに駆られます。じっくりと練り上げて、住まい手にも、社会にも、またリアルな今だけではなくて、将来の次世代に対してもよりベターな方法論が見出せないということを常に考えています。また、建ててその瞬間からその住まいが廃棄されるまで、そこで繰り広げられる営みによって作り出される負荷に関しても、できるだけ少なくと思えば、住まい手の間快適な暮らしを守ることと、さらに環境負荷を少しでも軽減することを念頭におきたいと想うのです。 物価高騰のお...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.24 Sat 07:22
少なくとも自然界から私たちが何がしかの創造行為をして、モノを創り出せば、それは自然界からの逸脱であり、言葉をにござずにいえば自然破壊の要素を含んでいるということになります。私は35年余り、住まいというものを創り続けていますが、このことは常に頭の中にあって、あえて「自然破壊」の要素を含みながらものづくりをする私たち人間の性のようなものをずっと抱え続けて仕事をしています。そういう意味では、少しでも環境負荷を軽減した素材、工法を常に念頭に置いていますし、また一度創り出したからは、その創り出したもの...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.23 Fri 07:29
罪の呵責なく消費が当たり前になり、大量生産と消費という循環がこの世の中の豊かさのすべてだというような感覚になって私たちはもうずいぶんその盲目的なコマを進めてきてしまっているのかもしれません。近年、頻発する異常気象や天変地異がそういう人類の傲慢な態度に対する警告だという方は少なくありません。少なくとも、何がしかを作り出す人間にとっては、常にこの部分が心の奥に棘のように刺さっていて、人間の営みとしての創造は、少なからず環境負荷を与える大それた行為であるという一面がありますから、創り出して良...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.22 Thu 06:55
日本語の表現の繊細さは、誰もが認めるものだと思ったりします。最近は、日本人全体がスマホをいじり、コミュニケーションツールとしてメールやチャットという形で「言葉」を字面にする作業を課されていて、逃れようのない現実社会によって選択の余地のない言葉を字にするノルマの普及は、ある意味手紙のやり取りに替わって文による意思疎通の普及に大きく貢献しているようにも思えます。コロナ以降は特にそうです。ただ、その繊細さが皆に浸透しているかといえば、少しニュアンスは違ってくるように思います。よく、メールになると...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.21 Wed 06:48
彼らが一年暮らしてみて話してくださったのは、間取りの妙であるとか、制作家具のアイデアの利便性、外観意匠の普遍性などについてのご評価でした。そして色々とお褒めいただいた上で、弊社に依頼して本当に良かったとおっしゃっていただいたのです。性能に関しては一定の想定のもと、織り込み済みですから、感動というよりは想定通りで良かったということでした。温湿度や空気室が整った快適な空間の感想は、なれてくると当たり前になりますから、我が家空間以外の場所の不快感とかがわかったり、比較できるものができる...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.20 Tue 16:56
言葉の些細なニュアンスを伝え合えるほどの住まい手とのやり取りの中で、ようやく見えてくるものがあるように思うので、日々そんな思いでこのコラムも綴っていますが、高性能住宅ブームの後押しもあってか、そういうことはさておき、とにかく「性能だけは!」という住まい手の方達も近頃ではかなりの割合で増えていらっしゃるようにも思えてきます。おそらく、そういう方達にとってみれば、私の言いようなどは冒頭で述べたように、愚の骨頂というもので、建築物理に示される数値性能だけで良いとなれば、今はもう猫も杓子も高性能です...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.19 Mon 07:28
何事もお手軽で簡単な時代になってしまっていますが、そういうことは愚の骨頂だと言われてしまうかもしれません。古いタイプの人間だと言われるかもしれませんが、ただできれば、その繊細なニュアンスまでお相手に共有したいなというところが本音なわけです。そこで、言葉を少し選びながら使うということになります。 最近は、高性能住宅のニーズが沸騰していて、まずその皆さんのご要望から弊社へご連絡をいただくことが多いのですが、住まいの高性能化を何十年とやってきている弊社の仕事からすれば、そうなるのは当然な...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.18 Sun 09:02
もう十年以上もこのブログを綴っていますが、住まいについて語るときに、私なりにこだわって言葉を使っていることがあります。「住まい」という言葉を規範としますが、「家」という言葉はあまり使いません。漢字の面白さで、住まいは主が人でありますが、家はなんとなく屋根の下にいるのが豚ちゃんに見えてしまう。住宅というとなんとなく作り手ハウスメーカー主導のものになってしまう気がしますから、「住まい」の方がしっくりくる。それで住まいづくりなんです。作るではなく、創りたいのは、三次元的な構築にとどまらず、そ...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.17 Sat 09:58
私のイメージの中では、「我が家」と呼べる私的な住まい空間の必要性が、いよいよあるような気がして仕方ありません。情報のカオスとどことなく閉塞感しかない現代社会の中にあって、心の底から安らげる空間というものが、皆さんおひとりおひとりに必要だと思わないではいられないからです。温度・湿度・空気鮮度という室内環境を整える基礎性能に関しては、当然のこととしてクリアしなければなりませんが、昨今の高性能ブームは、いわゆるインフラにかかるランニングコスト高に備えることが消費者のニーズのようになってしまってい...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.16 Fri 07:27
もう、なんとなくお体裁でお隣さんと同じような設えの漠然としたイメージの住まいでは、皆さんを日々の喧騒から二ユートラルには導ききれないのではないかと最近は思います。それくらい、私たちの生活環境は悪化してきている。社会情勢はこの先楽観視できるものではないし、遠い国であっても未だリアルに戦争が続いている現代です。 カオスに溢れる情報は手元のスマホまで攻め入ってきていて、仕事も、学校もさまざまなコミュニティーも何のフィルターもかからずに手元にまで押し迫ってきている。ノイズから解放されてなん...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.15 Thu 07:15
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