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JUNE/BL/ML

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JUNE/BL/MLなど言われる、男×男などの同性愛要素を含む創作小説テーマです。
※ R-18作品には必ず分かるように明記しましょう。
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水のない川 5

 「おばあちゃん、表の窓ふき終わったで。あとどこ拭いたらええん?」  慎一は雑巾をつけたバケツを持って、台所にいる祖母に声を掛ける。  「あとはお風呂とはばかりさんの窓だけや。朝からようおきばりやしたなぁ。ほっこりしたやろ? 今日はもう終いにして、ゆっくりしとき」  昆布巻きの準備をしながら祖母が言った。黒豆を炊く甘い匂いが漂ってくる。うちはお醤油を入れて炊くから、ほんのりみたらし団子みたいな香ばしい匂いもする。  「そんだけやったら、もう今やってしもとくわ」  トイレと風呂の窓なら小さい...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.12 Wed 09:52

隣に住むひと 31 (完)

 ◇◇◇ ◇◇◇  ぽかりと目が開くと、煌々と、明るい空間にいた。  ここはどこだろう。眩しすぎて、目が痛い。 「まだ眩しいか?そのうち馴れる。大丈夫だ」  声の方を見る。大きなひとの姿が見えた。綺麗な顔。宇宙のような、藍色の瞳。長く伸びた銀藍の髪。すっきりと伸びた、一本角。  初めて見るひとなのに、ずいぶんと懐かしい気がした。 「おはよう。やっと目覚めたね。ずっと待っていたんだよ」  悪魔はそっと、優しく手を伸ばして、小さな小さな子供の形をしたものを手のひらに載せた。  それは暖かく...

真昼の月 | 2020.02.12 Wed 08:04

隣に住むひと 29 

「すいませんでした。お怪我はありませんでしたか?」 「まだ若いつもりなのに、そんなに心配されたら傷つくなぁ」 「あ、すいません!私、そんなつもりじゃ!!」 「冗談ですよ。ありがとう。今時感心なお子さんですね」  湊斗が笑うと、母親はちょっとバツが悪そうに、それでも嬉しそうに微笑んで、「まだまだヤンチャで」と言い訳をした。それから何度も頭を下げながら、遊具のあるコーナーに子供と一緒に歩いて行く。  子供は何度か振り返って湊斗の姿を確認した。そのたびに手を振ってやると、嬉しそうに小さな手を大き...

真昼の月 | 2020.02.12 Wed 08:03

水のない川 4

 聖ステファノ祭の当日。  バザーは、メインの会場が体育館と講堂。クッキーや焼菓子を用意するクラスは、食堂の厨房で作って食堂ホール前で販売する。  カフェテラスで飲物を提供するクラスもあり、ギャルソンの格好をしたイケメン男子生徒が給仕してくれるとあって大盛況だった。  ギャルソン役は作る方に回らなくていいから楽そうだと競争率が高かったらしいが、イケメン順に選ばれるからそこはシビアだった。  体育館と講堂は、各クラスが作った作品をそれぞれのブースに並べて販売する形だから、よくあるハンドメイド...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.11 Tue 11:27

隣に住むひと 28

「どうした、アディ?」 「いや、そろそろ昼休みが終わるんじゃないか?」  そう言ってアディが湊斗から離れた瞬間。 「あれ?課長、ここにいたんですか?」  後ろからいきなり声を掛けられて、湊斗は驚いてその声の方を振り返った。同じ課内の女子社員が3人、一緒に並んで立っている。湊斗も驚いたが、向こうも驚いた顔をしていた。 「今、課長いないなって話してたんですよ?課長、どこにいたんですか?」 「……え?そこにいたけど?」 「え〜、気づかなかった!」 「ね、課長、私達も一緒にコー...

真昼の月 | 2020.02.11 Tue 08:10

水のない川 3

 「遅い! まったくお前はいつもふらふらと。どこで油売ってた?」  校門の外、車を横付けして待っていた近藤がやっと戻ってきた高嶋を睨む。  近藤の身長は高嶋とそう変わらないが、黙っていれば細身で理知的な学者のような雰囲気。手足のパーツが大きく骨太でがっしりした体型の高嶋と並ぶと対照的だ。  高嶋の前限定で口が悪くて怒りっぽくなるから、その雰囲気は途端に霧散する。  「いやー、もうそんな季節なんだなーと思って」  助手席に乗り込みながら、いつもの調子でへらへらしている高嶋。  「は?そんな季節...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.10 Mon 13:53

隣に住むひと 27

 お前には寂しい思いをさせた?そんな事、思ったこともないくせに。もしも少しでもそう思ったことがあるのなら、俺に何か言葉をかけてくれたことがあっても良いはずだ。  でも、湊斗は父親の姿すら、見たこともなかった。  それは夏休みでも正月でも同じ事で、父親は家にいても書斎から出てくることはなく、湊斗がいても挨拶を返したことすらないのだ。  リタイアしてやることがなくなったから、俺の仕事について根掘り葉掘り聞いて、仕事をしている気にでもなりたいのだろうか。部外者に内部情報を漏らすような真似をする...

真昼の月 | 2020.02.10 Mon 08:02

水のない川 2

 「馨はこっち」  慎一は、針を持とうとしていた馨に、鋏とマチ針で留めた布を渡す。  「マチは1センチくらい、で、ここのカーブのところは5ミリ間隔くらいで切り目を入れるんだ。こんなふうにね」  見本に切った奴を見せながら説明した。  馨は難しい顏で聞いている。見本の切り目を見ながら、ぱちぱちと瞬きしながら訊く。長くてくるんと上がった睫が揺れた。  「これ、このラインぎりぎりまで切れ目入れるの?」  「そう。その方がカーブとか丸みが綺麗に出るんだ。布がもたつかないから」  「うーん。わかった」 ...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.09 Sun 20:19

隣に住むひと 26

  ……こんな時間に電話をかけてくるなんて。自分が子供の頃は、仕事中に電話をすればあからさまに罵られたのに……。  それでも、後の面倒さを考えて、湊斗は電話に出る事にした。年も年だし、緊急連絡でもいけない。 「はい、もしもし。……どうしました?」  それは、父からの電話だった。母から電話がかかってくることはたまにあるが、父からの電話は珍しい。 『ああ、湊斗か。実はな。仕事を引退することにしたんだよ』  いきなり何の前置きもなくそんな話をしだす父に、湊は...

真昼の月 | 2020.02.09 Sun 08:01

水のない川 1

   「お人形さんがいるな」  窓の外をぼんやり眺めていた高嶋 幸成が、ちょっと驚いたように楽しそうな声音で呟いた。  仕事に身が入らない社長の代わりに、この学院の生徒会長、渕上 崇成と、9月末に行われる学院祭でのイベントの件で打ち合わせをしていた近藤 充希が、  「は?」  と振り返る。  「――ああ、二年生の綺麗どころですね。あの二人、仲が良いから。よく一緒にいますよ」  渕上が、窓の外に目を遣って答える。  「よそ見してないで、ちゃんと仕事しろよ。このボンクラ社長が」   近藤...

サバクノバラトウミノホシ。 | 2020.02.08 Sat 22:46

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