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波の回廊 11

    「部長、現金じゃなくて預手(よて)ではだめなんですか?」 総務課長が訊いた。 預手とは預金小切手のことである。現金紛失や詐欺などの事故を防止するために古くからある銀行振り出しの小切手のことだ。 その小切手を現金化するためには、どこの銀行でもいいが窓口に持っていかなければならない。したがって、盗んだものだとすれば犯人は必ず足がつく。備え付けられた防犯カメラによって容姿(ようし)風体が一目瞭然となるからだ。 また、預手は線引き小切手として発行されるのが一般的である。 ...

 at dawn | 2018.02.04 Sun 10:08

詩『円環:A Life On A Circle』

おわりもなければはじまりもない わたしのめのまえにあるのは 純粋な円の軌道上を周回するちっぽけな光点なのだ その光点はじつはいくつものめにみえない軌道上にあるという そういってそのひとは、そのうちのひとつをあきらかにする ふたつのことなる円がせっし、その接点に光点がある ひじょうにかぼそいはちのじがみえる わたしにははちのじを構成するふたつの円が回転しているようにみえるがそうではない うごいているのは光点なのだとそのひとはかたる 円をなす軌道はいくひゃくもいくせんも実際にありその結果、...

with a kiss, passing the key | 2018.02.04 Sun 00:00

波の回廊 10

    彼女は奥にいる五十絡みの男に歩み寄り、通帳を渡して何か話し始めた。 男はちらっと幸一を見た。そして電話をとった。 そばに立つ女は、見張るような目を幸一に向け、じっと目を離さない。 一瞬、幸一は逃げようと思った。 と、そのとき、電話を終えた男が立ちあがり、うしろのロッカーをあけた。 背広の上着に手を通し、幸一に向かって笑顔で会釈するとカウンターの前までやってきた。 「すみませんが、中にお入り頂けますでしょうか」 男は幸一をカウンターの中に招き入れた。 「本店...

 at dawn | 2018.02.03 Sat 10:46

波の回廊 9

    新幹線は朝の五時半に起きた福島沖の地震のせいで予定より遅れ、待ち合わせ場所の飯田橋西口についたのは約束の十二時を少し過ぎていた。 改札口で待っていた男が右手をあげて幸一を迎え、二人は通り沿いにある中華料理の店に入った。 昼めしどきで満席である。 外の長椅子で待っていると、一番奥の四人掛けのテーブルがあいたと店の者が呼びに来た。ほかのテーブルは二人掛けで隣りも近く、話を聞かれたら困ると心配しながら待っていた幸一は、(ついてるぞ)と心で思った。   小一時間ほど...

 at dawn | 2018.02.02 Fri 09:27

波の回廊 7

    たからくじの当選金額は五千万円。 喜び勇んでみずほ銀行の札幌支店に行ったが、高額当選のカネは支店レベルでは全額払うことはできませんといわれ、一千万円だけ払ってくれた。残りは東京の本店で払うというから、あした貰いに行ってくる。 変な格好じゃ行けないし、身なりを整えるために買ってきたと幸一はまことしやかに説明した。 しかし信子は信じなかった。 当たりの番号いってみろとか、いつ当たったのか、どこの売り場で買ったのかなどと疑いぶかく訊いてきたが、それらの質問にも幸一は用...

 at dawn | 2018.02.01 Thu 10:11

波の回廊 7

    まずはリュックのカネをどうするかだ。現金で一千八十万円もある。 自衛隊の病院でリュックのカネを数えたとき、幸一は見たこともない大金を前に度肝を抜かれ、そしてたじろいだ。 帯封のついた百万円が十束そのまま、五十万と三十万がふたつの封筒に分けられて入っていたのだ。 リュックの中身は現金だけではない。金庫の中のものはすべて持ってきたので預金通帳も三冊あった。 会社名義の通帳残高は一億五千七十万円だ。七千五百万ずつ二段にわけての入金があるが、これは社長がいっていた電機メ...

 at dawn | 2018.01.31 Wed 01:38

考える病気

うまれた時から考える病気 世代交代は必要ない、思考だけが宙ぶらりんで うまれた時から考える病気 欲しいものから順番に食べて、足りなくなっても知らんぷり うまれた時から考える病気 記憶は記録にすり替わって、残った頭はすっからかんで うまれた時から考える病気 こぼれ落ちていく言葉たちを、親指ではね返している

未消化排出物 | 2018.01.30 Tue 23:45

波の回廊 6

    「新千歳空港までお願いします」 運転手は無言で車を出したが、走り始めてから、「何時の飛行機ですか」と訊いてきた。 だが、幸一は新潟行きの時間を知らない。空港に着いてから調べようと思っていたのだ。 「何時ですか?」 再び運転手が訊いてきた。 と、そのとき、東京行きなら朝早くからたくさん飛んでいるのを思い出した。 「急用で東京に行かなければならないんです。間に合う飛行機に乗ろうと思って……」 「へえぇ、そりゃ大変ですね」 そうはいうものの、バック...

 at dawn | 2018.01.30 Tue 09:36

波の回廊 5

  翌朝になると、ヘリコプターの爆音は減ったが、病院内は依然としてごった返していた。 昼すぎになって、幸一はナースステーションに呼ばれ、医師が検査結果を教えてくれた。 「特別な異常はありませんでしたよ。ただ、相当怖かったようですね」 幸一は頷いた。 「いまは点滴をしていますが、あしたには退院できると思います」 幸一が礼をいうと、 「失礼ですが、おとうさまですか?」 「はい」 「これからどちらへ?」 「東京に行くつもりです」 「ご親戚かなにか?」 「はい」 疑わ...

 at dawn | 2018.01.29 Mon 10:19

波の回廊 4

    高台には大勢の人が集まっていた。誰それがいないとか、ばあちゃんを置いてきたとか、身内を探す声が飛び交っていた。 「みよちゃんはどこ? あんた、一緒じゃなかったの!?」 責めるような女の声が聞こえた。 「途中まではいたんだが」 「わたし、いってくる!」 「バカ! いま戻ったら津波にまかれてしまうぞ!」 「そうだ、奥さん、十年前のあの津波を忘れたか!」 幸一はその声で我(われ)に返った。 登ってくる人々とぶつかりながら、急いで社長の家に戻ると、瓦礫の中でありさ...

 at dawn | 2018.01.28 Sun 09:20

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