JUGEMテーマ:小説/詩 「うん、なぜギルドがレイヴンを狙っているのかについては、国を挙げて考察し、場合によってはギルドへ直談判を試みるとのことです」 モサヒーからそういった報せが届いたのは、彼と実際には分かれてからしばらく時が経った頃だった。 「そうか。ありがとう。国にもそう伝えておいてくれ。それから」レイヴンは少し間を開け「可能ならば、ぼくの家族にも──すべて順調にいってるから心配しなくていいと、伝えてもらえると嬉しい」 「うん、承知しました」モサヒーはし...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.03.01 Sat 14:42
JUGEMテーマ:小説/詩 ふさふさの尻尾を揺らめかせながら、大地を歩く。 今日届いた情報を頭の中で整理しつつ、だが周囲の状況が見えなくなったりは決してせず、それでも一定の速度を保ちながら前進する。 とはいえ事態は予測を越えて複雑になってきたようだ。 まず、タイム・クルセイダーズの動き。当初は確かに、半月の頃奴らが大挙して押し寄せて来るという情報が来ていた。それが、前倒しに次ぐ前倒しといった形で、今となってはまるで無法地帯のごとくに『奴らだらけ』となって...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.02.21 Fri 21:28
JUGEMテーマ:小説/詩 2007.07.25 Wednesday 夢色の代 夢色の代 「ここから始まる素晴らしい時代へようこそ! あなたが歴史を作る信じられないほどの 奇跡の幕開け!」 今から何が起こるのかって? 信じちゃだめさ? 信じちゃだめだ! それでも目を閉じるかい? 聞かなかった事にするかい? 何も言わずに通り過ぎるかい? いいや もう出来ないさ 君は、足を踏み入れたんだから! 悪魔との問答くらい、安々と通過 君は、もうどんな嘘にも惑わされない かつて分からなかった全てのこ...
Jupiter~夢を失わずに~ | 2025.02.21 Fri 18:59
大体にして文章というものは、自分からできるだけ遠い存在に向けて書いた方が精度を上げられる。家族よりも友人、友人よりも昔の知り合い、外国の方、そして死人。死人については、すべからく遠いとも言えないが、この間知人が亡くなったので本日は彼女が読むことを想定して書いてみようと思う。 と言ってもわたくしが彼女について知っている事は少ない。享年を聞いて初めて正確な年齢が分かった程度の間柄である。他にはカフェでアルバイトをしていて、ご実家は割りかしやんごとない家系らしい。 昔だったらそういう話をどん...
記4 | 2025.02.12 Wed 20:58
JUGEMテーマ:小説/詩 マダガスカル島を脱出した後、コードルルーはどこへ行くあてもないまま海の上を飛んでいた。 他の者と鉢合わせぬよう──初めはそう思っていたが、なんだか段々ばからしくなってきた。その言い方が悪いならば、非効率的に過ぎる、とでも換言しよう。 どこへ行ったところで、鉢合わせする時はするものだし、逆にまったく傍合わせなどしないかも知れない。 地球に送り込まれたギルド員たちの数は確かに多いが、ここ地球という星の表面積はなかなかどうして広い。 ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.02.08 Sat 00:04
手の届く範囲なんて、一メートル以内で充分だ。俺は、すぐそばにいる誰かを大切にしたり、笑い合ったりしたかっただけだ。 「夜に」停止中。中編の最終話4500→12000。割とぐだぐだで、インプットが足りなさすぎることが原因。ペースを保って進捗を得るため、一日の文字数をちゃんとカウントしようとしている。こういうのを勝手にやってくれる仕組みがあればいいのに。 小説は一冊を亀のように読んでいる。 弐瓶勉『タワーダンジョン』3巻。よい。 黒田硫黄『茄子』1巻を無料で読んで圧倒される。買いたいマンガばか...
水平線上の雨 | 2025.02.02 Sun 22:44
JUGEMテーマ:小説/詩 「うん、ぼくです」 すぐに返事が返って来た。モサヒーの声だ──と思われた。 セキセイインコたちは相変わらず、遥か下方でわいわいと騒いでいる。聞こえて来るモサヒーの声は対してごくか細く、検知帯の全細胞に膨大なエネルギーを流し込んで聞き取らなければ、ただの風の音としてしか判断できなくなる怖れがあった。 「モサヒー、君だね」レイヴンはさらに上方へ浮かび上がり、もう一度確認した。 「うん、モサヒーです」すぐに返事が返って来た。 「ああ」レイヴンは大い...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2025.02.01 Sat 12:03
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