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最近、父親と喧嘩する夢を見なくなった。というか夢に出てくる父親が優しくなった気がする。生前と、死んでから二年ちょっとは、夢で会うたび喧嘩とか、感情的な父親を論破し怒鳴り、その大声に驚いて起きる事が多かった。自分の怒声で目覚めるのも嫌なら、実の父を罵倒するのも後味が悪い。大声まで行かなくともぶつぶつと唸るのを聞いて連れが起こしてくれる事もあり、浅い眠りの中で親娘の葛藤を繰り広げていたようである。 別に父との記憶が悪いものばかりではないのだが、ちょっとした失敗で怒られたり、突然機嫌が悪くなっ...
記4 | 2026.04.08 Wed 19:01
自分の機嫌は意外と分からないもので、テキパキ動いているつもりが苛ついているだけだったり、落ち着いた気分と思いきや内に籠って暗い時もある。一人なら誰に当たる事もないから良いが、連れと暮らしている以上、余計な迷惑をかける危険は常に孕む。突然怒ったり泣いたり負の感情をぶつける人間と始終一緒なのはさぞ面倒だろうから、わたしは自分の感情と和解しなければならない。 実家が自営業だった関係で両親とは三百六十五日一緒におり、それに不快も感じなかった一方、一人になるのも苦手ではなく、遊んだり話したりする相...
記4 | 2026.04.07 Tue 19:09
わたしなりに考えた知性の定義みたいなものがある。自分の邪悪さを理解し、向き合い、受け入れ、表に出さないよう制御する、の四段階である。何やらマズローの欲求段階を思い出しそうだし、実際根拠の無さやいい加減さは似たようなものだと思う。わたしは現代のマズロー美少女である。有り難がってはいけない。 世間から感じるのは、自分の邪悪さを理解していないくせ分かっているつもりの人間が多い事である。自分探しだ自己分析だと若い頃に言われ続けた人間達だがそこで知ろうとするのは自分の良さとか長所ばかりで、何が悪く...
記4 | 2026.04.05 Sun 02:37
JUGEMテーマ:小説/詩 「君が帰るのは、今じゃない。そうだろう?」ラサエルの声は、いつもと同じく穏やかで温かいものだった。 「ラサエル……?」それなのに、レイヴンには彼の本心が何なのかについての不安が、冷たく圧しかかった。 「君は」そんなレイヴンの心情を恐らく察した上で、ラサエルは変わらずゆっくりと話を続けた。「子どもたちに、そして俺に、会いたいんだよな?」 「ああ!」対するレイヴンは感情の赴くまま声を張り上げた。「もちろんそうさ、今すぐ会って」 ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2026.04.04 Sat 12:20
そうです。それが私、ポインターといいます。 過去作含めてひたすらに推敲。トータル55000字。これは多いんですかね、少ないんですかね、何も……わからぬ……と思っていたら、同じ文字くらいでZINEを発行された人のポストが回ってきて勇気づけられる。 冬乃くじ『猫の上で暮らす一族の話』。最高でした。私は何を読まされているんだ、シュールであると同時にしっかりとした空想の手応え、時折真に迫る観察眼。表題作のラストへの躍動感は白眉だった。「サトゥルヌスの子ら」素晴らしい。この作品を読めてよかった。「ある書物が...
水平線上の雨 | 2026.04.01 Wed 22:32
本を読んだり風邪を引いている間に三月が過ぎ去り、髪を切ったら新年度に居た。信じられない。本当に三月は終わったのだろうか。四月の実感など一つもなく、まして年度が変わったなんて遠い異国の出来事としか思えない。しかし、十六時半に流れる区のチャイムが十七時半に移ったし、月初恒例の防災強化無線も流れたので、やはり時は更新されたのだろう。どうにも身体だけ未来に進んで精神は三歩くらい後ろに取り残された気分である。冬枯れの立木が雪に覆われ目を瞑っているような、鉱毒に汚染された山の最後の木々が諦めの表情を浮...
記4 | 2026.04.01 Wed 22:20
生まれて初めて昆布水つけ麺なるものを食べた。麺が冷たい昆布出汁に浸かっており、食べる際は熱いスープに移す。昆布出汁は味付けされておらず、そのまま食べると薄いが麺に絡むと塩味を程よく薄めてくれる。スープ自体もドロドロしない塩や醤油がベースのタイプで、多少飲んでもあまり罪悪感がない。同じ店で売られている通常のつけ麺は濃厚魚介出汁の濁ったものだったから、昆布水つけ麺は同ジャンルの中でも別枠と考えるべき一品なのだろう。つけ麺というと魚粉たっぷりで塩辛く、スープは割っても飲むに耐えないほど重いイメー...
記4 | 2026.03.31 Tue 18:44
テーブルの椅子に座ってご飯を食べ始めたら、母親が懐かしそうに思い出話を始めた。 ・・・珍しい・・・。 「諒はねー、小さく生まれたのよ〜。小学校の時は、4年生位まで?並ぶと一番前だったのに、それが今じゃ、こんなでかくなってー。いつの間にか、あっという間にまゆこの身長、抜かしたものね。あの時の産婦人科の先生もきっとびっくりよね。バスケやってたからかなぁ〜・・・。」 「・・・生まれた時、俺、どうだった?・・・すぐ生まれた?」 「そうねー、ちょっと時間かかったかなー、お母さん、玲...
碧海 | 2026.03.29 Sun 16:43
「もうー、お姉ちゃんったらー。両親もー。」 「あはははは!」 「・・・笑っていいのか悪いのか、判断に迷う・・・。」 「・・・思い出したらおなかが痛い・・・。・・・でも・・・、そっか・・・。そうなんだ・・・、じゃあ・・・えっと・・・、バッグに入れてきたかな・・・。車の中だっけかな・・・。あ、バッグの中にあったあった。」 ・・・ お姉ちゃん、バッグの中から大事そうに白い四角い封筒を出すと、神妙な顔をして、私に差し出した。 ・・・ 「はい、これ。・・・今見てもいいし・・・。後...
碧海 | 2026.03.29 Sun 10:58
あれ・・・、なんか急に涙が・・・。 「えへへ・・・。また泣けてきちゃった・・・。ごめんね・・・、迷惑かけた張本人が勝手に思い出して、勝手にしゃべり始めて・・・、勝手に泣いて・・・。」 バッグからハンカチを出して、目を押さえた。 泣き笑い・・・。 「・・・ううん・・・。いっぱい泣きなよ・・・。一番つらかったのは奈津美なんだから・・・。よく耐えたね・・・。」 「・・・ううん・・・。お姉ちゃんとお父さんとお母さんの方がつらかったよね・・・、絶対・・・。あたしなんか当事者なんだか...
碧海 | 2026.03.29 Sun 10:48
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