• JUGEMテーマ
  • MonoColle
  • PICTO

ブログテーマ

ユーザーテーマ

小説/詩

このテーマに投稿された記事:64231件 | このテーマのURL:http://jugem.jp/theme/c279/32/
小説/詩
このテーマについて
JUGEMの旧公式テーマです
このテーマで記事を投稿する
このテーマに投稿された記事
rss

< 2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12 >

波の回廊 29

    おろした金額もいわず、個人的に来たといって帰った怪しげな男……。 そんな佐伯支店長のことを誰かに訊くわけにもいかず、預金をおろしたという事実を確かめようにも幸一とは連絡がつかないのだ。本店に電話をするなという佐伯のいい分も、もし本当なら、わからないでもない。 信子は佐伯を送り出してから悶々とした気持ちになったが、ガチャガチャと佑子が物を引っ張り出す音で我に返った。 佑子が気持ちを切り替えさせてくれたのだ。   幸一の所在がわからないままに、とう...

 at dawn | 2018.02.22 Thu 10:23

波の回廊 28

    佐伯いわく、幸一が、会社のおカネを持ったまま行方不明だというのだ。 会社の人間はみんな亡くなり、当初は幸一も死んだものと思われたが、預金の保護を進めていくうちに、生き残った幸一が島を出て江差町の本店まで行き、会社の預金のほぼ全額を引き出していたことがわかった。何か会社関係のことで使うのだろうとは思うが、会社のおカネである以上、しかも、社長以下役員全員が死亡しているからには、どうしても幸一から話を聞かなければならないという。 また、佐伯は銀行にいわれて来たのではなく、幸...

 at dawn | 2018.02.21 Wed 09:13

波の回廊 27

                 6   幸一の母信子は、相変わらず佑子中心の生活を続けていた。 面倒くさい夫も、気になる恋人もおらず、店もそこそこ繁盛している信子は、自分のことだけ考えて我が世の春を楽しむこともできたが、信子は佑子の世話をすればするほど、男まさりと思えた自分の心に、やさしさが生まれてくるのを知った。 自分自身が、やさしい心の自分を感じとることができるのだ。それは、男によっても、息子によっても得られなかった不思議な感覚であり、エルメスのスカーフや、シ...

 at dawn | 2018.02.20 Tue 09:03

波の回廊 26

    家に帰ると、妻の泰子が心なしか元気がない。函館から友だちが来て、帰ったばかりだという。 権蔵は風呂に入った。 湯船につかりながら島で会った人々の顔を思い浮かべ、記事の構成を考えているうちに長風呂になってしまった。 「権蔵さん、大丈夫?」 泰子が、風呂の戸をあけて顔をだした。 「ああ、よかった。あんまり長いから、なんかあったのかと」 泰子はいつも権蔵のことを心配してくれるのだ。 結婚が決まったとき、おまえに泰子さんはもったいないと、権蔵はまわりからさんざんい...

 at dawn | 2018.02.19 Mon 10:24

波の回廊 25

    彼らの話はこうだった。 片方の男の彼女がコンビニで働いているが、その店に、里帰りした不動産屋のひとり娘が幼娘(おさなご)を連れてよく買い物に来たという。 一歳ちょっとのその子は、ありさという名前で、目を合わせるといつも笑ってくれたのでよく覚えていたらしい。 あの地震のとき、彼女は命からがら高台へ逃げたが、そこでその子を見かけたというのである。 逃げてきた大勢の人の中で子どもが激しく泣いていた。どうしたのかとまわりを見ると、すぐそばで不動産屋の男が子どもを懸命にあや...

 at dawn | 2018.02.18 Sun 10:18

詩『パネル:Panels』

罫線がいくつも直行していればそれは将棋盤 くろしろにぬりわけてあればチェス・ボード 碁盤ってどういうのだっけ? わたしの足許にあるのは微妙な多角形であって しきつねられたそれらは、しかもうねうねとどこまでもつづく それはここが水平ではない証拠 将棋もチェスもできない場所 つまりわたしはアリスでもない もしも多角形がまじわる交点から芽ばえていれば いつかここは森になる でも、それまでわたしはまっていられるだろうか 陽がのぼれば朝なのだろうし 風がふけばわたりどりもまうかもしれない しかし、...

with a kiss, passing the key | 2018.02.18 Sun 00:00

【歴史小説】五右衛門忍法帖〜第十三之巻〜

JUGEMテーマ:小説/詩     【五右衛門忍法帖】 第十三之巻

浮世月。 | 2018.02.17 Sat 12:23

波の回廊 24

    権蔵は道路工事の音を聞きながら、ゆっくりと歩いていた。 地震直後にあった道路脇のたくさんの瓦礫は取り除かれ、あたりは平坦になりつつあったが、海から離れた陸地の奥に、漁船がまだひっくり返ったままで腹を見せていた。 「俺にことわりもしねえで、船をあんな所まで持っていきやがって」 権蔵の後ろで声がした。 振り返ると、頬がこけ、眼窩がくぼんだ細枝のような男がいた。 子どものような背丈で、腰が曲がり、杖をついている。相当な歳だ。九十は過ぎているだろう。 「じいさんの船か...

 at dawn | 2018.02.17 Sat 11:14

単発ブログエッセイ「ハッスルばあちゃん伝説〜老婦人もブームには目がないんやで!!〜」

母方の祖母(通称、ハッスルばあちゃん)が亡くなってから、早くも今日で2ヶ月が経ちました。 何だか、未だに信じられないような気がしますが、ハッスルばあちゃんのエピソードは沢山ありますので、知られざるハッスルばあちゃんの素顔を、毎月1回はお届けしていこうと思います。 では、こちらをご覧ください。 〈ハッスルばあちゃんは、とにかく気が若い人であり、その時々の流行に敏感な人だった。 とりわけ、一時代を象徴するほどのブームになった人や物を直に見たいという好奇心が人一倍強かったようで、“なんちゃっておじ...

素晴らしき出会いに…乾杯!!〜良き人・良き物・良き話〜 | 2018.02.16 Fri 16:49

波の回廊 23

    信子と同じ町内に、ひとり暮らしのばあさんがいた。 おせっかいにも、信子に会うたびに同じことを忠告してくる。 小さいうちは人ごみに連れて行っちゃダメだと盛んにいうが、信子はお構いなしに佑子を連れ歩き、デパートに行っては子ども服をたくさん買った。 「まあ、かわいい!」 こういわれるのは毎度のことで、「若いステキなおばあちゃまに、かわいいお嬢ちゃん。まるで映画のワンシーンみたいね」と、大声でいわれたときには、まわりの人も足を止め、そうだそうだといわんばかりに笑顔を向け...

 at dawn | 2018.02.16 Fri 08:46

このテーマに記事を投稿する"

< 2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12 >

全1000件中 61 - 70 件表示 (7/100 ページ)

[PR] レンタルサーバー heteml [ヘテムル]
あなたのクリエイティブを刺激する、
200.71GBの大容量と便利な高機能!