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JUGEMテーマ:小説/詩 「ん」オリュクスは走りながら、一瞬上を見上げた。 「オリュクス! ここだ、ぼくだよレイヴンだ!」レイヴンは叫んだ。 だがオリュクスはすぐに前を向き、そのまま走り抜けた。立ち止まりもせず、それどころか一ミリパーセクたりとも速度を落としすらせず。 「オリュクス?」レイヴンは愕然としながらその動物の背を追視した。「待つんだ、君!」 オリュクスの背はみるみる小さくなってゆく。 「オリュクス!」レイヴンはもう一度叫び、そしてようやく今ど...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.06.14 Fri 23:37
夜のジャングルを歩く時、絶対に言葉を発してはいけない。機械で出来たバジリスクが襲い来るからである。機械とは言えバジリスク。目を合わせれば石にされ、毒ガスに触れても石になる。石化したら金の針を刺せば元に戻れるという伝承もあるが、科学技術を上乗せした魔物が相手では分が悪い。それ以前に金なんて柔らかい物が石に刺さるのかも疑わしい。力の入れ方を間違えたら針の方がすぐ折れてしまうかも知れない。そうなったら高価な金を一人の人間に何本も使ってはいられない。彼女ないし彼はウィザードリィの序盤で死んだキャラ...
メカニカルバジリスク | 2024.06.13 Thu 22:41
JUGEMテーマ:小説/詩 「レイヴン」 キオスの呼ぶ声にはっと我を覚えたレイヴンだった。「あ、ああ」 「あのチンパンジーは……どうするの?」キオスは、どこかおずおずとしながらそう訊ねてきた。 「え」レイヴンは一瞬、どのチンパンジーのことなのかわからなかったのだが、すぐにはっと記憶を取り戻した。「あ、ああ」地上を見下ろす。 黒焦げの無残な姿になったチンパンジーはそのままそこにいた。 「──ぼくたちには、何もできないな……」レイヴンは...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.06.08 Sat 07:25
「これからどうするんですか?」 「わからない。いくら見ても聞いても食べても、俺には何もないんだ」 今書いてるのが25000字くらいになり、こねこね直したりしている。文字数進捗がなくなると途端にやってる感がなくなるな。これだけ書いても25000字。10万字とか書いてるひとの気が知れない(褒めてる)。何字書いたら本にしていいんですか? 教えてえらいひと。 借りていた『北斎になりすました女 葛飾応為伝』を読み終えた。資料があまりに少ないがために推測するしかない部分が多いのだろう。読む側としてもほとんど...
水平線上の雨 | 2024.06.03 Mon 19:50
JUGEMテーマ:小説/詩 レイヴンはその後、チンパンジーの群れに声をかける機会を見つけられないまま、彼らが群れの仲間の一頭の元へ向かい、その対象に対し金切声を挙げながらよってたかって叩いたり引っ掻いたり噛みついたりし始めるのを傍で眺めることしかできなかった。「レイヴン」キオスが叫ぶ。「大変だよ。やめさせなきゃ」 「あいつらの言う『さばく』って、こういうことなのか」コスも戦慄を覚えたように茫然と呟く。 レイヴンは二人の声のおかげではっと我に返ることができたが、...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2024.05.24 Fri 22:48
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