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一過性からの脱却 4

  図らずも、社会情勢や経済の状況、また待ったなしの環境悪化の改善について気づいてしまった私たちは、住まいづくりにおいてまさに三重苦を強いられるような状態になってしまっておりますが、過去の人類の歴史を見てもこういう苦しい状況下で案外良いものが生まれてくるのではないかと思ったりします。最終的な予算調整のために、あらゆる要素を表層の辻褄合わせのように希薄な内容にしてしまうのは甚だ危険だと思います。安普請の家をその場限りの価値観でまだ増やせば、帰って経済も先食いで衰退すると、環境の悪化は否め...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.07.05 Wed 06:22

一過性からの脱却 3

 あえて、状況厳しい折に、「質の向上などできないさ」と言われてしまえばそれまでですが、現時点ですでに、社会ストックを着々とやってきた欧州などと比べれば、大きくみぞをあけられているこの国が、これから乗り越えていかなければならない課題は深刻で、今すぐにでも発想を180度転換して、ストック社会へのシフトをしていかなければならないのは自明なのです。生産と消費を繰り返して、その上積みを利益として加速することで利益率を上げていく時代はもうとうの昔に終焉しているのです。  業界はこれまでの繰り返しを繰り返...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.07.04 Tue 06:28

一過性からの脱却 2

 世の中が世知辛くなれば、物事はなんとなくうわっすべりになり、これまでの形骸化した外見の部分だけがかろうじて形を形成したままになり、中身がすっぽり変わってしまうということも考えられないわけではありません。住まいづくりも、予算を考えるときに、諸物価の高騰や材料不足による価格高騰が続いていますが、その劇的変化の中にも、そういう要素がないかということは注意深くみていかなければならないことだと思うのです。私たちのように、ひとつひとつを積み上げていって、最終的に出てきた予算を検討するというのなら間違...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.07.03 Mon 06:25

一過性からの脱却 1

 世の中が大きくシフトチェンジしようとしているこの流れを感じ取ると、おおよそ数十年この国で行われ続けてきたスクラップアンドビルドはもういい加減終わっても良いのではないかと思わないではいられません。住まいづくりを生業としている私たちにしてみれば、全体のパイが極端に細っていくことは、自分の首を絞めていくことに他なりませんから、どうにも辛いことではあるのですが、自分の立ち位置としては、例えばそんな中でひとたびいただいた機会を、その負のルーティンに組み込まないで済むようにという思いょより強く持ち続...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.07.02 Sun 07:37

梅雨の鬱陶しさに兼好法師を想う 5

 ずっと、学校教育でも受けた「夏を旨とすべし」と戦ってきたような気がします。兼好法師は冬はなんとなかるというけれど、福雄岡野冬も結構体感的には寒いんです。然るべき気密断熱性能を持つべきだとずっと言い続けてきました。何十年という日々の中では、断熱いいけど気密はいかん…みたいな感情論も実しやかに論議されて、時折枝道に逸れる方達を尻目に、高性能化に向けて走り続けてきた結果、私の中は、いわば「夏を旨とすべし」の令和版といったお話をするようになってきました。近年の酷暑では、風通しよくなどと言っ...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.07.01 Sat 06:16

松尾和也先生の【全国の技術指導終了済工務店リスト】にサンキ建設が紹介されています

断熱の鬼―松尾設計室 松尾和也 氏の最新Youtube動画、   【 初公開!!全国の技術指導終了済工務店リスト 】の中で   サンキ建設が紹介されています!   リストは動画概要欄のリンクからご覧いただけます。       サンキ建設は現在【 3回目 】を受講中です。   松尾設計室の最新の設計手法や小屋裏エアコンのノウハウなど、 他では聞けない内容が盛りだくさんで、 日々の業務でも実践しています。   ご興味のある方は是非サンキ建設...

サンキ建設のこだわり注文住宅 | 2023.06.30 Fri 14:12

梅雨の鬱陶しさに兼好法師を想う 4

 さて、かつて兼好法師が健在だった京都の茹だるような夏よりも、ゲリラ豪雨や酷暑が全国で広がる近年の日本です。これからを考えると、私はさらにこの兼好法師の「夏を旨とすべし」を頂いて、そうそう「夏を旨とすべし」と言いたいのです。かつて高性能途上で、気密も断熱もいらないが常識だった頃、この言葉に抵抗し、私は違うと言い続けてきました。気密断熱をしっかりしていれば、夏も快適になるんだからと言ってきたのです。今は、まさに夏を旨とすべしというならば、冬対策以上に気密断熱化をはかって、つまり夏を旨とした気...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.30 Fri 06:19

梅雨の鬱陶しさに兼好法師を想う 3

 ましてや昨今の異常気象です。年々夏冬の温度差が激化して、ともすると40℃越えもある過酷な猛暑日もしばしば訪れる環境の悪化に、窓を開けて風通しよくと言っても、そもそも体温超えの空気をいくら動かしたところで熱風となるだけで涼は取れないのです。命に関わる状況下の中で、八百年余り昔の言葉を大切にして判断を誤ってはいけません。      今は室内の温度を人工的に下げる方法があります。エアコンもそのひとつですが、そういう記述をスペックオーバーにならないように駆使しながら、快適な環境を構築することができ...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.29 Thu 07:26

梅雨の鬱陶しさに兼好法師を想う 2

 兼好法師が宣った「住まいは夏を旨とすべし」は、長らく日本の建築教育の中でもしばしば使われて、その専門教育を受けたものであれば、幾度となく聞いたフレーズということがあるると思います。日本の建築は湿気との戦いだから、高床になり、壁の一切ないどこでも解放できる木組の家になってきたんだと。かつての古民家などをみてもそれを裏付ける遺構ばかりが取り上げられるものですから、そうなんだと頭に刷り込まれるのです。私が30年前に、九州福岡で気密断熱の今の高性能のベースとなるような広報で住まいづくりをし始めた頃...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.28 Wed 07:07

梅雨の鬱陶しさに兼好法師を想う 1

 梅雨の鬱陶しい季節が続いていますが、この時期の湿気は体力を消耗し、一気に不快領域に突入する厄介なものですね。かつて鎌倉末期に活躍した兼好法師は徒然草の中で「住まいは夏を旨とすべし」と発言し、日本の開放型の住宅の正当性を裏付ける一言として、八百年余り影響力を持ち続け、アンチ気密断熱の方達の伝家の宝刀として引用され続けてきました。この発言は、当時兼好法師が住まわれていた京都盆地の気候に由来するもので、冬寒く、夏は蒸し暑い盆地の気候を捕まえて、四季を通して考えれば、住まいは一番辛い夏を考慮して...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.06.27 Tue 06:34

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