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「円山応挙 革新者から巨匠へ」三井記念美術館(東京・日本橋)

三井記念美術館の「円山応挙 革新者から巨匠へ」を最終日に何とか見てきました。  話題の伊藤若冲・円山応挙合作の屏風も展示されていますなが、なんといっても本展は三井家との関係に着目して作品が選出されているのが大きな特長でしょう。白狐図、驟雨江村図なども大変感銘を受けました。  特に今回、注目したのは、桜木地茶箱の内側に応挙下絵で流水に桜を肉合研出蒔絵で表した山本春正の作銘の写真が、図録で初めて公開されたことです。その作銘が蒔絵博物館で公開している桜柳蒔絵硯箱と同じだとし、山本安兵衛家作説を...

蒔絵・研究日誌 | 2025.11.24 Mon 23:20

柴田是真作「青海波宝舟蒔絵印籠」を蒔絵博物館に展示しました

蒔絵博物館の作品展示室に柴田是真作「青海波宝舟蒔絵印籠」を展示しました。   蒔絵博物館作品展示室 柴田是真作「青海波宝舟蒔絵印籠」   今回は、現実世界でも東京黎明アートルームでの「柴田是真 −対柳居から世界へ−」でも展示しており、実際にご覧頂くこともできます。 2024年に出現した新出作品です。併せてご覧ください。   会場写真あり「柴田是真 −対柳居から世界へ−」東京黎明アートルーム(東京・東中野)       JUGEMテーマ:日本史

蒔絵・研究日誌 | 2025.10.23 Thu 08:58

発見された14代将軍・徳川家茂の大小の小刀(脇差)

今日、中日新聞の「14代将軍・徳川家茂の刀剣、尾張藩士の子孫宅で発見 美意識随所に、徳川美術館で11月初公開」というネットニュースを偶然目にしました。まさか!とびっくり。つい数日前も、今どきなら、AIで将軍家茂の大小拵を映像で復元できるのではないかとつまらぬことを考えていたからです。  尾張藩士の子孫宅で見つかったのは、大小の小の方、脇差です。いつか出現するとは思っていましたが、生きているうちに目にするとは思いもよらず。写真を見ると、梨子地亀甲青貝の鞘、勝色の柄巻と、全く私の妄想どおりのものだっ...

蒔絵・研究日誌 | 2025.10.19 Sun 23:30

姫路藩主・酒井雅楽頭家上屋敷表門(山梨県・山中湖村)

かつて30年くらい前、山梨県山中湖村で一度だけ見た、姫路藩上屋敷、酒井雅楽頭忠邦邸の表門をやっと探し当ててもう一度見に行きました。当時から個人のお宅の門で、所有者が平成5年に作られた解説プレートも変わらずありました。  維新後に大蔵省の表門となり、その後、三井家の戸越別邸の表門となり、昭和33年に現在地に移築されたとあります。 大蔵省時代は両番所も残り、梁間2間だったものが、三井家時代に梁間1間に切り詰められたとあります。  だいぶこじんまりとしてしまっていますが、江戸の大名屋敷の遺構...

蒔絵・研究日誌 | 2025.08.29 Fri 13:28

「広がる屏風、語る絵巻」細見美術館(京都市・岡崎)

出張で京都に来ました。38℃で東京よりひどい暑さで、外を歩くことすらままなりません。  細見美術館の屏風絵巻展を見たかったので来ました。重文「豊公吉野花見図屏風」は前にも一度見ましたが、とても面白い屏風です。輿に乗った豊臣秀吉とその一行が中心に描かれています。特に興味を引かれたのは2箇所に描かれている駕籠で、左隻の駕籠は担い棒が室内を貫通している旧式の駕籠、右隻に描かれている駕籠は担い棒から駕籠が吊り下げられている新式の駕籠です。ひとつの絵に両方描かれているのは珍しいと思います。桃山から鈴木...

蒔絵・研究日誌 | 2025.07.26 Sat 13:25

「皇后のまなざし」明治神宮ミュージアム(東京・代々木)

明治神宮ミュージアムで開催されている「皇后のまなざし」を見てきました。 ポスターにも写真がある植松抱民作「源氏篝火蒔絵料紙硯箱」は素晴らしい最高傑作といって良いほどの作品で、明治27年の展覧会で明治天皇御用品になったものだそうです。硯箱見込が御簾ごしに庭を眺める構図となっている発想も面白いものでした。   他にも昭憲皇太后所用の文房具や初公開の煙草盆もありました。梅蒔絵の小箱も傑出した出来で、白山松哉などさぞ名工の作になるものだろうと思います。   JUGEMテーマ:日本史 n ...

蒔絵・研究日誌 | 2025.06.22 Sun 23:53

「黒の奇跡」静嘉堂@丸の内(東京・丸の内)

静嘉堂@丸の内で「黒の奇跡」を見てきました。国宝の曜変天目の展示ですが、前は黒のアクリル板の上に置いていましたが、 今回は3本の支柱の上の透明なアクリル台の上に置かれ、下に置いた鏡で底が見えます。陶器なのに高い精度で細く面取りして極めて精巧に仕上げられた高台の畳付に驚きましたが、あとでチラシをみて「高台初お披露目」とあり、そこが目玉だったのかと後で知りました。  今回は曜変天目とともに、天目の名品、そして黒っぽいものの特集展示です。漆工品では是真の五色塗、青海波、柳蒔絵の重箱や、印籠・根...

蒔絵・研究日誌 | 2025.06.16 Mon 17:36

川越城(埼玉県・川越市)

30年ぶりに川越に行ってきました。本丸御殿は壮大な唐破風の玄関が残っていますが、たしか一棟だけしか残っていなかったと記憶していましたが、奥にもう1棟建っています。民間に移築されたいたものを再度移築してきたと解説されていました。役所部分が残っているのも珍しいことです。  堀の一部も復原されていました。関東の城に多い土塁で、土塀も復原されています。城内側が60度、城外側が35度と解説されていますが、7,80度に見えます。本当にこれで自立していたのでしょうか?とても登れそうにない急角度でした。 ...

蒔絵・研究日誌 | 2025.06.13 Fri 14:13

「幽玄への誘い」大倉集古館(東京・神谷町)

大倉集古館での久々の能楽展示です。岡山藩主池田家の能装束、鳥取藩主池田家の能面が展示され、久留米藩主有馬家の狂言面がまとめて展示されています。能装束は修理が完了して、とても美しく展示されています。 6月29日まで開催されています。       JUGEMテーマ:日本史

蒔絵・研究日誌 | 2025.05.05 Mon 11:34

「雪華の刀装―土井利位の愛刀と工人たち―」古河歴史博物館(茨城県・古河市)

3/14にこのブログに書いた古河歴史博物館「雪華の刀装―土井利位の愛刀と工人たち―」にようやく行ってきました。気が付けば、もう2ヶ月近く経って終了間近となっており、焦って行ってきました。  古河藩主で老中の土井利位愛用の梅花皮鮫鞘の大小拵で、刀身は固山宗次、総金具は後藤一乗、と思っていましたが、金具の一部を後藤光美と浜野味墨にも分担して作らせ、しかも大刀の方の小柄の穂は国友一貫斎という利位周辺の職人のオールキャストのような作品でした。博物館が購入する以前の持ち主が愛玩されていたという理由もうなず...

蒔絵・研究日誌 | 2025.05.03 Sat 22:34

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