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小説/詩

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小説/詩
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波の回廊 71

    今年の正月に、北海道神宮へ初詣に行ったときのことだ。 お参りがすんで帰ろうとすると、となりの泰子が、手を合わせたままの姿勢で動こうとしない。 祈りを続けているとは思えず、「おい、どうした。行くぞ」と権蔵が声をかけると、「神様にお願いすることがたくさんあってね」と、泰子は何食わぬ顔で答えたのだ。 あのときは何とも思わなかったが、最近になって同じようなことが何度かある。 今朝も出かけに、権蔵が先に玄関を出て待っていると、泰子がなかなか出てこない。戻って部屋まで呼びに...

 at dawn | 2018.04.05 Thu 09:43

【歴史小説】五右衛門忍法帖 息抜き語録〜鴉&百舌姉妹篇〜後編

JUGEMテーマ:小説/詩   【五右衛門忍法帖 息抜き語録】 鴉&百舌姉妹篇 後編

浮世月。 | 2018.04.04 Wed 12:51

波の回廊 68

    「ご結婚はいつごろの予定ですか?」 金村が突如として訊いた。信子は焦ってしまった。 「なにいってんの。――ごめんなさい。この人、なにをいい出すのか」 信子は金村を制して首を横に振った。すると、佑子がいった。 「一樹さん、転勤になってしまったの」 「えっ、どこへ」 「釧路のほう」 「いつから?」 「この四月から」 山宮は四月一日付で釧路管内の白糠という町へ異動になったのだ。 人口が八千人ほどの小さな田舎町で、昔は炭鉱と漁業で賑わったが、今はシシャモの水揚...

 at dawn | 2018.04.02 Mon 09:12

ガラスの靴はラメ入りだった

  ちいさな頃 リカちゃん人形の頭の地肌の点々がどうしてもきらいでほとんど遊ばなかった   リカちゃんやジェニーちゃんの靴を脱がせてシルバニアファミリーのうさぎに履かせようとした     みみぴ( = ・ ω ・ = )                          

惑星フルーツ | 2018.04.02 Mon 08:24

波の回廊 67

    信子たち三人は、話をしながら金村を待っているが、いやに金村の帰りが遅い。電話があってから一時間ちかくにもなるのだ。 信子が金村に電話してみようと思ったとき、チャイムがなって金村が帰ってきた。 ドアをあけて、信子は思わず声をあげた。 「どうしたの、その格好!?」 紺のジャケットにうすいピンクのシャツ。白いパンツにベージュの靴。グレー一色の作業着男が、ちょい悪オヤジに変身していた。まだ春なのに、夏の先取りのような格好だ。 仕事が終わったらこれに着替えて来てねと、出...

 at dawn | 2018.04.01 Sun 09:06

詩『病床異夢:Sleeping In The Sickbed With Different Dreams』

SAに

with a kiss, passing the key | 2018.04.01 Sun 00:00

波の回廊 66

    プロダクションの寮で暮らしていた佑子は、その後二度も住まいをかえた。 ストーカーに狙われただけでなく、脅迫の手紙や不気味な荷物がマンションの管理人に届いたり、尊敬していたテレビ局のプロデューサーから食事のあとでホテルの部屋に連れ込まれそうになったりと、勉強どころではなかったが、それでも佑子は頑張って高校を卒業した。 エレベーター式の学園は、大学の文学部を推薦したが、裕福な子弟が多い独特な雰囲気に違和感を感じていた佑子は、英語が得意なせいもあって国際キリスト教大学に入...

 at dawn | 2018.03.31 Sat 08:43

波の回廊 65

    風がでてきて、信子の髪がなびいた。 「帰ろうか?」 金村がいうと、信子は黙って頷いた。 少し歩いて、信子は金村の後ろから声をかけた。 「髪が白くなったね」 体型は変わらないが、明らかに金村の白髪(しらが)は増えている。 「誰だって、六十すぎりゃ白くなるさ」 坂をくだりながら金村がいった。 駐車場の車に戻り、信子は助手席のシートベルトをしめた。 「あの地震から、すべてが変わってしまったわ。……ねっ?」 信子は金村の横顔を見ていった。 「昨日の...

 at dawn | 2018.03.30 Fri 09:09

波の回廊 64

    「ちょっと待って」 信子は食卓を離れた。佑子が遊びに来て一緒に昼食を食べているのだ。 「それで?」 「幸一は日本に帰っているぞ」 「えっ!?」 つい、大きな声が出てしまった。慌てて佑子を見るとこっちに視線を向けている。あなたに関係ないのよと手を振って、信子は佑子に背を向けた。 「それ、どういうこと?」 「とにかく、こっちにはいないようだ。大家(おおや)にも会ったし、学校にも行ってきた。英語がよくわからんので苦労したけどな」 金村は次のように話した。  ...

 at dawn | 2018.03.29 Thu 09:01

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